
游藝舎は8月31日(月)から、半世紀近くにわたり日本のハーブ・アロマテラピー文化を牽引してきた「生活の木」代表・重永忠氏著作の『教養としてのアロマ』を全国の書店およびAmazon等のネット書店にて発売中だ。
『教養としてのアロマ』の3つの使い方
同書籍の使い方は、主に以下の3つ。
1つ目は、順番通りでなくていい。Chapter1〜5は、独立したテーマで構成されている。「科学的な根拠を知りたい」ならChapter3から、「香りの歴史を楽しみたい」ならChapter4から読むなど、興味のある章から開こう。
2つ目は、香りと一緒に読む。各章末のコラム「アロマと過ごす朝・夜・春夏・秋冬」には、季節や時間帯ごとのおすすめの香りを紹介している。実際の香りをそばに置きながら読むと、より深く香りの魅力を体験できる。
3つ目は、辞書として使う。153ページから始まるミニガイド「香りの図鑑」では、代表的な精油(エッセンシャルオイル)24種を学名・科名・産地・芳香成分・文化的背景とともにわかりやすく解説している。
『教養としてのアロマ』序章を紹介

刊行を記念して、「序章」全文を公開している。以下では、その一部を紹介する。
「“香り”この深く魅力的な世界に魅せられて
私の香りの原体験というと、生い茂る木々や緑、土の匂い――。
幼い頃、母とよく散歩した明治神宮で感じたものです。
特に雨上がりが好きで、周囲を満たすその豊かな香りは、まるで自分を構成する一部であるかのような感覚がありました。
それから時が経ち、私を香りの世界へぐっと引き込んだのは、父がアメリカから持ち帰ったポプリです。さまざまな植物がブレンドされたものを一つひとつ嗅ぐうちに感じたのは、その斬新さに加え、『幸福感』や『自由』でした。
当時のアメリカはヒッピー全盛期で、ポプリもその文化から生まれたもの。
私には自然の香りとともに育ち、小学生のときは患った腎臓病が漢方薬という自然の恵で完治した経験がありました。そして、ずっと好きなロックミュージック―そうした背景も相まって、私は人より、自然に生きるヒッピーたちの文化が腹落ちしたのかもしれません。
『いずれ、こうした自然のものを必要とされる時がくるのではないか』そう感じた私が、ポプリの販売を始めたのは1975年のこと。
戦後、まず祖父が東京・原宿で写真館を始めたのが事業の始まりです。父の代になると写真館跡に陶器店『陶光』を創業し、私はその片隅でポプリの販売を始めました。
最も反応を示してくれたのは、意外にも小中学生の女の子たちです。
香水に憧れはあるけれど、実際つけることは難しい。でも、ポプリなら自分の好きな香りを作って身につけられると、興味を持ってもらえたのです。
その後、素晴らしいご縁で漫画家の佐藤まり子さんにポプリづくりが好きな女の子が主人公の『あこがれ♡二重奏/講談社・原作:佐和みずえ 作画:佐藤まり子』を描いていただき、ポプリブームが到来。
オリジナルポプリのコンテストを開催すると、驚くほど多くの応募をいただきました。毎日送られてくる作品は、どれも子どもらしい自由なアイデアにあふれたものばかり。
かつて、『自分の一部』だと感じた香りは、『自己表現のひとつなのだ』という気づきを得ることができました。それから本格的にハーブやアロマの事業へ舵を切り、現在の『生活の木』につながっていったのです。
祖父の写真館時代から数えると80年もの時が過ぎ、世の中はすっかり変わりました。加速するテクノロジーの進化と引き換えに、私たちはひどく疲れるようになったと思います。
スマホ1台あれば、すぐに誰かとつながれたり、、多くの情報から知らなくてもいいことまで目にしたり――目も精神も擦り切れるほどスピーディーで忙しい毎日ですから無理もありません。
私が昔感じたように、多くの人が暮らしに『自然』や『癒やし』を求めるようになりました。その中で『香り』は、今の時代に失われかけた『自分と向き合う時間』をつくれる手段のひとつだと感じています。」
生活の木代表・著者の重永忠氏について

著者の重永忠氏は1961年東京都渋谷区原宿表参道生まれで、大学卒業後、大手流通企業を経て生活の木代表取締役社長CEOに就任。
原宿表参道にてポプリの販売を原点に、日本におけるハーブ・アロマテラピー文化を拡大・牽引する。スリランカでのネイチャーリゾートホテル「Tree of Life Hotel」経営や、商店街振興組合「原宿表参道欅会」での地域貢献活動など幅広く活躍している。
「教養としてのアロマ」で香りの本質を学ぼう。
游藝舎公式サイト:https://www.yugeisha.com
(佐藤 ひより)