武装解除進まぬミンダナオ島紛争地での平和式典
認定NPO法人アイキャン(以下アイキャン)は、フィリピン・ミンダナオ島の紛争地の1つであるコタバト州ピキット町において、「平和の学校宣言と平和の学校認定書贈与式」を3月16日に開催しました。当日は、市政府担当官、児童・教師などを含む学校関係者、教育省コタバト州事務所・ソクサジェン地域事務所担当官、地域住民、和平交渉中のモロイスラム解放戦線(MILF)、日本大使館関係者、国際停戦監視団(INT)などが式典に参加しました。
フィリピン南部の島、ミンダナオ島では、政府軍と反政府軍(MILF)との間で、40年以上武力衝突が続いています。2014年、両者は「包括和平合意」により停戦状態となりましたが、合意されたバンサモロ自治政府発足に向けた移行プロセス(*1)が難航を示していることから武装解除が進まず、紛争地域は依然として不安定な状況です。
今回「平和の学校」宣言を行った地域でもある、ミンダナオ島コタバト州ピキット町においても、長年の紛争により多くの住民が避難生活を経験し、今もなお様々な理由により、軍事衝突が続いています。紛争により何度も通学が妨げられ、また村に学校が整備されておらず、多くの子どもたちが学校に行くことができていない状況です。アイキャンでは、2006年より学校整備や平和へ向けた研修を通して、この地域で平和を促進する学校「平和の学校」作りを進めてきました。
3月16日に開催された「平和の学校」宣言式典では、「平和の学校」研修を実施してきたピキット町西部の3つの高校による「平和の学校」宣言が行われ、同地域において積極的に平和を広めていく決意表明がされました。多くの地域の人々によって準備が行われ、周囲では、和平交渉中にある政府軍とMILF軍が共同で警備にあたるなど、「子どもたちの教育」と「平和」という共通の目的の前に、多くの人々が1つになれた時間でした。
また本式典では、ピキット町パイド・プランギ村の「平和の学校」である、ダトゥ・ビトルマンガンサカン記念高校及びマパグカヤ小学校の建設が完了したため、アイキャンから教育省へ正式に校舎の引き渡しをいたしました。
アイキャンでは、今後も紛争地において積極的に活動を展開し、平和なミンダナオを作っていきます。
(*1) バンサモロ政府発足に向けた移行プロセスとは、反政府組織(MILF)による自治政府を樹立するためのもので、バンサモロ基本法の制定、管轄領域を画定するための住民投票の実施,ムスリム・ミンダナオ自治地域の廃止と暫定移行機関の設置を経て、2016年の自治政府発足を目指しています。
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【認定NPO法人 アイキャンとは】
認定NPO法人アイキャンは、1994年から危機的状況にある子どもたちの生活改善に取り組んでいるNGOです。何かを「あげる」活動ではなく、生活が向上し続ける「システム」を作り上げることを重視しています。これからも、フィリピンの開発プロジェクトの専門集団として、多くの人々や組織と連携し、子どもたちの夢をかなえていきます。
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