4月10日(日)開幕「2016奥四万十博」開催地の1つ、高知県梼原町の見どころをご紹介。
高知県西部の山間にある小さな町、梼原町(ゆすはらちょう)。面積の91%を森林が占め、標高1,455メートルの四国カルストに抱かれたこの町は今、「雲の上の町」と呼ばれ、ひそかに注目されています。県境を接する愛媛県などの近隣はもちろんのこと、関西や首都圏からも女性の観光客が増加。環境モデル都市として、全国の自治体や団体も視察に訪れています。
“ナチュラルな旅空間”が観光客を魅了し、やがて30代女性の移住者が増加。
梼原町の魅力を表わすキーワードは、「デトックス」と「エコ」。娯楽施設や繁華街がない人口約3,600人の静かな町に、年間約30万人の観光客が訪れています。高知龍馬空港から車で約1時間40分と決して交通の便が良いわけではありませんが、とくに“女性の旅ごごろ”をくすぐる、心からゆったりと過ごせる環境が人気を集めています。
木々に覆われた遊歩道で川のせせらぎに耳をすませながら森林浴を楽しみ、地元の森林資源を利用した木造建築の街並みを散策。見上げれば澄んだ青空に浮かぶ雲が目前を行き、夜には満天の星空が広がります。農家の女性たちが採れたての食材を使い、丁寧に仕上げたもてなしの料理もまた格別。喧騒から離れ、身も心も飾らず自然のまま、リラックスしたひと時を過ごせる町として、ひそかに人気が高まっているのです。
こうした“ナチュラルな旅”を1つのきっかけとして、移住者も年々増加。年間50~90人のペースだった人口減少が、プラスマイナスでほぼゼロに。過疎化の課題を徐々に克服しつつあります。2014年から昨夏までの約1年で、町外からの移住者は40人以上。平均年齢約37歳で、子育て期の女性が高い割合を占めているのです。
全国の自治体が、環境に優しいまちづくりと充実した移住者支援に注目。
梼原町の中心部には電柱と電線がなく、町をあげて、風力と太陽光発電を利用した“生き物にやさしい低炭素なまちづくり”に取り組んでいます。間伐材や端材を使って木質ペレットを生産し、化石燃料に代わるエネルギーとして活用するなど、森林資源の循環モデル事業を展開。2050年には温室効果ガス排出量70%削減、地域資源利用によるエネルギー自給率100%超を目指しています。
また、2013年度から空き家をリフォームして低価格で貸し出す移住者支援をスタート。未就学児童の保育料・授業料や給食費、中学卒業まで医療費も無料にするなど子育てに関する制度も充実。「環境モデル都市」として、自治体など年に300以上の団体が視察に訪れています。
雲の上の町ゆすはらの“ナチュラルカワイイ”人気スポット
絶景スポットの「四国カルスト」
約3億年前を起源とする日本三大カルストのひと。標高1,400m以上の県立自然公園で、高知県を代表する観光&絶景スポット。梼原町が「雲の上の町」といわれる象徴的な場所です。
坂本龍馬脱藩の道&久保谷セラピーロード
幕末のヒーロー坂本龍馬が、土佐藩を脱藩する際に通ったとされる道が残されています。背丈の高い樹木があぜ道を覆い、歴史を感じながら森林浴を楽しめます。景勝地の渓谷で、水路と並行する約3kmの道を歩く「久保谷セラピーロード」。梼原病院と高知大学医学部が連携しリラックス効果を検証しています。
隈研吾さん設計の優しいモダン建築
梼原町のシンボルといえるのが、地元の森林資源を活用した木造建築物。町役場や雲の上のギャラリーなど2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場のデザインに携わる建築家・隈研吾氏ゆかりの建物が4軒あります。
パン工房やカフェで癒しのおいしい時間
梼原町内には、四万十川水系の水と国産小麦、自家製天然酵母を使用したパン工房やオーナーこだわりのカフェが人気。旅の道中でちょっと一息、女子トークで盛り上がれます。
「土佐の匠」に選ばれたオランダ人和紙作家のアトリエで紙漉き体験
オランダ人の和紙作家ロギール・アウテンボーガルトさんのアトリエ兼民宿「かみこや」では、自ら野山で植物を採取して紙を漉くオリジナルの和紙づくりを体験できます。旅の思い出が詰まった作品に。
自然や旬の味覚を体感!『2016奥四万十博』が、4月10日(日)に開幕します。
高知県では、四万十川流域の5市町による広域観光キャンペーン「2016奥四万十博」が4月10日(日)~12月25日(日)に行われます。開催エリアは須崎市、中土佐町、四万十町、梼原町、津野町。詳細は公式サイトをご覧ください。http://okushimanto.jp/