文科省傘下の「国⽴⻘少年教育振興機構」では、「⼦どもの成⻑を支える20の体験」というパンフレット改定版を配布中だ。
そこには子どもの生活環境のなかに意図的、計画的に多様な体験の場や機会を作っていく際の指標になるよう、成長を支える体験活動として8つの領域を挙げている。
夏休みを前に、長い休みを使って「子どもに様々な体験をさせてあげたい!」と考える親にとって、参考になることも多そうだ。
この夏を子どもの成長の機会に
子どもたちのこの夏の成長を支える8つの体験活動領域とは、「自然体験(キャンプ・登山、カヌーなど)」「集団体験(クラブ、子ども会など)」「地域行事(祭り、スポーツ大会など)」「地域貢献(環境保全活動、ゴミ拾いなど)」「職業体験(1次産業体験、職業型テーマパークなど)」「文化芸術体験(音楽、絵画、など)」「科学体験(プログラミング、科学実験など)」「国際交流体験(異文化交流プログラムなど)」。社会を生き抜く資質・能力を身につけた大人になるための多様な経験は、この8つの領域のなかにあるともいえる。
キャンプ体験に代表される集団での自然体験には、子どもたちに身に付けてほしい「生き抜く力」を獲得するエッセンスがたくさん含まれている。英語を使った子どもキャンプなども昨今はあり、選択肢も豊富だ。
親も、キャンプは初めてだったり、苦手だったりする場合もあるので、至れり尽くせりの親子キャンプもおすすめだという。
プログラミング体験とは?
この8つの体験領域の中で気になるのが、“プログラミング”という言葉。今やITではなくAIの時代であり、プログラミング学習は、コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることを掲げて、小学校でも必修になっている。
テクノロジーの進化のなかで、仲間とともに、先頭に立って新しい価値を創造して社会を支えていく子どもたちにデジタルは欠かせない。
「自然×体験×デジタル」を掲げる「デジタルガキ大将キャンプ」を企画主催するトヨタ白川郷自然學校の學校長・山田俊行さんは、「将来、社会を生き抜く資質・能力を身につけた人になるには、周りにいる大人が、意図的、計画的に多様な体験の場や機会を子どもに作っていくことが大切。子どもたちの成長を支えるよりよい体験環境を創りだすには、身体性のセンサーがおのずと働く自然のフィールドで、自らの五感や身体性の体験設計は当然、タブレットも体験の質を上げるためならガンガン使います。子どもたちには、もはや火やナイフよりもデジタルツールのほうが、なじみがあるわけです。自然科学の研究領域では、デジタルを使わないフィールドワークはあり得ない時代です。要は、ツールを使う人間側の資質や態度、その基盤が大切なはず。(一部抜粋)」と話している。
夏休みは多様な体験の良い機会。子どもがいる家庭は、1度パンフレットに目を通して参考にしてみては。
⼦どもの成⻑を支える20の体験(pdf):https://www.niye.go.jp/wp-content/uploads/2024/04/kodomoseityo2024.pdf
トヨタ白川郷自然學校:https://toyota.eco-inst.jp/
(鈴木 京)