
青森県五戸町発のレザーブランド「GUBU(五分)」は、2026年の“午(うま)年”を迎えるタイミングに合わせ、青森県南部地方の郷土芸能「えんぶり」をモチーフとした新作「ENBURI KEY COIN CASE」15,400円(税込)を12月に発売した。公式サイトなどにて購入できる。
干支が馬に巡る年に青森の馬文化を日常で携える

「えんぶり」は、青森県八戸市を中心に毎年2月17〜20日に行われる、800年以上続く豊年祈願の祭り。馬の頭を象った烏帽子(えぼし)をかぶった舞い手が、頭を振って春を呼ぶ踊りを披露する郷土芸能だ。馬と人とが共に暮らしてきた歴史が長い青森県南部地方で脈々と受け継がれる文化であり、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。
ノベルティとして誕生したものを一般販売

「ENBURI KEY COIN CASE」は、この象徴的な“馬の烏帽子”をシルエットに落とし込み、古来の祈りを現代のプロダクトとして再構築した。太夫がかぶる馬の頭を模した烏帽子から着想を得たフォルムは、力強く、またどこか神秘的にも感じられる。

このキーコインケースは、元々は青森マツダ自動車が販売する新車の成約特典として、限定30個のスペシャルノベルティとして誕生した(現在は配布を終了)。マツダのコーポレートスローガンである「人馬一体」になぞらえて、馬と人が一体となるえんぶりがモチーフとなった。
当初はノベルティとしての配布のみで終了の予定だったが、好評を受けて仕様をブラッシュアップして、今回一般販売を開始することとなった。
使い方を選べるマルチパーパスケース

「ENBURI KEY COIN CASE」には、真鍮のリングが付属しており、ホック式で簡単に着脱できるようになっている。サイズは幅7.5cm×高さ12.8cm。鍵・スマートキー・小銭・紙幣(4つ折り)を使い方に応じて収納できる、“手のひらサイズの多目的ケース”だ。

カラーは、WHITE/BROWN/GRAY/BLACK/BLACK(White Stitch)の5色。“無染色”の生まれたての素肌のようなレザー「WHITE」のほか、日常で使いやすいシックなカラーリングとなっている。
馬と人が共に生きてきた土地へのリスペクト
青森では1950年頃までは乗馬を中心に馬産が行われてきたが、車の普及により乗馬の需要が減ってしまったことで、今では「馬肉」が名産品となっている。

青森県五戸町の牧場
五戸町が位置する青森県南部地方は、1000年前に十和田湖が噴火したことにより火山灰が降り積もり、農作に不向きとなった土地に9つの馬の牧場が作られたといわれている。一戸(いちのへ)から九戸(くのへ)まである9つの町の地名は、かつて馬の牧場を表していた。青森の中でも五戸町は「馬の町」と呼ばれており、人と馬が互いに支え合いながら暮らしてきた歴史が長い土地だ。
廃棄されていた青森県産馬の皮を使用
GOBU代表の岩井巽氏は、五戸町で育ち、2016年にイタリアの企業「ブルネロクチネリ」社に短期留学した。その後、東北の伝統工芸の職人と商品開発などを行う会社でディレクターを務め、いつか故郷・五戸町で高品質な素材と手仕事を活かしたブランドを作りたいと考えてきた。

GOBU – A SHOULDER BAG
廃棄されてきた馬皮を、国内の丁寧な鞣し工程を経て馬革へと蘇らせることで、ただの「素材」ではなく「命の循環」の証となる。これを現代のライフスタイルに溶け込ませることを目指し、2年の素材研究期間を経て2025年に「GOBU」をローンチした。

「GOBU」がつくるレザーは、かつて廃棄されていた馬の皮。それらを馬肉店から譲り受け、環境に優しいナチュラルな鞣し方で仕上げている。馬革は、牛革に比べて軽くしなやかに手に馴染み、使い込むほどにツヤと深みを増す、唯一無二の質感を持つ。


GOBUの名には、「五分五分(ごぶごぶ)」という意味が当てられており、馬と人が共に生きてきた土地への深い敬意が込められている。古くからの馬と人との関係を、現代にもう一度「当たり前の日常」として取り戻すという想いを、ひとつひとつのプロダクトに託している。
2026年午年を特別な縁起の一年へ

干支で“午”が巡るのは12年に一度。日本では古くから馬が「運を呼ぶ」「勢いを与える」と信じられてきた。「えんぶり」の太夫が春を呼ぶように、「ENBURI KEY COIN CASE」も持つ人の一年を軽やかに運ぶ縁起物になればという思いで制作された。「八戸えんぶり」は、2026年2月17日(火)〜20日(金)に行われるので訪れてみよう。
「ENBURI KEY COIN CASE」を手に入れて、「運を呼ぶ」馬とともに一年を過ごしてみては。
GOBU公式サイト:https://gobu-japan.com/collections
(山本えり)