錦水旅館が企画運営を行い、ワサビが空間デザインを手掛けた、射的をコンセプトにしたカフェバー「cork board cafe(コルクボードカフェ)」が11月1日(金)に新規オープンした。
錦水旅館が企画したカフェバーが新オープン
1300年の長い歴史を持つ城崎温泉街。“まち全体が一つの旅館”として発展してきた城崎だが、最近では素泊まり需要の高まりなどを受けて飲食店の減少が目立っている。
そうした現状に一手を打つため、伝統的な旅館のおもてなしをモダンな和空間で提供する錦水旅館が企画し、同社が所有する古い木造建築(本館から徒歩2分)をカフェバーとして「cork board cafe」を新規オープン。
オープンするにあたっては、ワサビ監修の元に木造建築のリノベーションを実施し、城崎温泉街に訪れた人や、地域の人が集える空間を目指していく。
コンセプトは温泉街の風物詩「射的」
「cork board cafe」のコンセプトは「射的」。
射的はボールゲームなどと共に温泉街の風物詩として親しまれてきたが、高齢化などで最近は減少する一方で、城崎も例外ではない。
そこで、射的を現代のカタチに作り変え、城崎温泉街で昭和レトロな遊びに今一度触れ楽しんでもらいたいとの想いから、このコンセプトを採用することとなった。
射的場をイメージしたデザイン
射的カウンターを空間の中央に設置し、客席はそれを取り囲むようデザイン。通常入ることができない射的の「裏」から的を狙う姿を見れるよう、透明のガラス壁を設置している。
そして、そのガラスを曲線でカットし、上方に行くにつれて温泉の湯気が溜まったように白く霞むデザインを施している。
大人も子供も夢中になる空間を演出
銃を持って肘をつくカウンターのコーナーは、大きなR型にしており、柔らかい素材(和紙)でコーティングすることで安全性や子供が親しみやすいように設計。
和紙の提案・施工は紙漉キハタノ氏によるもので、隣の商品棚や後ろ面のカウンターも同素材を使用している。
内外装には射的に使われるコルクガンの“コルク”を活用。床材は今となっては懐かしいコルクボードを使い子供の足に優しいクッション性を取り入れ、壁と天井の左官には細かく砕いたコルクを混ぜ込むことで消臭効果を生み出す工夫をしている。
また、ジャスパーモリソン氏がデザインしたコルクの椅子なども取り入れ、コンセプトにちなんだものも取り揃えている。
ロゴに込められた想い
ロゴはよく見ると“ドット”を使ったデザインを採用。
これは、コルクボードが個性の集合体のようであることから着想を得て、コルク一つ一つが集まってできていくように、このカフェが文化やバックグラウンドが異なる人々が集う場となり、町や文化を保存していくという願いが込められている。
大人も子供も楽しめるカフェバー「cork board cafe」へ、足を運んでみては。
■cork board caf
住所:兵庫県豊岡市城崎町湯島819
営業時間:8:00~22:00
公式Instagram:https://www.instagram.com/corkboardcafe
錦水旅館公式サイト:https://kinsui.net
(丸本チャ子)