補助犬を育成・認定・啓発する日本補助犬協会は、「病と闘う子どもたちに寄り添うファシリティドッグを育てたい」という思いから、新たな育成プロジェクトをスタート。7月1日(月)の「ファシリティドッグの日」にあわせて、その前後にクラウドファンディングも実施し、事業を展開していく。
病院での日々に癒しを添えるファシリティドッグとは
ファシリティドッグは、専門のトレーニングを受け病院などの施設で活躍する犬のこと。信頼する訓練士と共に、入院や治療に向き合う人々の元へ派遣されている。
大人でも病院での治療は辛いもの。痛みを伴う注射、先行きの見えない検査の日々、手術など、本人や家族に多くのプレッシャーやストレスがかかってくる。
特に子どもたちは、痛い治療や様々な検査を受けなければならず、「行きたくない」と言う子もいるものだ。
こうしたシーンで活躍するのが、寄り添い、心を和らげてくれるファシリティドッグ。ベッドでの添い寝や辛い治療への寄り添い、手術室へ向かう際の付添いなど、病院での日々に癒しを添えてくれる。
一方で、日本の子ども病院には、ファシリティドッグは民間団体が育成した数頭しかおらず、それも首都圏を中心に集中している。関西にはまだ育成の拠点すらなく、医療現場をはじめ、日本での認知の低さが最大の課題となっている。
病気と向き合う子どもたちを笑顔に
そこで日本補助犬協会ではこの状況を打破するため、大阪府泉佐野市にある栄公会と協働し、大阪でファシリティドッグを育成して子ども病院に派遣する「プロジェクト・ジュリエット」をスタート。
チームの中心となっているのは、自身も治療がかなわない進行性の難病を患い、介助犬ジュリエットとともに患者の診療・リハビリにあたっている中村薫医師。「自分がジュリエットから受け取ったものを、今度は病気や障がいをもつ子どもたちに届けたい」という、中村医師の願いが込められている。
そのために、ファシリティドッグに必要な医療機関でのトレーニングの協力を全面的に担い、自身の拠点である泉佐野市から、病院にいる子どもたちに届けることを目指しているという。
活動費を集めるためにクラウドファンディングを実施
このプロジェクトには、主にファシリティドッグの育成や訓練の費用として、1,300万円のファンドが必要であることから、この活動費を集めるために、日本補助犬協会はクラウドファンディング(※)ページを立ち上げた。
すでに48人の人から150万円ほどが集まり、8月末までの残り65日間での達成を目指している。
日本補助犬協会とは
日本補助犬協会は「街角で当たり前にユーザーと補助犬に出会う社会」を目指し、人と動物の豊かな共生社会の一助となれるよう活動している。
国内で唯一、盲導犬、介助犬、聴導犬の3種類の補助犬を育成・認定できる団体として、2002年の身体障害者補助犬法施行を機に設立された。
設立以来、育成し無償貸与してきた補助犬の数は122頭。盲導犬:41頭、介助犬:25頭、聴導犬:56頭となる。
病気と向き合う子どもたちを笑顔にすることを目的に立ち上げた「プロジェクト・ジュリエット」に参加してみては。
日本補助犬協会公式サイト:https://www.hojyoken.or.jp
Syncable公式サイト:https://syncable.biz
プロジェクト名:【関西初の育成拠点を】ファシリティドッグを子ども病院に派遣し、子どもたちに優しい時間を届けたい!
(※)同協会への寄付は税制上の優遇措置が適用されます。
(丸本チャ子)