エル・システマジャパンは、7月15日(月・祝)に「エル・システマ子ども合唱祭 in 東京:うたで誰もが輝く時間」を、国立オリンピック記念青少年総合センター 大ホールにて開催する。
子どもたちを守るために始まった音楽教育プログラム
エル・システマは1975年、貧困や治安の悪化などの問題を抱えていた南米ベネズエラで、子どもたちを守るために始まった音楽教育プログラム。現在では、70以上の国・地域でエル・システマの理念に基づいた音楽教育が実施されている。
日本では、東日本大震災で被災した子どもたちが音楽での経験を通して、自信や尊厳を回復し自分の人生を切り開いていく力を育むことを当初の目的に、2012年よりエル・システマジャパンとして福島県相馬市で開始。2014年から岩手県大槌町、2017年より長野県駒ヶ根市、東京都、10周年を迎えた2022年からは大阪府豊中市、京都府舞鶴市と活動が拡大している。
掲げるビジョンは「誰もが自由で創造性を発揮できる共生社会」。家庭の事情にかかわりなく、どんな子どもも音楽に触れられること、皆で奏でるオーケストラやコーラスの形で学んでいくことを大切にし、自己表現の場として、大事な居場所の一つとして、音楽が人と人をつなぐことを目指している。
3地域の子どもたちが集う合唱祭を開催
「エル・システマ子ども合唱祭」は、日本のエル・システマで合唱を学ぶ3地域の子どもたちが東京に集い、共に歌声を奏で、世代や障害などを越えて楽しむことのできる合唱祭だ。
多様な子どもたちが共に学びながら音楽の高みを目指して披露するコーラスを通し、文化芸術で感じる身近なダイバーシティや誰もが自由で創造性を発揮できる素晴らしさを届ける。
出演は、「東京子どもアンサンブル」「相馬子どもコーラス」「舞鶴子どもコーラス」。
開催地の「東京子どもアンサンブル」は、視覚や発達に障害を持つ子どもたちを中心に、そうした子が周りにいることをほとんど知らずに育ってきた子ども同士が共に活動できるコーラス。インクルーシブな社会づくりに共鳴する子どもたちが、互いに切磋琢磨して成長している。
福島県相馬市の「相馬子どもコーラス」は、設立から11年という歳月を経て、声楽の道に進む卒業生も出てきているという。生き生きと音楽に打ち込む子どもたちの溢れるエネルギーは、東日本大震災以降も台風や地震の被害、コロナ禍で疲弊した地域社会にとって希望となっている。
京都府舞鶴市の「舞鶴子どもコーラス」は、歌が好きな子はもちろん、仲間と繋がるきっかけを探している不登校の子や性的指向の違いを持つ子、発達や身体に障害を抱える子どもたちの居場所にもなるような、インクルーシブな音楽団体だ。
それぞれの地で、困難を乗り越え共に歌を学ぶ子どもたちが集うこの合唱祭は、音楽を通して自己を表現し、仲間と連帯意識を深め、聴衆ともつながる、子どもたちにとってかけがえのないコミュニティ体験となるはずだ。
公演詳細
「エル・システマ子ども合唱祭 in 東京:うたで誰もが輝く時間」は、7月15日(月・祝)13:00開場、13:30開演。入場料は大人2,000円、子ども(18歳以下)1,000円(自由席)。3歳未満の子どもは、保護者の膝の上で鑑賞する場合は無料だが、座席が必要な場合は子ども料金のチケットが必要だ。
また、障害者手帳を持つ人への割引チケットや寄付つきチケット(指定席)のほか、視覚に障害のある人のための公演説明会なども用意されている。詳細は、公式サイト内のイベント詳細ページや、チケット取り扱いページから確認を。
当日は児童合唱の名曲から歌って踊るステージまで、それぞれのコーラスの持ち味を生かした演目を予定している。合同合唱では、東京初演となる『こどものへいわ』(平野一郎作曲)を選曲。今の時代を生きる子どもたちが対立の止まない現代世界への思いを歌声に乗せる。
各地域のエル・システマで合唱を学ぶ子どもたちが集うコンサートを、会場で楽しんでみては。
■エル・システマ子ども合唱祭 in 東京
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター 大ホール
住所:東京都渋谷区代々木神園町3-1
エル・システマジャパン公式サイト:https://www.elsistemajapan.org
チケット取り扱いページ:https://teket.jp/469/33870
(田中彩文)