日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧岩出山町(大崎市)を写真とともに紹介する。
Vol.292/宮城県旧岩出山町(大崎市)
次にやってきたのは旧岩出山町。まず、『あ・ら・伊達な道の駅』を訪れた。じゃらんの全国道の駅ランキングで、2020年と2021年に全国1位、2022年に全国3位という、とっても人気な道の駅だ。
至福の入口の先は、食事処だけではなくて、地元の農産物売り場、お土産売り場、それも広々とした気持ちのいいスペースで、いろいろと販売されていた。ロイズのチョコも売っててビックリした。
でも、豪華だとか、豊富だとか、充実だとか、そういう場所は、案外どこにでもある。だから、なんだろう……。雰囲気が明るくて、過ごしやすかった。お店の方たちがつくり出しているものなんだと思う。すごい、ってことも良いけれど、明るくてたのしい! ってことがうれしくなる。
また、伊達政宗といえば仙台藩、仙台市のイメージがとても強いけれど、岩出山は、若かりし政宗が過ごした土地だった。その岩出山のまちなみを流れる内川は、政宗によって開削された、農業用水や生活用水、防火用水の確保のための人工水路だ。神田川が同じく人工河川であることを思い浮かべたし、豊かな川の流れは美しかった。
最後に、『感覚ミュージアム』という施設にも訪れた。館内に入る前から、ゲームのメニュー画面みたいな、電子音のようなサウンドが流れている。
入館料を払って進む。撮影が可能なのは、フロント周辺までだ。そこには楽器のようなものが置かれていた。いや、それはいろんな形の楽器だった。自由に叩いたり、弾いてもいいとのことで、それぞれ音を鳴らしてみた。わあ、すごく楽しいぞこれ。そうか、感覚ミュージアムというのは、音のミュージアムなんだ! と思って、そこから撮影禁止のエリアに進んだ。
「こちらからどうぞ」と案内されて、いざ入場だ。すると、なんと、いきなり暗闇の世界が待っていた。え、どういうこと? どうやら手すりを持って進むらしい。そして、何か穴があったら触ってみて、と。怯えながら進む。やがておそらく穴を見つけた。触る? うん、触るしかない。うわあっ。人の手だ。動かない、模型だ、良かった。でも、ちょっとお化け屋敷みたいだ。そのまま進む。ジャラーン。わわっ、ピアノの鍵盤だ。今度は光った!
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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