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株式会社 味香り戦略研究所

【味香り戦略研究所 自主調査結果リリース】味分析のスペシャリスト“味覚参謀”菅 慎太郎の味トレンドレポート<食品・飲料のトレンドは「プチカム(噛む)食感」>

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食感のある食品に若年層の8割が満足感を感じている

味覚や香りを科学的な指標で評価する株式会社味香り戦略研究所(本社:東京都中央区/代表取締役:小柳
道啓(こやなぎみちひろ)は、多様化する食品・飲料市場における味のトレンドを分析するため、食品選択の理由や味の嗜好性について一般調査を実施しました。【調査実施期間:2015年11月9日・10日/調査対象:東京都・愛知県・大阪府の成人女性400名】

結果は、食の選択要素として、若年層を中心に「食感」への注目が高まっていることが分かりました。若年層ほど「食感がある食品」に「満足感を感じる(20代 80.6%)」と回答し、子供の頃に食べたおやつには、グミや洋菓子などやわらかく、食べやすい「プチ食感」の喫食経験が影響していると考えられます。

味分析のスペシャリスト、 味香り戦略研究所 味覚参謀の菅慎太郎(かんしんたろう)は、「食感は2014年頃からおいしさを実現する鍵のひとつとして注目されています。また、プチカム(噛む)食感のある食品は食べた時の満足度を上げ、食事の回数が分散しつつある現代人のライフスタイルを支えるトレンドと言えるでしょう。」と分析しています。

[表: http://prtimes.jp/data/corp/16475/table/1_1.jpg ]

■1日3食→1日4~5食時代へ
今回の調査では、20~50代の東名阪に住む一般女性400名を対象に実施し、商品選択の理由や味の嗜好性など質問を行いました。毎日の食事の習慣について聞いたところ、「朝食」は、68.2%と約7割の人が、毎日食べています。
一方、食事の頻度について聞いたところ、1週間のうち朝食を食べる頻度が5.8回、昼食が6.4回、夕食が6.8回、夜食・その他が1.0回、間食が3.9回(グラフI参照)と、1日3食以上に分けて食べる習慣が広がっている様子が伺えます。

<グラフI>

この傾向は20代では朝食が5.5回、昼食が6.2回、夕食が6.7回、夜食・その他が1.7回、間食が3.9回と、さらに顕著です。時代はすでに1日3食から1日4~5食時代に突入しているしていると言えるでしょう。夫婦共働きや残業が多く、決まった時間に食べられない人の増加がこれまで常識だった「食事は1日3食」から、「食事は1日4~5食」というライフスタイルを生み出しています。また、1日4~5回に食事を分けて取ることで、「食べ過ぎを抑えられる」とも言われています。

このライフスタイルを支えているのが、手軽に食べられる食品の充実です。朝食で食べられるものに関するランキングを見ると、1位パン類(77.6%)、2位コーヒー(48.1%)、3位ヨーグルト(47.8%)、4位ご飯(ライス)(42.4%)、5位卵料理(31.1%)の順(グラフII参照)となっています。定番のご飯よりも、ヨーグルトで高い結果になっており、手軽な食品としてのヨーグルトの利用が高い傾向が見られます。

<グラフII>

また、間食・夜食・その他で食べられている物のランキングを見てみると20代において、1位チョコレート(36.2%)、2位クッキー・ビスケット(19.0%)、スナック菓子(19.0%)、4位洋菓子(18.5%)、5位パン類(15.1%)の順(グラフIII参照)となり、その中でもパン類の割合が全年代に比べて大きく上がっています。また、ご飯類の割合も全年代の6.3%から20代は11.5%と上がっています。より間食の食事化が進んでいると考えられます。

<グラフIII>

この背景には、3食以外に不足しがちな栄養補給や、小腹を満足させるなど「手軽に食べる」習慣が広がっていることが考えられます。

また、食品のおいしさに「食感」を重視する人は、朝食、昼食、夕食、夜食・間食・その他とも一週間における頻度が高い上に、毎日取ると答えた人の割合(表IV参照)も多く、忙しい生活の中でも適度に食事を取ることができている傾向にあります。

<表IV>

■「固い食感」から「プチカム(噛む)食感」へ
 なお、自分が食べる食品を選ぶ際、重視することについて聞いたところ、1位「味」(98.5%)、2位「手軽さ」(93.5%)、3位「価格」(92.0 %)、4位「栄養・カロリー」(64.0%)、 5位「食感」(57.5%) 、6位「産地・メーカー」(57.0%)・「香り」(57.0%)の順となり、手軽さが価格や栄養よりも上位に来ている点、また「食感」が香りを上回って上位に来ている点が注目されます。
 一方、年代別に見てみると、「食感」のある食品に満足感を感じると答える人の割合が、若年層になるほど多く、食品を選ぶ基準に「食感」が大きく影響している(グラフV参照)ことがわかりました。

<表V>

 「食感」における年代別傾向を見てみると、50代では、子供の頃に食べたおやつとしてせんべいやビスケットなど「固い食感」が多かったのに対し、20代ではグミや洋菓子など、「弾力」や「軽い食感」など、全体的にやわらかい食感の食経験が多く見られました(グラフVI参照)。

<グラフVI>

 こうした年代による食経験の違いから、求める「食感」にも違いがあると考えられ、あまり力を入れて噛まずに、手軽に食感を味わえる「プチカム(噛む)食感」であることが、若年層を中心に支持されているものと考えられます。

■歯科医師 宝田恭子氏が解説 「プチカム(噛む)食感で美容やアンチエイジングに」
 「硬いものを噛む事」=「咀嚼できること」・「噛めば噛むほどあごが強くなる」と思っている方が多いのですが、歯科医の視点から言うと、年代に関わらず噛むものの硬さよりも、噛む回数の方が重要。また唾液に含まれる酵素を活用できるので、老化防止につながります。それは、唾液に活性酸素を分解させる酵素が含まれているからです。活性酸素とは、化学物質・ストレスなど様々な理由で発生し、老化を促進させる原因のひとつと言われています。過剰に発生すると正常な細胞の機能にダメージを与えてしまい、シミやシワの原因になるとも言われています。ゆっくり回数をかけて咀嚼をすることで、唾液が十分に分泌され食材に絡み、過剰な活性酸素を抑制してくれます。「プチカム(噛む)食感」を楽しめる食品は、噛むという動作が生まれますので、年代に関わらずゆっくり噛む事を意識していただければ美容やアンチエイジング効果を期待することができます。

宝田 恭子(たからだ きょうこ)
宝田歯科医院 院長 /日本アンチエイジング歯科学会常任理事
1956年東京都生まれ。1980年東京歯科大学卒業。
同大学保存科勤務の後、宝田歯科医院の3代目院長に就任。
くちびるエクササイズを従来の歯科治療に積極的に取り入れ、顎関節症・ホワイトニング・義歯・歯科治療と口元の美しさの関係に心を砕く。また、AGダンス等筋肉トレーニングの大切さを広める活動にも尽力。
著書:「DVD付き5分若返り宝田流美顔マッサージ」講談社 / 「宝田恭子の美人メソッド」 角川SSコミュニケーションズ 他

■味覚参謀 菅 慎太郎(かん しんたろう)による分析。「おいしさの構成要素」でも注目される「食感」
 おいしさの構成要素は時代の変遷とともに変化しています。近年、「コク」・「香り」といった、味の余韻や深みを意味する“風味”、「テクスチャー」・「温度」・「色・光沢」・「音」といった食材の質感や鮮度を色や形、食感として感じさせる“食味”といった味以外の要素が、トレンドを左右しています。

※出典:おいしさの構成要素(味香り戦略研究所)
 つまり、味だけでは差別化ができず、素材感や食べ方、シーンにあわせたおいしさを提供する時代になっています。特に、2009年の辛みを活かした食べるラー油ブーム、2013年の味の余韻や深みを活かしたコクブームのトレンドを経て、2014年あたりから「味×食味」に関する部分に改良・改善をする商品が増えています。これらは特に、ロングセラーの商品に多く、おいしさの基本となる「味」を活かしつつ、「食味」の特徴に変化を持たせることで、消費者にさらなるおいしさを提供しています。例えば、ビールでは、氷点下に冷やして「異なる温度」にすることで、同じ銘柄でも違った味わいを演出しています。また、ふりかけも素材感を活かしたソフトなものから、噛む時の「ザクっ」といった音を活かしたものなど「テクスチャー」や「音」で表現する商品が散見されます。
 中でも「食感(テクスチャー)」については、求められている食感が昔とは異なります。今は、噛み切るのに力が要る食感は好まれず、だけど反発してくれないと物足らない。ストレス時代を反映してか、少し反発のある食感、いわば「やわらか反発系食感」が20代を中心に好まれています。これは彼らが小さい頃からグミやソフトキャンディを食べて育ってきたことも関係していると思います。また、ライフスタイルの面から言うと、朝ごはんが液状化しつつあります。しかし、人間は、五感を刺激する方が、おいしく感じられるので、食感があるものの方がおいしさを感じることができます。そういった意味で、ドリンクやヨーグルトといった液状化しつつある朝ごはんの食品にプチカム(噛む)食感を持たせたものが増えているのは、うなずけます。こういったストレス社会やライフスタイルの変化をうけて、「味×食味」でストレスフルな現代人の舌や満足度を満たし、おいしさを実現することがヒット商品の鍵を握っており、今後も引き続き「食感」ブームの盛り上がりが期待されます。

菅 慎太郎(かん しんたろう)
味香り戦略研究所 味覚コンサルタント/口福ラボ 代表
1977年埼玉県生まれ 早稲田大学社会科学部卒業。「おいしさ」の表現を企画する口福ラボを主宰し、味香り戦略研究所では「味覚参謀(フェロー)」としてマーケット分析、商品開発を手がける。大学での講義や地方での商品開発や地域特産物の発掘、ブランド化を手がける。キッズデザインパーク講師。日本味育協会認定講師。

■飲料・食品の注目トレンドは「プチカム(噛む)食感」にあり
今、市場で話題の「食感系」商品について紹介します。いずれも発売当初から売上が好調であったり、ロングセラーとして売場を確立しています。

飲料:【カゴメ『GREENS』】ドリンクは「飲む」ものから「食感」へ!素材を感じる「生鮮飲料」
飲料において、ジュースバーや手作りジュースなど、素材の鮮度が感じられる飲料が求められているとして、まるで野菜をかじったような鮮度を感じることができる“生鮮飲料”という新ジャンルの飲料として『GREENS』を開発。「GREENS Green mix(グリーンズ グリーンミックス)」及び「GREENS Yellow mix(グリーンズ イエローミックス)」の2種類のフレーバーがあり、素材の色・香り・食感を活かしたカゴメ独自の「低温あらごし製法」で作られています。

食品:【森永「アロエヨーグルト」】 20年にも及ぶロングセラー。アロエの独特の食感が幅広い支持
ナタデココに次ぐ「食感に特徴のある健康的な食材」としてアロエを見出し、みずみずしさを感じるぷるぷるとした食感を生かし、商品化。毎日の食生活で食べやすいヨーグルトに入ることで、「健康×食感」という商品要素の組み合わせを作り出したさきがけの商品といえます。
手軽に食べられられる上、アロエの持つ食感が満足度を高めていて、今年の12月で発売21年を迎えるロングセラー商品となっているようです。発売当初は素材感としての食感が認知され、最近では「食感があると満足感を感じる(20代:80.6%)※本調査結果より」のように、おいしさとして商品特徴が評価されつつあり、多品種が発売されるヨーグルトカテゴリの中でも、その特色が消費者に認知されています。

食材:【バジルシード】美容と健康で注目!水を含ませると独特な食感になり、満腹感を生み出す

水分を含ませると約30倍に膨らむという特徴を持つバジルの種子。膨らむとぷりぷりとした独特な食感が生まれるほか、好きなドリンクやヨーグルトに入れることで少量の摂取でも満腹感を得られます。また、食物繊維のほか美容・健康によい成分も多く含まれているので、ダイエットや美容・健康にも効果的として女性を中心に人気が高まっています。

調査実施概要
調査名:「朝食に関する意識調査」
調査対象者 :東京都・愛知県・大阪府各地域の、20~59歳女性 調査方法 :インターネット調査
調査実施会社:株式会社シタシオンジャパン 調査実施期間:2015年11月9日(月)~11月10日(火)

■味香り戦略研究所について
味の共通尺度を表す「食譜」の創造により、飲料・食品の製造者とそれらを飲食する消費者とを良い関係で結び、より豊かで楽しい「おいしさの世界」をご提案しております。食品の味や香りなどを数値化する手法を用いて「おいしい!」をわかりやすく表現し、それを用いたコンテンツ、マーケティングおよびコンサルティングサービスを提供する会社です。URL:http://www.mikaku.jp/

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