TOKYO FOOD INSTITUTE(以下TFI)は、農場から発生する農作物の未利用素材を使ったハンドクリーム「TE&TE(テトテ)」を、10月24日(木)からCOREDO室町テラス等で開催される「SKS JAPAN 2024 -Global Foodtech Summit-」にて販売する。
展示・販売期間は10月24日(木)〜27日(日)。容量は90mL、提供価格は1,200円(税込)となっている。
学生のアイディアが形に
TFIは、食に関する新規事業支援や人材育成を推進し、国内外の様々なプレイヤーの共創を生む食のエコシステムを構築することで、食の未来を東京から創るための活動をしている。
ハンドクリーム「TE&TE」は、TFI主催の「Regeneration(リジェネレーション)」をテーマにしたワークショップでのアイディアから生まれた。
「リジェネレーション」とは、地球や社会、そして人々のウェルビーイングを同時に追求し、マルチステークホルダーに対して多元的な価値を生み出し続け、豊かな未来を創ることだ。
TFIでは、食の未来を想像・創造する学生向けコンテスト「FUTURE FOOD INNOVATION WORKSHOP」(※)を2023年12月に実施した。
ワークショップのテーマ「リジェネレーション」について参加者がグループワークを通してビジネスアイディアを創出。最後にグループごとに発表し、優秀賞として選ばれたグループのアイデアをBeans監修のもとブラッシュアップして形にし、社会実装するという内容だ。
このワークショップに、宮城大学石川研究室学生ほか2つの大学から学生たちが参加。「リジェネレーション」をテーマに、業界で活躍する起業家によるセッションやグループワークを実施した。
ここで生まれたビジネスアイデアを、約6か月かけて議論した結果、農地で廃棄される農作物や残渣を活用したハンドクリームを商品化することに決定した。
農作物を食品ではなく、化粧品として商品化することで、新たな循環サイクルの創出を狙いとしている。
いちじくの剪定枝を活用したハンドクリームを商品化
今回参加した学生と農地で廃棄される農作物について思考を巡らせた際に、学生の研究領域でいちじくを生産している農家の人がおり、枝の廃棄が課題になっていることが分かった。いちじくの特性上、その生産過程で枝をすべて切り落とすことになり、農家1軒で約1000枝もの廃棄量が発生しているという。
自社の土地で管理をするため産業廃棄費用の負担はないものの、空き地には制限があり、対処が必要な状況であった。全国には同様に、産業廃棄費用としての負荷が高く、経営を圧迫するケースも存在している。
これらの課題解決の一歩として、いちじくの剪定枝を活用したハンドクリームを商品化することになり、「TE&TE」が生まれた。
商品化にあたり、最適な製造工場の選定および工場と農家・学生との接続をTFIが行い、製造工場や生産現場でのフードロスの現場も見学。商品化に至る一連のプロセスを学生たちは体感した。
家族との塗り合いっこ専用のハンドクリーム
農地で廃棄されるいちじくの剪定枝を使用した「TE&TE」。真空加工技術を活用することで、剪定枝がもつ『いちじくエキス』を抽出し、ハンドクリームの原材料として利用している。
「TE&TE」は、『大切な人と触れ合う、大切な時間』をコンセプトとし、自身の手をケアするためではなく、家族との塗り合いっこ専用のハンドクリームを提案している。
パッケージデザインは、生成AIとの共創により考案。人の温かみある商品をAIと共に創り上げることで、人とAIの『温かな』関係を築くきっかけをつくる。
この機会に、農場のフードロス食材を活用したハンドクリーム「TE&TE」をチェックしてみて。
■「TE&TE」展示・販売情報
展示:10月24日(木)〜26日(土) COREDO室町テラス3階 東京建物ブース
販売:10月26日(土)・27日(日) 仲通り 東京建物キッチンカー
会場:SKS JAPAN 2024 -Global Foodtech Summit-
住所:東京都中央区日本橋室町3丁目2−1 COREDO室町テラス
TOKYO FOOD INSTITUTE:https://tokyofoodinstitute.jp
※様々な背景を持つ人々が共創し、食が抱える社会課題を解決するための新たなアイディアを創り、そのアイディアを実際の社会に展開すること、そこで得た学びから次世代のリーダーを育てることから、食の未来に繋げていく社会実装型プロジェクト。
(佐藤 ひより)