「共創性」と「適応性」を軸に注目企業50事例の図解を収録

株式会社図解総研(本社:東京都千代田区、代表取締役:近藤哲朗)は、国内外で累計13万部を超える書籍『ビジネスモデル2.0図鑑』の流れをくむ最新作として、『ビジネスモデル3.0図鑑』(刊行:KADOKAWA)を2026年1月26日に発売します。
本書は、ビジネスモデルの「動的な変化」をどう表すことができるかに挑戦したもので、前作以降に大きく変化した社会・産業環境を踏まえ、「共創性」と「適応性」を新たな軸として、さまざまな主体とどのように共創し、どのように時代に適応したかという視点から、国内外の注目企業50事例を収録しています。
あわせて本日、発売に先がけて全文を無料・無期限で公開しました。公開は、図解総研公式noteにて、会員登録不要・全ページ対象で行います。
全文公開記事はこちら
『ビジネスモデル3.0図鑑』について
本書では、50事例+αを厳選し、創業時・過去から現在・未来の進化形までを、図解2枚+解説で収録。そのビジネスモデルが「なぜ変わったのか」「どう適応してきたのか」を深く掘り下げています。
前作『ビジネスモデル2.0図鑑』の2018年刊行から7年が経過し、ビジネスを取り巻く外部環境は大きく変化しました。
・生成AIなど技術的進化の加速
・パンデミックや災害による社会構造・ライフスタイルの変化
・地政学的リスクやマクロな外部環境の予測し得ない変化
・単独の組織では解決しえない複雑な社会課題の増加
こうした時代背景を踏まえ、本書では新たに「共創性」と「適応性」を軸に設定し、「ビジネスモデル3.0」の考え方を紹介しています。

儲けることだけを中心としたビジネスモデル1.0から、前作の『ビジネスモデル2.0図鑑』では、経済性だけではなく、社会性や創造性まで備えたビジネスモデルを「ビジネスモデル2.0」と定義しました。そこからさらに、本作では、その3つに「共創性」と「適応性」を加え、「ビジネスモデル3.0」を定義しています。

「共創性」は、企業が単独で価値を提供する時代から、ステークホルダーと価値を共につくる時代へと変わっていること。「適応性」は未来を予測して正解を用意するのではなく、激しい変化の中で自ら変わり続ける力が問われる時代へと変化していること。この2つを備えたビジネスモデルを、本書では50の事例で紹介しています。

前作がビジネスモデルをある一時点の「静的」なものとして捉えていたのに対し、本書は、進化し続ける「動的」な構造に着目した図鑑です。

100事例を2ページずつ紹介したのがビジネスモデル2.0図鑑でしたが、本書では事例数を半分の50事例に絞り、1事例あたりのページ数が倍の4ページになっています。それにより、ビジネスモデルの変化のストーリーを追えるような深い情報を提示することができます。

各事例は4ページで構成し、1ページ目に「変化前」の図解、4ページ目に「変化後」の図解を置き、その2枚のBEFORE/AFTERを見比べることでビジネスモデルの変化を追うことができます。
なぜ全文公開をするのか?
本書の全文無料公開は、思いつきの施策ではありません。
前作『ビジネスモデル2.0図鑑』では、10万文字、100枚以上の図解を含む内容をすべて公開しました。その結果、全文公開を含む関連note記事の累計ビュー数は200万ページビューを超え、書籍の発行部数も国内外で累計13万部を超えています。
内容をすべてオープンにしたことで、「読まれなくなる」のではなく、「ちゃんと読まれ、必要とされた」という手応えがありました。
ビジネスモデルという考え方に触れる入口を広げることが、結果的に書籍の寿命を延ばし、より多くの読者に届く。この関係は、前作を通じて明らかになりました。
一方で、書籍を取り巻く環境は、前作刊行時からさらに厳しくなっています。
用紙や印刷コストの上昇により、コスト面での工夫や努力を重ねたにもかかわらず、本書の価格は前作の2,600円(税抜)から3,000円(税抜)へと上がっています。
この価格は、学生はもちろん、社会人にとっても気軽に手に取れるものではないかもしれません。それでも、ビジネスモデルという「仕組みを考える力」は、経済力をはじめとするさまざまな環境要因に左右されるべきものではないと考えています。
一般的に、発売前に書籍のすべてを公開することは合理的な選択とは見なされません。しかし本書は、「正解としてのビジネスモデル」を集めた事例集ではなく、試行錯誤を重ねながら時代に適応してきたプロセスそのものです。読後に、自らビジネスモデルを捉え直し、図解してみることまで含めて、初めて成立する本です。
また、全文公開の背景には、前作から一貫して扱ってきた「逆説の構造」という考え方を、つくり手である私たち自身も実践すべきとの考えもあります。
隠すことが定石であるからこそ、あえて開く。この逆説そのものが、創造性を生み出すと私たちは考えています。全文を公開するという行為が、話題として広がることも、意図した結果です。
私たちが重視しているのは、そのインパクトが一過性で終わらず、どのような状態を同時につくり出しているかです。そのために、社会に開くことでアクセス可能性を高めつつ、経済的にも書籍として成立し続けること、そして常識とされてきた前提を反転させ、新たな創造性を生み出すことを同時に成立させようとしています。
これからの時代、解決策そのものは生成AIによって、以前よりも簡単につくれるようになります。一方で、「何を解決したいのか」「どんな社会にしたいのか」という問いや意思は、人間にしか持てません。
その意思は、強い課題感や、深い感動と結びついて初めて生まれるものです。世の中にこれほど多様で、ユニークで、想いのあるビジネスモデルがあるのか。
本書が、感動を通じて強い意志や問いを持つきっかけになること。それが、特定の環境に左右されず、誰もがアクセスできる状態にあること。その前提をつくるために、全文公開という判断を行っています。
全文公開の概要
公開日:2025年12月23日
公開先:note 図解総研公式アカウント
公開形式:全文無料、無期限
公開範囲:序章から終章まで全ページ
全文公開記事リンク:https://note.com/bizgram/n/n5bde4d5402d1
目次概要
序 章 「ビジネスモデル3.0」とは何か?
第1章 「みつける」 新たな顧客・需要を見出す
Langaku, Arc & Beyond, esse-sense, イノカ, コミュニティナース, URASHIMA VILLAGE, BIOTA
第2章 「ひろげる」 新たな市場・地域への進出
タイミー, ヘラルボニー, おてつたび, wash+, イークラウド, ADDress, RENATUS ROBOTICS,
五常・アンド・カンパニー, HADO, 逆プロポ, EFポリマー, NEWLOCAL,Oishii Farm,
The Elephant People, アラビンド眼科病院, Fairphone
第3章 「ふかめる」 新たな商品・価値を追求する
丸井グループ, マザーハウス, 星野リゾート, 久遠チョコレート, CRISP SALADA WORKS, find,
全国こども食堂支援センター・むすびえ, 神山まるごと高専, 配車頭, CLOUDY, ジーバーFOOD,
SEKAI HOTEL, 宇宙水道局, シーベジタブル, Be My Eyes, Alife Holdings, KOTO
第4章 「ふみだす」 新たな領域・状況への挑戦
よーじや, バリューブックス, 中川政七商店, ボーダレスジャパン, NOT A HOTEL, コングラント,
Kuradashi, Ecosia, トニーズ・チョコロンリー, Too Good To Go
書誌情報
書名:ビジネスモデル3.0図鑑
出版社:KADOKAWA
発売日:2026年1月26日
ページ数:258
仕様:B5変形判
掲載:50事例+α
定価:3,300円 (本体3,000円+税)
ISBN:9784046075727
書籍購入リンク:https://www.valuebooks.jp/bp/VS0063387250
※ バリューブックスは本書の掲載50事例の一つであり、大手プラットフォームに依存しすぎない循環型の出版流通をつくる挑戦をしています。そんな彼らを応援するため、上記リンクはバリューブックスにしています。
著者プロフィール
近藤 哲朗
図解総研代表取締役。東京理科大学工学部建築学科を卒業、千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻修士課程を修了後、面白法人カヤックに入社。ディレクターとしてWebサイトやアプリの制作に携わる。2014年、株式会社そろそろを創業、NPO支援を行う傍ら、グロービス経営大学院大学経営研究科経営専攻(MBA)にも通学(後に中退)。2018年刊の初著書『ビジネスモデル2.0図鑑』(KADOKAWA)が10万部突破のベストセラーとなり、「ビジネスモデル図解」で2019年度GOOD DESIGN AWARDを受賞。そして2020年、「共通言語の発明」をコンセプトとするビジュアルシンクタンク「図解総研」を設立し、大手企業・研究機関・行政と共に、ビジネスモデル、会計、共創、環境問題、政策など複雑な仕組みや社会の構造などの可視化に取り組む。共著に『会計の地図』(ダイヤモンド社)、『政策図解』(日経BP)、『パーパスモデル』(学芸出版社)などがある。
執筆体制「共創型編集室」について
本書籍の執筆は、SNSでの呼びかけを通じて集まった15名弱の多様なメンバーが「共創型編集室」として制作に参加しています。本書のコンセプトの1つでもある「共創性」を、制作する段階から重視しようという試みです。報酬分配やポリシーなどを定めるところから、リサーチ、取材、執筆、編集、レビュー、販促などの書籍制作に関わるあらゆる工程を分担して進めています。詳しい説明は以下のnote記事をご覧ください。
https://note.com/bizgram/n/n59fd0c54fcea
会社概要
会社名:株式会社図解総研
所在地:東京都千代田区神田須田町1-1-1 ALES 3階
事業内容:図解を用いた情報設計と可視化支援、組織や事業の構造整理、出版およびコンテンツ開発等
Webサイト:https://zukai.co
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社図解総研 広報室
メール:pr@zukai.co