日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧栗駒町(栗原市)を写真とともに紹介する。
Vol.296/宮城県旧栗駒町(栗原市)
次に向かったのは、旧栗駒町。天気も晴れてきたので、これで今日は大丈夫だという思いで、「六日町通り商店街」と「いわかがみ平」のふたつを訪れた。旧鶯沢町から六日町通りまでは近いけれど、いわかがみ平は栗駒山の登山口で、六日町通りから30kmも離れている。さらに、いわかがみ平の標高が1113mあるので、天気を少し心配していたのだ。でも、大丈夫だと思ったので、くりこま高原を感じに行こう。
最初に向かった六日町通り商店街では、懐かしいお店がいくつも並んでいた。もう少しお昼時になればお店が開きはじめて、いろんなお店との縁を楽しめそうである。
さて、いわかがみ平まではひたすらに登り坂を進んでいく。途中現れたスノーシェルターは非常に立派で、冬の栗駒山の厳しさも感じられる。
そして、いよいよ駐車場へ到着した。雲を見上げるのではなくて、同じ目線で、ぷかぷかと浮かんでいた。そういえばさっきの曇り空は君たちだったのだな、と思いながら。見下ろす広大な山並みは、どこまでも続いて見えた。
栗駒山そのものの標高は1626mだそうだ。いわかがみ平から、さらに500m登らなければならない。登山経験の少ないぼくにとっては、山の持つスケールの大きさに圧倒されるばかりだ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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