日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧月舘町(伊達市)を写真とともに紹介する。
Vol.279/福島県旧月舘町(伊達市)
伊達市では、2006年に伊達町、梁川町、霊山町、保原町、月舘町の、5つの町が合併し、伊達市になった。地図を見ると、それぞれ小さなまちが合併して、現在の伊達市があるのだなあと感じられる。
そして、福島市の旧飯野町から移動して、旧月舘町へやってきた。町の中央には広瀬川が流れていて、比較的平坦な景色の印象だ。それでも遠くには丘陵地や山並みが見えて、自然も感じられる穏やかな風景が広がっていた。
まずは月舘総合支所へ訪れてみる。広瀬川沿いに建っていて、川向こうには並ぶように穏やかな町並みが広がっていた。その町並みの背景となっている木々も良い。
そして、市街地を散策していく。住宅地は戸建てが多く、昔ながらの住宅が多かった。屋根の形は三角だったり四角だったりそれぞれだが、屋根の淡い水色やベージュなどの色彩が、福島県らしさを感じさせる。
不思議なデザインの木の板があったり、薪が積まれていたり、木が身近にある気配も強い。そして何より、静かな暮らしがここにも広がっているということだ。都会のような街らしさがあるかといえば、ないだろう。しかし、ゆったりと川が流れ、昔から大きく変わらない時間がある。そこには心地良さもあるはずだ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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