徳島大学と(株)玄米酵素の共同研究
子どもや若者を中心に発症する「1型糖尿病」。1型糖尿病は、インスリンを作る膵島のβ細胞が、自身の免疫細胞に破壊される自己免疫疾患の一つ。β細胞が破壊されると、インスリンの分泌が枯渇し、糖尿病を発症します。発症後は一生、インスリン注射を打ち続ける必要があります。

この度、徳島大学・片岡佳子教授が行った「1型糖尿病の発症抑制」に関する研究が、論文* として発表されました。
1型糖尿病を自然発症するモデルマウスに、玄米加工食品(発酵玄米)を含む餌を与えると、1型糖尿病の発症が遅くなりました。
この研究では、1型糖尿病を自然発症するモデルマウスを使用。発酵玄米(原粉)を0.5%混ぜた餌を与える群と通常の餌を与える群、2つに分けて飼育しました。
発酵玄米を含む餌を与えた群では、通常の餌を与えた群よりも糖尿の発症が比較的遅くなりました。細かく調べた結果を解説します。

1. 30週齢の段階で、通常餌を与えた群では67%のマウスが糖尿を呈したのに対し、発酵玄米を含む餌を与えた群では33%のマウスが糖尿を呈しました。
2. このマウスは通常、インスリンを作る膵島に炎症が進行しますが、発酵玄米を摂取したマウスは、膵島に起こる炎症のスコアが低く抑えられていました。
3. 炎症が進行すると膵島が破壊されてしまうのですが、発酵玄米を摂取したマウスでは、損傷の無い膵島の割合が多く残っていました。
4. その結果として発酵玄米を含む餌を摂取したマウスは、おそくインスリンの産生が維持され、1型糖尿病の発症を遅らせていることが示唆されました。
研究に使用した発酵玄米はこれまでの動物実験の結果、大腸炎を抑えたり、さまざまな臓器での化学誘導発がんを抑えるなどの機能が示され、30以上の学術論文が発表されています。
論文では「FBRA」という学術名を使用。研究データは、学術研究解説サイト「ふぶらぼ」で閲覧可能です。
https://fbra.jp/

*論文名 Kataoka K, Nemoto K,Sakurai A, Yasumoto K, Shikanai,M., Preventive effect of fermented brown rice and rice bran on spontaneous type 1 diabetes in NOD female mice. Journal of Functional Foods 78, March 2021, 104356