丸住製紙株式会社と北見工業大学との共同研究によってCNF初となる抗菌性能を確認
丸住製紙株式会社(本社:愛媛県四国中央市、代表取締役社長:星川 知之)が独自の化学変性技術を用いて開発したセルロースナノファイバー(以下、「CNF」)「ステラファイン」が『抗菌性を持つCNF』であることが、国立大学法人北海道国立大学機構北見工業大学(所在地:北海道北見市、学長:鈴木 聡一郎、以下「北見工大」)吉田孝特任教授の研究グループとの共同研究によって確認されました。
これまでに銀イオンや銅イオンなどを担持させて抗菌性を付与する抗菌性CNFはありましたが、CNFそのものに抗菌性があることを確認したのはステラファインが初めてとなります。
ステラファインの特徴

・透明性が高い
・粘度が高いにも関わらずチキソトロピー性(※1)を有する
・保水・保湿性が高い
・分散性が良い
・繊維幅が約3nmと非常に細かく均一
・有機溶媒などと一切使用しない完全水系で製造
・天然素材由来でサステナブルなマテリアル
抗菌性の実験
北見工大の実験室において、ステラファイン水分散体・乾燥体のサンプルを用い、寒天培地を用いた抗菌試験を実施。(試験に供したCNF濃度下限は1%、下記写真は試験の一部)

ステラファイン乾燥体を乗せた箇所には菌が繁殖していないことがわかる
「抗菌性」を持つメリット
・ステラファインそのものが抗菌性を有するため、腐敗等に対する耐性が高い
(薬剤無添加の状態で提供できる)
ステラファインを使用する側のメリット
・防腐剤フリーの天然新素材を配合する製品等に用いることができる
・保管方法にも自由度がある
※ステラファインを添加した混合物や最終製品の抗菌性を保証するものではありません
今後の展開
CNFは脱炭素・循環型社会に寄与する素材として注目されていますが、今後さらにカーボンニュートラル、また SDGsの取組みについても全世界で加速度的に進んで行くことが考えられ、再生可能な天然資源である木質材料からつくられるCNFへの注目も、より一層高まると考えています。
丸住製紙では2021年のCNF開発センター創設以降、生産技術の確立を図るとともに事業化に向けて幅広く用途開発を進めています。引き続き、ステラファインの更なる研究・開発を進め、新たな可能性の探求を続けてまいります。
(※1)一定の力を加えるとその瞬間のみ粘度が低下し液状になる性質。力から開放されると粘度はもとに戻る。