女性は、「人間関係・社風」も大きな要因
Vorkers「働きがい研究所」調査レポートvol.8
http://vorkers.jp/hatarakigai/vol_8
就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」(http://www.vorkers.com/)を運営する株式会社ヴォーカーズ(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:増井 慎二郎)は、“退職理由”に関する調査レポートの第2弾として、「Vorkers」に投稿された社員クチコミのテキストマイニング結果を11月5日に発表しました。
今回は、「Vorkers」に投稿された4万370件の「社員による在籍企業評価レポート」の回答データを対象に、退職理由に関するフリーコメントを分析しました。
【背景】
厚生労働省が10月31日に発表した2014年9月の有効求人倍率は、前月比0.01pt減の1.09倍と 3年4ヶ月ぶりに下落となりましたが、いまだ1倍を越える高水準です。企業にとっては、人材を確保することがより難しい状況が続いています。
人材確保のためには、まず優秀な人材の流出を防ぐことが不可欠です。企業で働き続ける現職者と、退職者を分ける道は何か。今回の調査を通じて、退職要因への洞察を深めることで、社員の流出を防ぐ働きやすい環境が整っていくことを願っています。
【サマリー】
・ 社員クチコミから見る3大退職理由は、1位「キャリア」、2位「待遇」、3位「ワークライフバランス」
・ 男女別、退職理由の特徴
女性では、「人間関係・社風」を理由とする退職の割合が大きい
・ 世代別、退職理由の特徴
「ハードワーク」を理由とする退職は20代前半までに集中、「会社都合」の退職理由は40代から急増
【調査レポート詳細】
■社員クチコミから見る退職理由キーワードの第1位は「仕事」、第2位は「上司」
「Vorkers」に寄せられた退職理由のクチコミから、退職理由に関わるキーワードトップ50を抽出しました。
1位「仕事」に関するクチコミをみると、「他にやりたい仕事があった」「仕事の幅を広げるため」といった文脈で多く使われており、自身のキャリアと会社が与える業務やキャリアパスとの不整合が退職の原因となっていることが推測されます。
次いで2位には「上司」のキーワードが来ています。「上司との相性の悪さ」や「上司に不満」といった直截的な理由を挙げる回答も見られます。モチベーションを維持する上で、上司との良好な関係性が重要であり、逆の場合、それが退職要因の引き金になることが伺えます。
■社員クチコミから導いた退職理由の6大要因
「Vorkers」に寄せられた退職理由に関するクチコミのキーワードを分類したところ、退職要因として考えられる6つの傾向が見えてきました。
最も大きい退職要因は、「キャリア」で出現率が約40%となっています。次いで、「待遇」16.18%、「ワークライフバランス」15.18%と続きます。これら3つの退職要因が社員の満足度に直結する重要な要素と考えることができるでしょう。
企業にとっては、有能な人材を確保するために、まずはこの3つの要因について、自社社員の満足度を把握することが必要であると思われます。
■男女別の退職理由
また、退職理由の6大要因を男女別で比べると、各要因に対する男女の意識の違いが現れています。まず、女性の方が男性よりも重視している項目についてみると、「ワークライフバランス」「人間関係・社風」が約2倍、「ハードワーク」が約5倍、男性よりも女性による出現率が高くなっています。
■世代別の退職理由
次に年齢別(20-25歳、26-35歳、36-45歳、46-55歳)による退職要因の変化に着目してみました。
・年齢に関わらず、「キャリア」が最大の退職理由
ビジネスのキャリアを何年積もうとも、ビジネスパーソンにとって、仕事が自分の成長を促してくれるものであるか、仕事にやりがいを感じられる環境にあるかということが最も大きな退職要因になるようです。ランキング上位には年齢に関わらず「キャリア」に関するキーワードが上位を占めています。
・「ワークライフバランス」は、若手ビジネスパーソンに多く登場
20代から30代前半の年齢で、「プライベート」「家庭」「結婚」といったキーワードが上位に現れています。一方、「ワークライフバランス」に関係するキーワードは、年齢が上がるにつれて少なくなっています。
また、「体調」「ノルマ」「体力」といった「ハードワーク」に関するキーワードが、20-25歳でいくつか挙がっているものの、26歳以降の年齢では上位に現れていません。まだ慣れぬ仕事のハードさと共に、ライフステージの変化によるプライベートとの両立に悩む若い世代の姿が浮かび上がります。
・「会社都合」のしわよせが中高年層の退職に影響
業績悪化などによる「会社都合」ですが、若手社員では上位に登場することはありません。年齢が高くなるほど、「リストラ」「希望退職」といったキーワードが上位に登場します。業績悪化のしわよせが、まず中高年層の社員の退職に向けられている現実が見えてきます。
【データの集計について】
■ データの収集方法
「Vorkers」の在籍企業評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
在籍企業評価レポートの回答条件は下記の通りです。
・ 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
・ 500文字以上の自由回答と、8つの評価項目に回答いただくこと
■ データの収集方法
2007年7月~2014年10月に、元社員から投稿されたレポート回答(全4万370件)を対象データとしています。
【Vorkersについて】
「Vorkers」では、就職・転職の参考情報として、「在籍企業の職場環境」に対する「社員・元社員」の評価点やレポートを共有しています。企業の「社員・元社員」から情報を収集しているWEBサイトとしては、国内最大規模のレビュー数(63万件超)が蓄積されており、会員数は71万人(2014年10月時点)となっています。経営者や人事部のフィルターにかかっていない「社員の生の声」を共有することで、企業の実情をオープンにし、就職・転職活動をサポートしたいと考えています。また、ジョブマーケットの透明性を高めることで、「社員を大切にする企業の方が大切にしない企業よりも評価され、誠実なCEOが誠実に会社を経営しやすい雇用環境となること」を目指しています
【Vorkers働きがい研究所について】
株式会社ヴォーカーズが、働きがいの向上のために、個人・企業・社会などの視点から働きがいについて調査・リサーチを行うためのプロジェクトです。2014年3月よりスタートしました。
【株式会社ヴォーカーズ 会社概要】
・ 商 号:株式会社ヴォーカーズ
・ 代 表 者:代表取締役 増井 慎二郎
・ 本店所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 ヒカリエ 8F MOV
・ 設立年月日:2007年6月
・ 主な事業の内容:就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」(http://www.vorkers.com/)の企画運営
・ 資本金:2000万円
【本件に関するお問合せ先】
・ 株式会社ヴォーカーズ
・ 担当者名:隈元
・ Email:press@vorkers.com