東京・原宿の「穏田神社」は、金沢美術工芸大学と初めて共同制作した、石川県の伝統工芸技術を用いた“良縁守「くくる」”を奉製。2025年1月1日(水)0時より社務所にて頒布を開始し、九谷焼と真田紐を組み合わせたお守りとして、売上の一部が能登半島地震の復興義援金として寄付される。
日常生活の中で常に身近に置けるお守り
良縁守「くくる」3,800円は、穏田神社と金沢美術工芸大学工芸科学生の陶磁専攻4年生と染織専攻2年生が手がけた、新しいスタイルのお守りだ。鞄や手首など身につける場所を選ばず、日常生活の中で常に身近に置けるお守りとして奉製される。
伝統を守りながら新しい価値を創造
加賀藩前田家から譲り受けた手水石があるなど、前田家と縁がある「穏田神社」。1月1日に発生した能登半島地震を受け、石川県と深い縁があることから復興支援と伝統工芸の継承を目的としたプロジェクトを企画。金沢美術工芸大学の協力のもと2名の学生がデザインから制作まで携わった。
同プロジェクトでは、石川県を代表する伝統工芸である九谷焼と真田紐の技術を採用。熟練した職人の技と現役の大学生のデザイン感覚を融合させることで、伝統を守りながら新しい価値を創造することを目指した。
2名の学生は、「人を想い未来を願うことが循環するために」という宮司の想いを最大限汲み取り、石川県と穏田神社のつながりと「お守り」本来の授かるものであることなど神社神道を詳しく調べ、それを見事にデザインに落とし込んでくれたことが決め手となり選考された。
前田家と穏田神社の縁を九谷焼の陶器にデザイン
陶器部分には石川県伝統工芸品「九谷焼」を採用しており、九谷焼の形と絵付けは学生が考案し、石川県小松市の「宮吉製陶」が制作を手がけている。
「白九谷」を採用し、前田家の梅鉢紋と穏田神社の紅白梅をモチーフにデザイン。中央の青緑色は穏田神社の豊かな自然の緑を、白梅にあしらわれた鳥は同社のロゴマークの鳥をオマージュしている。フチを彩る茶色は、神社のたゆまぬ成長と地域に根差した神社のあり方を表現。
真田紐に通して鞄や腕など、身近なところに身につけることができる。単体はもちろん、帯留めとしても使用可能。陶器部分のサイズは45×45×13mm。
紐部分は「真田紐」をオリジナルで製織
紐部分には、茶道具の桐箱などに使用される「真田紐」を採用し、真田紐の糸の組み合わせも学生がすべて考案したオリジナルデザイン。
緑色をベースに、穏田の歴史と現在の原宿地域を表現しており、「人や自然がともに調和し循環していく未来を目指していけるように」という願いが込められている。サイズは600×12mm。制作は小松市の織元「すみや」が手がけている。
自分との対話と身近な幸せ
穏田神社の宮司は、「宮吉製陶」と織元「すみや」を訪れ、大学の先生の案内により、普段見ることができない職人の作業現場を見学した。
穏田神社を参拝し、“良縁守「くくる」”でそれぞれの願いを込めてお守りを結ぶという行為を行い、その時に自身の心に誓った想いを結んでほしい。身近な日常生活で、想いも含めてその人を見守るものであってほしいという、穏田神社の宮司の思いが込められている。
復興したときに能登を訪れてほしい
制作した学生2名は、「『想いをむすぶ願いをこめる』という想いを込めました。情報が先に入ってくる時代の中で、自分自身のことや将来のこと、もっと身近なことを願いを込めながらこのお守りを結んでほしいです。神さまと人だけではなく、人と人を繋げてこのお守りを手に取る人にこの想いが伝わればと思っています。そして、能登半島地震のことだけでなく、能登の本来の美しい風景のことを改めて知って、復興したときに能登を訪れてもらいたいと思っています。」とコメントしている。
穏田神社の公式サイトやSNSでは、12月より随時「くくる」の制作現場やデザインした学生へのインタビュー記事など、制作の裏側を配信していく。このプロジェクトに関わった人たちの”良縁守「くくる」”に込めた想いも伝えていくので、チェックしてみよう。
能登復興への願いが込められた“良縁守「くくる」”を手に入れて、さまざまな思いを結んでみては。
■穏田神社
住所:東京都渋谷区神宮前5-26-6
URL:https://onden.jp
宮吉製陶URL:https://miyayoshiseitou.jp
織元 すみやURL:https://www.sanadahimo.com
(山本えり)