岐阜県関市に本社を構えるタイメックは、関市立関商工高等学校との協同プロジェクトとして、ものづくりを行う新たな試みを開始。
同プロジェクトでは、同校の年間行事である課題研究(3時間×約30回)に協力し、地域の高校生たちにものづくりの魅力を伝え、地域活性化に寄与することを目的としている。
「テーブルセット」を3セット制作
第1弾では、地元企業から依頼を受けて「屋外用テーブル&チェア(以下、テーブルセット)」を3セット制作。関市立関商工高等学校機械科の生徒たちもアイデアを出し合い、自らデザインや制作に積極的に参加したそう。
テーブル天板には関市板取の「名も無き池(通称:モネの池)」に咲く睡蓮を、椅子背板には関市のイメージキャラクター「関*はもみん」がデザインされている。
「関の工場参観日2024」で仮展示
完成した「テーブルセット」は、関市が開催する「関の工場参観日2024」でタイメック工場に仮展示され、来場者から大きな関心を集めたそう。
「関の工場参観日2024」の当日は、同校の生徒たちがタイメックを訪問。来場者への対応や「テーブルセット」制作プロセスの説明など、生徒たちが主体的に取り組む姿が印象的だったと同社は振り返る。
来場者からは、「高校生がこんなに熱心に取り組んでいる姿に感動した」「とても元気に明るく対応してくれて、ものづくりへの情熱が伝わってきた」など、多くの称賛の声が寄せられたという。
生徒たちにとっては、ものづくりの現場に触れ、新しい挑戦を通じて自分たちの成長を実感する貴重な体験となっただろう。
ある生徒は、「自分たちが作った家具を多くの人に見てもらえて嬉しい。ものづくりの仕事にさらに興味が湧きました」と笑顔で語ったという。
「テーブルセット」は「濃州関所茶屋」に設置
今回制作された「テーブルセット」は、イベント終了後に地元企業に納品。12月19日(木)に関市産業経済部観光課へ寄贈され、「せきてらす」併設の「濃州関所茶屋」に設置された。
生徒たちのデザインや思い出は日常生活に息づき、多くの人に長く愛される家具として新たな地域の魅力を発信している。
今後の展望
また、同プロジェクトは地域と学校、企業が一体となって進める新しい形の地域貢献のモデルケースとして注目を集めている。
タイメックは、今後5年間にわたり、同プロジェクトを継続する予定。生徒たちが卒業しても地元に成果と思い出が残る、有意義な制作事業をめざし、協力を進めていく方針だ。
タイメック代表取締役の棚橋雄二氏は、「私たちは、ものづくりを通じて地域の未来を支える人材育成、地域の活性化を進めていきたいと考えています。『関の工場参観日』という機会を通じて、弊社と地域住民、観光客の方々との交流を深め、地域に貢献していけたら嬉しいです」とコメントした。
タイメックの成長
タイメックは、金属加工部門と建材事業部門を柱に事業を展開している。棚橋雄二氏は、父である先代社長より事業を承継後、苦難に直面したそう。しかし、「ものを作って売るのではない、信頼を売る会社に」をモットーに、「タイメックでなければ!」といわれる会社となるべく、努力を続けてきた。
技術力の向上のため、溶接競技会に参加し、10数年後には岐阜県大会の優勝者を輩出するまでに成長。今や大手工作機械メーカーとの取引や、国家規模のインフラ事業などの設備機械製作を受注するほどの企業となった。
5年間の産学連携で取り組む、地域貢献プロジェクトの今後にも注目したい。
タイメック:https://www.timec-g.jp
(Higuchi)