プラスチック製品の製造・加工を行っている三好製作所の「mii(ミィ) キッズ保冷ランチボックス」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞した。
製品寿命が短い子ども用弁当箱
成長の著しい年少〜小学生低学年の時期は、年々食べる量が増えるため子どもの成長に合わせて、頻繁に弁当箱を買い替える必要がある。一方で、保育園は給食提供が義務であることや、幼稚園でも保護者負担軽減のために、弁当持参の機会が減っている。その為、年に1、2度しか使わないケースも多数見受けられる。
子ども用弁当箱の再利用は難しく、「もったいない」と感じられながらもたった数回使っただけの弁当箱がゴミになるケースも少なくない。
また、子どもが保冷剤で遊んでしまう、中身が出てきてしまうなどを懸念し、保冷剤の使用を禁止する保育園・幼稚園もあるという。クーラーの効いた部屋で保管するので問題ないと考えられることもありますが、食中毒を起こす細菌の多くは、約20℃の室温で活発に増殖し始める。炎天下の下でなくとも、食中毒の危険は常に潜んでいるといえるだろう。
安全な食への工夫・配慮は、お弁当作りとは切り離せない大きな問題といえる。
このような課題を解決できるような弁当箱を形にするにあたり、幼稚園・保育園・学校給食用食器の企画・製造・販売の知見をもつ三信化工にデザインと技術協力を、保育に関する知見をもつ「興善会 子供の家愛育保育園」に、試作品を見ながらさまざまな意見をヒアリングし、製品にフィードバックした。
成長に合わせて容量を変化させられる
「mii キッズ保冷ランチボックス」2,530円(税込)は、子どもの成長や具材に合わせて中子の組み合わせを変えることで、容量を変化させることができる。容量を変化させられるため、成長の著しい年少〜小学生低学年の時期に頻繁に弁当箱を買い替える必要がなく、経済的なだけでなく、プラスチックの使用量を削減する効果もある。
保冷剤一体型の蓋を備える
同商品は蓋に保冷剤が内蔵されているため、夏場を中心にオールシーズン安心して持っていくことができる。食べ終わったら洗って蓋を冷凍庫に収納し、使うときは冷凍庫から取り出し粗熱を取った後、弁当箱に蓋をすることで、暖かい日でも安心して持ち運び可能だ。
保冷剤を入れ忘れてしまうこともなく、保冷剤の袋が破れることもなく何度でも繰り返し使用することができる。別売りの専用保冷ランチポーチと組み合わせることで、より効果的に保冷できる。
楽に洗える特殊なシボ加工を施す
本体は、汚れがつきにくく、楽に洗える特殊なシボ加工「ラクシボ」を本体と中子の内面に施している。ラクシボは、学校給食で全国トップシェアの給食用食器にも施されている。
審査員の評価コメント
グッドデザイン賞は、1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動だ。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されている。
受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれている。
審査員は、「こどものために必要な要素を研究し丁寧に設計されたランチボックス。一番の特徴である保冷剤と蓋が一体となっている点は、毎年暑い日が続く昨今の夏に必要不可欠要素である。日々お弁当準備に忙しい大人の手間や、保冷剤の紛失防止などこどものストレスも軽減している。容量を調整できる設計で製品を長い年月使えるコンセプトは、不要なプラスチックごみを減らすとともに、長く使うことでこどもの記憶に残るというハード面とソフト面の2側面からよく考えられているといえる」とコメントしている。
子どものための丁寧な設計と容量を調整することで、製品を長い年月使えるコンセプトが評価された「mii キッズ保冷ランチボックス」を、この機会にチェックしてみては。
グッドデザイン賞ウェブサイトでの紹介ページ:https://www.g-mark.org/gallery/winners/24488
mii キッズ保冷ランチボックス販売サイト:https://www.gel-cool.jp
Instagram:https://www.instagram.com/mii_for_kids
(江崎貴子)