日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県須賀川市を写真とともに紹介する。
Vol.247/福島県須賀川市
須賀川市を訪れた。須賀川市は、なんといっても“特撮の父”こと円谷英二さんのふるさとである。ということを、今まで知らずにいた。前回の旅では乙字ヶ滝を見に行ったので、気づかなかったのだ。市街地を中心に、tette(テッテ)という須賀川市民交流センターと、その館内にある円谷英二ミュージアムを訪れた。
円谷英二さんといえば、ウルトラマンやゴジラ。「胸に付けてる マークは流星〜♪」というウルトラマンの曲は覚えているが、さほど詳しいわけではない。ゴジラに関してもかなり怖がって育った。なので、円谷英二さんの人生の軌跡を今回追って、初めて知ることがたくさんあった。
印象的だったのは、ゴジラが世に出たのは円谷さんが53歳のとき。ウルトラマンは65歳のときにテレビに初登場した。ここに至るまでの苦労や、心の葛藤があったことも知った。それでも駆け抜け続けた。
展示の中で、ゴジラが須賀川市に現れるという映像があった。そこには須賀川市民の方々も、エキストラでたくさん参加されていた。すごく生き生きと楽しそうだった。円谷さんが残したものの大きさをあらためて感じた。
「さらなる夢に向かって」と題したメッセージには、次のような言葉が。
「少年時代に、自分は何がすきか、なにを一生の仕事にするかを発見できたら、きっとすばらしい一生をおくることができると思います。みなさんもがんばってください。」
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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