クラウド型タクシー配車システムや配車業務の委託サービスを展開する電脳交通は、タクシー事業者が事業主体となり行う自家用車活用事業「日本型ライドシェア」における配車アプリ以外の運用実現に向け、京都のタクシー会社エムケイホールディングスに事前確定運賃機能を導入。5月以降、京都府内の営業エリアのタクシーにてサービスを開始し、今後日本型ライドシェアへの導入を目指す。
日本型ライドシェアの運行により移動力を強化
4月からスタートした日本型ライドシェアは、タクシーが不足しやすい地域・曜日・時間帯に限り、タクシー事業者がライドシェアドライバーと車両の運行管理や教育、車両整備を行う運送責任を負うことで、利用者の安全・安心を確保する形で運行する点が特徴だ。
電脳交通は、エムケイホールディングスへの日本型ライドシェア運行管理に対応したシステムの提供、導入サポートを実施。配車アプリ経由以外での電話注文においても事前確定運賃での運用が可能な機能を提供し、タクシー車両・日本型ライドシェア車両双方のハイブリッドな運行が円滑に進むようサポートする。
これにより、移動需要が増える時間帯で提供可能なタクシー・ライドシェア車両数が増加、利用者には、タクシー事業者管理のもと安心・安全に移動できる手段が確保しやすくなると考えているという。
電脳交通の日本型ライドシェア向けシステムの仕組み
電脳交通が提供する日本型ライドシェア向けシステムでは、乗客は電話注文・配車アプリ注文のどちらも利用でき、タクシーと日本型ライドシェアのどちらの車両も選択可能だ。
また、タクシー事業者側でもタクシーと日本型ライドシェアの車両を1つのシステムで運行管理が可能で、従来のドライバー用タブレット端末だけでなくライドシェア車両向けのスマートフォン版ドライバーアプリを提供する。日本型ライドシェアの運行に必要な事前確定運賃、キャッシュレス決済などにも対応している。
エムケイ社日本型ライドシェア運行内容詳細
エムケイホールディングスによる京都府の日本型ライドシェアの運行地域は、京都市(旧京北町区域を除く)、宇治市、長岡京市、向日市、八幡市、城陽市、京田辺市、木津川市、乙訓郡、久世郡、綴喜郡、相楽郡。
運行曜日と時間帯は、月・水・金曜日の16:00〜20:00、火〜金曜日の0:00〜5:00、金・土・日曜日の16:00〜翌6:00となっている。
代表の言葉
今回の取り組みについて、エムケイホールディングス・代表取締役社長の青木信明氏は、以下のようにコメントしている。
「タクシーの供給不足の改善の一手として始まりました日本型ライドシェア(自家用車活用事業)ですが、原則アプリを通した配車でキャッシュレス決済とされています。しかし当社のお客様はとくに午前中は病院に通われる高齢の方が多くいらっしゃいますので、コールセンターで電話応答し車内で現金決済出来る仕組みがほしいと考えていました。電脳交通の受配車システムで実現可能と聞き、お客様に一台でも車両を供給するために、まずはタクシーで事前確定運賃を導入し、コールセンターでの配車が習熟すれば日本型ライドシェアも導入していくことにしました。
いまタクシーは大きな変革期を迎えています。電脳交通には新しい動きに対応していただき当社のビジネスを支えるだけでなく、日本社会の交通課題を解消する取り組みに果敢に挑戦いただきたいと思います。」
地域公共交通を通じた電脳交通のSDGsの取り組み
電脳交通は創業以来、地域公共交通の維持・存続のためにタクシー事業者向けの配車システム開発・提供や配車委託サービスを提供してきた。また、全国の自治体・公共団体・民間企業と連携し、多くのMaaS・地域交通に関する実証実験を進めている。
高齢化・人口一極集中で地方の公共交通機関の約8割は赤字となっており、営業撤退や縮小により交通弱者の増加や交通空白地帯が拡大している。こうした状況を踏まえ、創業の精神と国連が定めたSDGsを尊重し、「すべての人がいつでも生活に必要な移動ができる社会」と「地域に必要な移動を支える交通事業者がいつまでも存続可能な社会」の実現に向け努力していくという。
電脳交通が提供する日本型ライドシェア向け事前確定運賃機能を採用したエムケイホールディングスのタクシー・ライドシェアを利用してみては。
電脳交通HP:https://cybertransporters.com/
(yukari)