日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧玉造町(行方市)を写真とともに紹介する。
Vol.207/茨城県旧玉造町(行方市)
2005年に合併し、行方市になった旧玉造町。もし、「出身は玉造です」という会話があったとすれば、今までのぼくなら「わあ、素敵な温泉街ですね」と、知ったかぶりをしてしまっていたかもしれない。島根県松江市に玉造温泉があることは確かだ。でも、茨城県にも旧玉造町があったことを今回の旅で知ることができた。また、ほかにも大阪などで同じ地名があるようだ。ただ、訪れた場所でなければ、知ったかぶりになってしまうので、これからチャンスがあれば、「茨城県の玉造ですか?」と言えたらいいなと思う。
旧玉造町では、天台宗の西蓮寺を訪れた。創建1200年以上といわれる古刹だ。深い木々に囲まれた静かな境内を進むと、とても立派なイチョウが二本、聳え立っていた。このイチョウも樹齢1000年を越えるというから驚きだし、実際に目で見て圧倒された。
西蓮寺を訪れたあと、「道の駅たまつくり」へ向かう。そばにはかすみがうら市方面と結ばれた、長さ1.1キロの霞ヶ浦大橋が架かっていた。霞ヶ浦はとても大きな湖だけれど、地形的にこの辺りは対岸同士の距離が狭い。橋を架けるには最適だったのだろう。
それに、道の駅たまつくりからは、晴れた日であれば綺麗な夕日が見えるそうだ。湖は深い木々に囲まれていることが多いので、あまり夕日のイメージがない。でも、霞ヶ浦なら地平線も低いようだ。晴れた夕暮れ時に、また訪れてみたい。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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