
地歌舞伎に残る外題の一つ「三日太平記」を上演
岐阜県東白川村の「東白川村歌舞伎保存会」は、2026年9月に復活50周年を記念する特別公演の開催と、公演運営と活動継続のための資金を募るクラウドファンディングを、READYFORにて2月20日(金)〜3月31日(火)の期間に実施中だ。
農山村の娯楽だった“地歌舞伎”

地歌舞伎の特徴とも言える”おひねり”
岐阜県の東部に位置する東白川村は、豊かな自然に囲まれた人口約2,000人の小さな村。昔は御嶽信仰の宿場として賑わい、江戸時代から村人の娯楽として「地歌舞伎(地芝居)」が親しまれてきた。プロによる興行が少なかった地方では、村に暮らす住民自らが、演じ、支える“庶民の娯楽”として、神社の祭典などで上演された。特に岐阜県は各地で地歌舞伎が盛んで、農山村文化が色濃く残る地域の絆の象徴だ。
50年の歴史と直面する伝統継承の危機

仕事を終えてから毎夜、稽古に励む役者たち

公演を支える多くの裏方のチカラ
「東白川村歌舞伎保存会」は、約300名の会員によって支えられながら、地歌舞伎公演を行う役者30名と裏方30名の約60名で活動。役者やスタッフの年齢は小学生から80代と幅広く、子供だけで演じる子供歌舞伎から大人による重厚な義太夫の時代物まで、毎年様々な演目を吟味しながら公演を開催。9月の定期公演に向けて年間15回前後の稽古を行い、老若男女が一丸となって公演をつくりあげている。
また、地歌舞伎振付師の松本団女師匠の指導を受けることで、地歌舞伎にしかない型や外題を上演することも特徴だ。

かつてあった芝居小屋の一つ“神田座”の引幕
かつて、村には3つの芝居小屋があったが、戦後の高度成長期に芝居小屋はなくなり、歌舞伎上演も一旦は絶えた。しかし、“もう一度歌舞伎をやろう!”と歌舞伎好きな村人が集まり、愛好会を発足し、1977年(昭和52年)に復活公演を開催した。以来毎年9月に定期公演を行い、1994年には保存会に発展、村の伝統芸能である地歌舞伎を絶やすことなく継承してきた。
50周年記念公演で伝統を次の50年へつなぐ挑戦

子供に地域の伝統文化を伝える
復活から50年が経過した現在、舞台で欠かせない衣装や大道具、小道具の老朽化が深刻な課題となっている。また、古典芸能離れや人口減少が進む中、後継者育成のための環境整備も急務であり、このままでは村の大切な文化が失われかねない危機に直面している。「この灯を絶やしてはならない」という強い決意のもと、2026年9月の50周年記念公演を最高のものにするため支援を募ることになった。50周年という機会を未来へ向けた大きな契機にするために、初めてクラウドファンディングに取り組む。
リターンは、記念Tシャツ、村内カフェ商品券、席確保、楽屋ガイドなどが用意されている。支援金は、50周年記念特別公演の開催費用、舞台装置・小道具の修繕のほか、全国のより多くの人に東白川村の地歌舞伎を知ってもらうことに役立てる。村内外からの支援と盛り上がりによって記念公演を成功させることで、さらに次の50年にもつなげていく。
歌舞伎役者・尾上右近さんが名誉顧問に就任

左から東白川村議長、保存会長、尾上右近丈、東白川村長
また、令和7年には歌舞伎役者の尾上右近さんが東白川村歌舞伎保存会の名誉顧問に就任しており、一緒に盛り上げていく。尾上さんに、節目の年の取り組みにアドバイスをもらいながら、地歌舞伎の魅力をより多くの人に届けられるよう後押しをしてもらう。
伝統文化の継承という枠を超え、人口約2,000人の小さな村から日本中に「地歌舞伎」の熱量を届ける挑戦がスタートする。
復活50周年記念公演は9月20日上映予定

「東白川村郷土歌舞伎 復活50周年記念公演」は、9月20日(日)11時〜17時に“はなのき会館”での上演が予定されている。当日は、地歌舞伎ならではの歌舞伎4外題の上演を予定。村内大工や若手メンバーによる本気の舞台装置で、小学生からお年寄りまで役者として熱い演技を披露するほか、村内芝居小屋にあった引幕などの展示、村の特産品が味わえる出店も行われる。
江戸時代から村人の娯楽として親しまれてきた「地歌舞伎」を支援してみては。
東白川村歌舞伎保存会 公式Facebook:https://www.facebook.com/higashishirakawamurakabuki
READYFOR:https://readyfor.jp
プロジェクト名:岐阜・東白川村の伝統を次世代へ。地歌舞伎50周年公演を成功させたい
■東白川村郷土歌舞伎 復活50周年記念公演
日時:9月20日(日)11時〜17時
会場:はなのき会館
場所:岐阜県加茂郡東白川村神土606
※公演の予定は変更になる可能性がある
(山本えり)