かつて鉱山で栄えた兵庫・明延の未来の記憶を紡ぐ交流拠点として、歴史ある「小林たばこ屋さん」を再生し、人と地域をつなぐ挑戦「あけのべプロジェクト」が始動。11月27日(水)より、49人の集落、兵庫明延から地域課題に立ち向かう「明るい一揆」クラウドファンディングがスタートした。
地域課題について考えるプロジェクト
「あけのべプロジェクト」は、兵庫県養父市大屋町明延区、兵庫県豊岡市「但馬を結んで育つ会」、兵庫県養父市「養父市社会福祉協議会」と、宮崎県三股町「コミュニティデザインラボ」が連携し、実施しているもの。医療や介護、福祉、地域等の視点から、目の前に立ちはだかる地域課題について考え、人が思わず集まりたくなるような面白いしかけや場をつくるべく、明るく真面目に取り組んでいる。
また、様々な地域課題に立ち向かうため、2023年「明るい一揆」を立ち上げた「但馬を結んで育つ会」。2023年12月には、兵庫県豊岡市出石にて決起集会を開催した。
49人が生活する小さな集落
明延は、かつて鉱山の町として栄えた場所。最盛期には4,000人以上が暮らしていたが、昭和62年に閉山して以降、現在は49人が生活する小さな集落となった。
令和2年3月の総務省の調査によると、平成27年~令和2年までの間に、47集落が消滅(無人化)。さらに、今後10年以内に消滅(無人化)する可能性がある集落は0.7%(454集落)であり、いずれ消滅(無人化)すると予測されている集落は4.7%(2,744集落)であると予測されたデータがあるという。
明延も、そのような危機と隣り合わせと言っても過言ではないが、人々が少なくなってもお互いに助け合いながら、懐かしく穏やかな暮らしが確かに存在している。
歴史を守りながらも、なんとかここで笑顔で暮らしていきたい。そんな明るい未来を諦めない地域の人たちと共に、明延に降りかかる「みえない敵(地域課題)」に明るく立ち向かうとのことだ。
「小林たばこ屋さん」を再生するクラファン始動
今回、兵庫県養父市大屋町明延区にある「小林たばこ屋さん」を再生し交流拠点をつくるため、クラウドファンディングサイト・for goodを活用し、支援受付を開始。
「小林たばこ屋さん」は、明延のシンボル的な建物で、当時は、たばこを売るだけでなく宿泊場所としても利用され、地域の人々にとても親しまれていた場所だったという。さらに、たばこ屋さんの立体看板は、左官技術を駆使して作られた珍しいものなのだそう。
「但馬を結んで育つ会」は、かつての機能を残しながら、この建物をいくつかの機能を持った交流施設として改修し、小さなつながりが生まれる拠点にすることを目指し、この場所で人がつながり「未来の記憶」を紡いでいくことで、限界はきっと可能性に変わっていくのではないかと考えている。
人がつながる複合施設を作る
クラウドファンディングを通して、「小林たばこ屋さん」で実現したいのは、いくつかの機能を備えることで、誰かの居場所になったり、つながったりするような複合施設を作ること。ゆくゆくは、ゲストハウスの運営も始めたいと考えているそうだが、まずは、ユニークなグッズを販売する「空想土産屋」、オンライン診療を活用して、遠方の病院まで行けない住民の安心をサポートする「テレビ病院」、日用品やお惣菜を販売し、地域の人たちが集まる場所になる「あけのべ購買部」の3つから取り掛かるという。
キービジュアルのモチーフは龍
プロジェクトのキービジュアルは、「小林たばこ屋さん」の立体看板に描かれた龍をモチーフに、世界を股にかけ活躍するイラストレーター・前田麦氏に制作を依頼。
龍の足元には、明延を象徴する一円電車や鉱山、養父市の花である水芭蕉が描かれており、クラウドファンディングのリターンでは、この龍のイラストを使用したオリジナルグッズも用意されている。
「Fun Fund Fes.」開催!
さらに、実際に明延で何が巻き起こっているのか、そんな声に応えるべく、12月15日(日)に、明延がこれからも明るく在るための祭典として「Fun Fund Fes.」を開催。これは、明延でこれから繰り広げられる未来への挑戦が見える、分かる、そして一緒に挑める、そんなイベントだ。
なお、「Fun Fund Fes.」で行われるマルシェの売り上げの一部は、プロジェクトのファンドとなる。
クラウドファンディングは、2025年1月31日(金)まで。クラウドファンディングを通して、明延を応援・支援する「明るい一揆」を興してみては。
for Good:https://for-good.net
プロジェクト名:【49人の集落で明るい一揆】町民が愛した兵庫明延の「小林たばこ屋さん」を蘇らせる
明るい一揆:https://akarui-ikki.com
(佐藤ゆり)