オフィス×壁画事業を2018年から展開する「NOMAL/NOMAL ART COMPANY」は、ライブで描かれる壁画の魅力を町づくりに活かすべく、一部の外壁を「MURAL MEDIA」として運用することをスタートした。
第一弾は京王電鉄運営「ミカン下北」の中にある付帯の壁面。2023年に壁画の運用を始めたこの壁だが、名前を「MURAL MEDIA」とし、数ヶ月毎にアートが変わる壁面として人々の目を楽しませている。
「壁画文化」について
「MURAL(ミューラル)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。「MURAL」とは壁画のことであり、主に壁面に直接描かれるアートを指す。海外では文化的なムーブメントとして活用されるだけではなく、壁画フェスが開かれるなど貴重な観光資源として町づくりに活用されている。ただ法律の規制などの側面から、日本、特に都内での壁画はそれほど多く見ることができないそう。
そんな中、「NOMAL ART COMPANY」は、2018年よりオフィス×壁画事業を手がけてきたが、近年はオフィスでアーティストが描く姿を見ること自体が人々の刺激になっていると感じて、2023年より屋外の壁面の開発を積極的に行ってきた。
unomori氏がライブペイントを実施
その第一弾が「MURAL MEDIA at ミカン下北」。この壁面は京王電鉄の協力のもと「NOMAL ART COMPANY」が運営をしており、2023年11月よりアーティストが個性的な壁画を描くなど下北沢の人の目を楽しませてきた。側の歩道は遊歩道になっており、ゆっくりと壁画制作を眺めて駅に向かう人が目立つそう。
6月5日(水)からはアーティストunomori氏がこの壁面でライブペイントを開始している。unomori氏は、40名以上のアーティストの中から、初の公募を経て選出されたアーティスト。京王電鉄と「NOMAL ART COMPANY」協議のもと、実験的でコラージュのような作風が、ミカン下北沢が持つテーマや下北沢の持つ様々な異文化のコラージュ的側面にもマッチするとして、選出されたそう。
unomori氏は6月5日(水)から10日間ほどかけてミカン下北沢に壁画を描いていくので、お見逃しなく!
過去の壁画をチェック
「MURAL MEDIA at ミカン下北」の今までの壁画も紹介しよう。
第一期は、「WHOLE9」。2023年11月に京王電鉄の協力のもと、「明治」をクライアントとして「壁画広告」を描いた。この壁画広告は明治 ザ・チョコレートのリブランディングをテーマとし、大阪在住のペイントユニットWHOLE9が描いた。
11月の1週間にわたって描かれ、通常の屋外広告とは異なる人々の反応があったとのこと。徐々に壁画が出来上がる様子に、「何ができるんだろうね」「あっチョコレートなんだ、Meijiなんだ」とさまざまな声が。1週間のうち写真撮影した人は500名以上に昇り、下北沢の街を行く人の目を楽しませたという。
以降、この壁面は広告としての利活用だけではなく、下北沢の街並みの一部として常にアーティストが代わり、数ヶ月ごとにリニューアルされる壁面となっていった。
WHOLE9×明治の壁面が終了した後は、アメリカで活躍する女性ペインターJUURI氏がダイナミックな壁画を描いた。モチーフとしたものは「三番叟(さんばそう)」。三番叟とは神事儀礼の舞曲の一つで五穀豊穣、延命長寿、子孫繁栄を祈り、鈴を持って踊るものだ。
2024年の始まりのアートにふさわしいテーマと、「ミカン」という名前と親和性がある形、ダイナミックな女性の相貌は2024年5月まで下北沢の街に彩りを与えた。
今後の展望
壁画は景観として町づくりの一端を担うだけではなく、アーティストと人々との交流に繋がり、日本のアート文化やアーティスト育成の一助になると信じている「NOMAL ART COMPANY」。また、最もカジュアルな芸術と言える壁画が、日本のアート市場の裾野を広げてくれることを信じ、今後も電鉄などインフラ事業者との連携のもと、「MURAL MEDIA」を増やしていく考えだ。
下北沢に行った際は、「MURAL MEDIA at ミカン下北」に注目してみては。
■MURAL MEDIA at ミカン下北
住所:東京都世田谷区北沢2丁目6−4
NOMAL ART COMPANY公式HP:https://nomalartcompany.jp
(ソルトピーチ)