
鹿児島県奄美市は、4月22日(水)に、笠利町に位置する国史跡「宇宿貝塚史跡公園」をリニューアルオープン。
2期にわたるリニューアル事業を経て、大型プロジェクションやVR、ARなどを導入し、縄文時代から連なる奄美の文化を体感できる観光・学習拠点として再構築した。
遺構の価値を「見る」から「体感する」対象へと拡張
奄美大島北部に位置する宇宿貝塚は、1933年に発見され、本格的な発掘調査が行われた遺跡。縄文時代の石組竪穴建物跡や中世の溝状遺構、土坑墓など、複数の時代にわたる生活の痕跡が残されており、人と自然が織りなす暮らしの在り方を現在に伝えてきた。
2004年の開園以降、これらの遺構は保存・公開されてきたが、今回のリニューアルによってその価値は「見る」対象から「体感する」対象へと拡張された。
また、「宇宿貝塚史跡公園」は、観光拠点としての機能に加え、「SDGs発信拠点」としての役割も担っている。2021年度から2022年度にかけて策定された「史跡宇宿貝塚保存活用計画」に基づき、段階的な整備が進められてきた。第1期ではワークスペースの整備や展示環境の刷新、ガイドブックやWebサイトの整備などが行われ、第2期ではデジタル技術を核とした体験型施設へと進化している。
リニューアルオープンのセレモニーを開催
4月22日(水)のリニューアルオープン当日は、奄美市長・安田壮平氏をはじめ多くの関係者が出席し、セレモニーが執り行われた。検討委員会・監修委員会および委託事業者への感謝状贈呈の後、テープカットが行われ、出席者はリニューアルされた施設を見学した。
安田壮平市長は、「観光の新たな拠点となるとともに、市民の憩いや交流、学びの場として親しまれ、地域に根差した場所となることを願う」とコメントしたという。
リニューアル後の見どころ
リニューアル後の「宇宿貝塚史跡公園」では、「デジタルで蘇る縄文・中世の暮らし」をメインテーマに据え、幅約24メートルの大型プロジェクションによる大型映像演出により、縄文・中世の暮らしをダイナミックに再現している。
また、VR技術を活用した縄文生活の再現体験では、縄文時代の暮らしを没入感とともに体験可能だ。さらにAR展示では、遺構にスマートデバイスをかざすことで、当時の空間や生活の様子を可視化。発掘調査体験コーナーでは、考古学的調査のプロセスを体験的に学べる。
検討委員会会長、監修委員会会長のコメント
今回のリニューアルでは、國學院大學 研究開発推進機構 教授の池田榮史氏が委員長を務める検討委員会および、BBT大学大学院 経営学研究科 教授の谷中修吾氏が委員長を務める監修委員会が総指揮を担った。
総指揮のもとでハード整備は酒井建築事務所・前田建設による設計施工JV、ソフト事業はビーライズが担い、空間と体験が統合された拠点として完成した。

検討委員会 委員長の池田榮史氏は、「サンゴ礁が広がる亜熱帯の島、奄美大島の浜辺に残る宇宿貝塚は、ここで暮らした人々の営みをそのままの姿で伝えています。
リニューアルした『宇宿貝塚史跡公園』に残されたさまざまな歴史のメッセージを、ぜひ、皆さんの目で体感してください」とコメントを寄せた。

監修委員会 委員長の谷中修吾氏は、「宇宿貝塚には、自然と共存共生した奄美縄文の豊かな暮らしを紐解くカギがあります。その魅力を体感できるよう、2年にわたり検討と監修を重ねてきました。奄美市役所、委員会、事業者の皆様がワンチームで実現したリニューアルを、ぜひ体感してください」とコメントしている。
リニューアルオープンした「宇宿貝塚史跡公園」で、縄文時代から連なる奄美の文化を体感してみては。
■宇宿貝塚史跡公園
所在地:鹿児島県奄美市笠利町
入園料:一般200円/大学・高校生100円/小中学生50円(歴史民俗資料館共通券310円)
宇宿貝塚公式HP:https://ushuku-kaizuka.amamiisan.com
(yukari)