茨城県立歴史館は、新たな試みとして、過去を学び未来を考える「いばらき未来歴史展」をコンセプトに、「なぜ恋してしまうのか?展」を、12月14日(土)~2025年1月26日(日)の期間、開催する。
恋愛の歴史を知り、未来の恋愛を想像する展示だ。
なぜ私たちは「恋」をしてしまうのか
長い歴史の中で形を変えながらも続いてきた、私たちにとって切り離せないテーマである恋愛。
その「恋愛」のあり方をテーマに、過去を学び未来を考える、外部プロデュースによる新企画「なぜ恋してしまうのか?展」。
なぜ「恋」をしてしまうのか? 古来、人々は恋の歌を詠い、出会い方を変え、時に恋愛のルールを作り……形を変えながらも、今日まで「恋」は続いている。
同展では、「恋愛スタイル」「モテ」「大恋愛」「失恋」などのテーマで、古代から現代までの50の恋のエピソードで構成された歴史展示と、6通りの恋愛の未来を想像する「2124年の恋愛エッセイ」を展示。
古代から現代に至るまでの恋愛を50のエピソードと共に遡る過去の章、6通りの恋愛の未来を想像するエッセイを展示した未来の章で構成されている。
恋愛の過去を紐解く
過去の章では、時代ごとの恋愛模様やモテ、失恋、大恋愛エピソードから多種多様な恋愛観に触れる。
古代から現代に至るまで、日本人の恋愛のあり方の変遷を、50のエピソードで紹介。
時代ごとの特徴的な恋愛模様「恋愛スタイルの歴史」や、多くの人びとの心を掴んだ魅力的な存在「モテ」、多様な絆や愛、つながりのあり方「いろいろな“恋”のかたち」、後世に語り継がれる切ない恋の終わり「失恋」、歴史の命運を左右するようなドラマチックな恋「大恋愛」、絵巻物からマンガまで、恋する姿を描いた「恋の絵」、和歌からポップソングまで、悠久の時を超えてうたわれ続ける「恋の歌」、そして、先人たちの言葉から恋を問い直す「そもそも恋愛って何?」の8つのテーマで展示。
編集は月刊『歴史人』、執筆は、古代を水谷千秋さん、平安時代を福家俊幸さん・西原志保さん、鎌倉時代を遠藤明子さん、戦国時代を小和田泰経さん、江戸時代を安藤優一郎さん、明治〜終戦期を堀江宏樹さん、現代を山田昌弘さん・谷本奈穂さんが担当している。
100年後、未来の恋愛とは
未来の章は、あるかもしれない100年後の恋愛に想いを馳せる展示となっている。
100年後の恋愛は、どうなっているのか。もしも、複数とのパートナーシップがあたりまえになったら、もしも、結婚制度がなくなったら、もしも、人口減少で出会いの数が少なくなったら。テクノロジーや価値観の変化と共に、恋も形を変えていくかもしれない。
「2124年の恋愛エッセイ」として、未来の章では、6名による6通りの恋愛の未来を想像するエッセイを展示する。
著者には、
映画監督の岨手由貴子さん、
アーティスト/歌手のコムアイさん、
ライター/アクティビストの佐久間裕美子さん、
音楽家のおおはた雄一さん、
文化人類学者の松村圭一郎さん、
小説家のカツセマサヒコさんを起用した。
来訪者参加型の展示も
また、「恋のアーカイブ」として、来場者の恋愛観を声で録音するブースも設ける。
来場者にとっての“恋”を声で録音し、展示内でアーカイブ化。今を生きる人たちは、恋愛についてどう考えているのか?どんな恋愛をしてきたのか?来場者一人一人に問い、考えるきっかけになる参加型の展示となっている。
私たちにとって当たり前の“恋愛の形”も、過去においては当たり前でなく、非常識と捉えられたものもある。過去から未来へ、長い時間軸で恋愛を俯瞰することで、私たちの普通を問い直し、変わらない本質を見つめていく。
恋愛という身近なテーマで、歴史を知り、今の私たちの価値観に「なぜ?」を問い、少し先の未来を考える企画展。
興味がある人は来館してみてはいかがだろう。
■「なぜ恋してしまうのか?展」開催概要
開催期間:12月14日(土)~2025年1月26日(日)
開館時間:9時半~17時(入館は16時半まで)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始12月29日~1月1日
入館料:一般390円、満70歳以上200円
開催場所:茨城県立歴史館(茨城県水戸市緑町2-1-15)
企画展特設ページ:https://rekishikan-ibk.jp/special/post-7433
(鈴木 京)