愛知県名古屋市にある徳川美術館では、7月27日(土)～9月16日(月・祝)の期間、“もののふの備え”を共通テーマにした2つの特別展「甲冑の美学」と「馬とともに」を開催する。

チケットは、オンラインチケットサイトで販売中。前売券はオンラインチケットサイトのみで購入でき、前売り期間は7月26日(金)までだ。

また、小・中学生を対象とした関連企画も実施する。

「もののふの備え 甲冑の美学」

「甲冑の美学」は、美しさと機能性が融合した日本の甲冑を紹介する特別展だ。

古今東西の鎧のなかでも、日本の甲冑は美しさ華やかさを重視して作られた特異な鎧。平安時代に登場する大鎧は、戦闘に用いる武具であるにもかかわらず、王朝装束の「かさねの色目」の影響を受け、色彩豊かな威糸で装飾された。

また、戦国期の甲冑は、徒歩戦のために機能性を追求して構造がシンプルになる一方、戦場で目立ち、あるいは武運を祈るため、個性的で奇抜なデザインが取り込まれることもあった。

同展では、これら装飾性豊かな日本の甲冑美を紹介するとともに、江戸時代以降、盛んに行われた中世武具の考証、復古にも焦点を当てる。

「もののふの備え 馬とともに」

「馬とともに」では、馬とともに生きた武士の感性を紹介する。

馬は古来より人の生活と文化に深く関わり、中世からの武家社会では特に軍馬として重用された。軍事権を「兵馬の権」・武芸一般を「弓馬の道」と言うように、馬を扱うことは武士の必須の嗜みであり、優れた馬は、武威・武芸の象徴として武士の身分格式を示す存在となったのだそう。

こうして武家風俗と密接に結びついた馬は、その気高い姿が武士たちに愛好され、多様な美術工芸品のモチーフにもなっている。また、人と馬をつなぐ馬具は時代や用途によって変化し、近世には華やかな装飾性が取り入れられて発展してきた。

同展では、馬と人がともに生きた歴史について、武家社会と馬の関わりを中心に紐解いていく。

夏休み子ども企画「もののふの備え」

徳川美術館では、「甲冑の美学」と「馬とともに」の関連企画として、7月27日(土)～9月1日(日)の期間、夏休み子ども企画「もののふの備え」を開催する。

同企画では、小・中学生を対象に展覧会を分かりやすく紹介。また、楽しく鑑賞するためのワークシートを配布し、スタンプラリーやクイズを実施する。なお、参加費は無料だ。

数々の名品に出会える徳川美術館

黒門

外観

徳川美術館は、名古屋市東区徳川町にある美術館だ。

本館展示室

名品コレクション第1展示室

徳川家康の9男であり尾張徳川家初代の徳川義直が家康から譲り受けた遺品を中核に、江戸時代を通じて御三家筆頭の大名家に受け継がれてきた名品と、その後の収集品からなる1万件を超えたコレクションを有する。

名品コレクション第3展示室

名品コレクション第4展示室

「源氏物語絵巻」や「初音の調度」をはじめとする国宝9件、重要文化財に指定される絵画・陶磁器・染織品など59件、「短刀 銘 吉光 名物 後藤藤四郎」など1000振におよぶ刀剣類など、質量ともに充実した日本文化の発信地といえる。

入館チケットは、通常料金の場合は一般1,600円・高大生800円・小中生500円で、毎週土曜日は高校生以下無料。オンライン前売り・20名以上の団体料金は、一般1,400円・高大生700円・小中生400円だ。オンライン一般ペアチケットは3,200円だが、前売りなら2,700円で購入できる。

日本の武士とともにあった甲冑や馬の展示を通して、その時代に思いを馳せてみては。

■もののふの備え　甲冑の美学/馬とともに
会期：7月27日(土)～9月16日(月・祝)
場所：徳川美術館
住所：愛知県名古屋市東区徳川町1017
展示作品数：甲冑の美学91件/馬とともに52件
オンラインチケットサイト：https://www.e-tix.jp/tokugawa-art-museum

■徳川美術館
公式ホームページ：https://www.tokugawa-art-museum.jp
Instagram：https://www.instagram.com/tokugawa_artmuseum

(Higuchi)