東京信用保証協会も参画し、東京都・地域金融機関との全国初連携による「事業承継支援モデル」が完成。「社長一人」に頼らない、次世代の経営株主チームを育てる新たなフェーズへ。
■ 第一部:ファンドの満額組成と「第2号案件」の事業承継実行
National Search Fund株式会社(代表取締役 山根 孝、以下「NSF」)は、運営する「TOKYO白馬の騎士ファンド」において、当初の目標額である40億円に到達し、2026年3月にファイナルクローズいたしました。また、第2号案件として、相栄電器株式会社(東京都品川区、以下「相栄電器」)の事業承継を実行しました。
1.全国初の枠組みによる「40億円」の組成完了
本ファンドには東京都に加え、地方銀行、信用金庫、東京信用保証協会が参画し、東京における新しい事業承継支援の枠組みが本格的に成立しました。
特に、
・西武信用金庫、城南信用金庫、芝信用金庫の3信用金庫がサーチファンドへ出資(信用金庫によるサーチファンド出資として全国初)
・東京信用保証協会がサーチファンドへ出資(全国の信用保証協会として初)
という二つの全国初の動きは、地域金融機関が事業承継課題により深く関与する新しい兆しとして注目されます。
参画機関(五十音順):
・株式会社きらぼし銀行
・芝信用金庫
・城南信用金庫
・西武信用金庫
・東京信用保証協会
・東京都
・株式会社横浜銀行
■信用金庫の参画
信用金庫がサーチファンドに出資することは全国で初めての事例であり、地域を支える金融機関が、中小企業の未来を担う次世代経営者育成の仕組みを支える姿勢が示されました。
■ 東京信用保証協会の参画
東京信用保証協会は、全国の信用保証協会として初めてサーチファンドへ出資しました。
中小企業を支える信用保証協会による今回の参画は、サーチファンドが事業承継を支える有力な手法として、着実に広がりつつあることを示すものです。
■ NSFには累計300名のサーチャー応募
NSFには累計300名以上のサーチャー応募があり、これまで21名を選抜・育成。
そのうち6名が承継を完了し、白馬の騎士ファンドとしても2件の投資実行が完了しています。
サーチファンドの仕組みは、東京を中心に「経営を志す人材」を引き寄せる存在として広がっています。
2.第2号案件:中川敦司氏による老舗製造業「相栄電器」の事業承継を実行
本ファンドの第2号案件として、電気接点・電子部品の製造・販売を行う相栄電器の承継を完了しました 。
【概要】
「TOKYO白馬の騎士ファンド」は、サーチャーの中川 敦司氏と共に、電気接点・電子部品の製造および販売卸を行う相栄電器への投資を実行し、2026年4月1日より中川氏が代表取締役に就任いたします。
相栄電器は、1974年創業の電子部品製造の老舗企業です。東京都品川区の本社に加え、福岡県内に2つの主要製造拠点を持ち、情報通信、電力設備、医療機器など、日本の社会インフラを支える多様な産業を裏側から支えてきました。小ロット・短納期・高精度加工に対応できる柔軟な生産体制を強みに、50年以上の長きにわたり顧客から厚い信頼を得ています。
今回、親族や社内に後継者が不在の中、現代表の瀬井氏が「長年培った技術と雇用を守り、未来へつなげてほしい」との想いから「経営者を選んで託す」というサーチファンドの枠組みを選択。グローバルな知見とDXの経験を併せ持つ中川氏に大きな期待を寄せていただき、事業承継の成立に至りました。
【サーチャー中川氏の経歴】
氏名:中川 敦司
略歴:同志社大学工学部卒業後、豊田通商株式会社にて海外プロジェクトの立ち上げ、子会社再建、経営に従事。慶應義塾大学大学院(MBA)修了後、ITインフラ・ソフトウェア企業の執行役員として事業拡大と組織改革をリード。「海外事業×新規事業×子会社経営×IT・DX」のすべてを経験した実績を持つ。自らの責任で組織を強くし、常にお客様の期待を超える事業をリードする経営者になりたいという想いから、NSFのサーチファンドに参画。
【投資先の概要】

会社名 :相栄電器株式会社
設立 :1974年12月
事業内容 :電気接点製造、情報通信・電力設備関連製品、医療機器部品の組立加工 ほか
所在地 :東京都品川区西五反田5-21-15
URL :https://sohei.co.jp/
■ 第二部:次世代経営者の「育成」と「経営チーム」による統治
1.後継者育成プログラム「SAP」と資本ガバナンスモデル「Icon Model」正式提供開始
NSFとIcon Capital株式会社(以下、Icon)は、中小企業の承継において頻発する「後継者不足」「株主構造不備」「承継直後の混乱」といった問題を、その問題が発生する前に解消するための包括的モデルとして、後継者育成プログラム「SAP(Searcher Ascension Program)」および資本・統治を制度化する「Icon Model」の提供を正式に開始しました。
事業承継は、株式が動いた瞬間に完了するイベントではありません。引継ぎの何年も前から準備が始まり、引継ぎ後にわたって定着・発展が続く、多段階のプロセスです。
SAPとIcon Modelは、承継の入口から出口までを連続的に支える日本初の枠組みとして設計されました。
後継者育成(SAP):経営者に必要な「理論」と「実践」を3年間で獲得するプログラムです。理論面では戦略・財務・哲学などを学び(MBA取得費用等はNSF負担)、実践面では投資先企業のCXO級の権限を持ち、実際に経営に参画します。机上で磨いた理論が、そのまま現実には通用しない時もある。そこでの葛藤や調整こそが、経営者としての胆力を形成します。SAPは、この理論と実践の往復運動を通じて、「肩書としての後継者」ではなく「責任としての後継者」を育てる仕組みです。
ガバナンスの制度化(Icon Model):後継者育成と同時に、企業の資本構造と統治を整理し、承継期の混乱を防ぐために設計されたモデルです。Iconは対象企業の株式を33.4%程度を上限に株式を取得し、企業の根幹に関わる特別決議について一定の抑止力を持たせつつ、オーナーの迅速な意思決定も阻害しないバランスを追求します。さらに、Iconは25類型のガバナンスモデルを保有しており、企業文化・歴史・オーナーの価値観に応じて柔軟にモデルを最適化します。
本モデルは、後継者が自ら株式を取得する「MBO」や、外部から新たな経営者を迎える「サーチファンド承継」へとスムーズに繋げる、日本初の包括的な事業承継支援の枠組みとなっています。
2.導入事例:ヤシマ食品・トーキョーヴィジョンでの「経営株主」創出
NSFがサーチファンドを通じて承継し、現在サーチャーが代表として経営している2社に対し、社長一人に責任を集中させず、意思決定を支え合う「経営株主チーム」を構築するための『Icon Model』を導入しました。
ヤシマ食品株式会社(神奈川県): 高橋代表が外部より招聘した人材を「経営株主候補」として正式に位置づけ、さらに社内外から広くパートナーを公募します 。
株式会社トーキョーヴィジョン(東京都): 制度を先行導入し、クリエイティブと経営を共に担う次世代の経営株主候補を社内外から選抜する準備を整えました 。
Icon Model は、次の経営者候補の育成経営株主の育成 株主・経営権の円滑な移転経営者と株主の協働体制の構築など、多様な目的に対応できる柔軟なモデルです。
今回の2社では、この中でも特に“未来の経営を支える経営株主を育成する”という機能を積極的に活かす形で導入しています。これは、サーチャー単独の経営を強化し、企業を中長期で支える“複数の当事者による経営体制”を構築するためのステップです。
■ 代表コメント
National Search Fund株式会社 代表取締役COO 前田健太
構想段階から掲げてきた40億円の目標到達と相栄電器様の承継は、我々の活動が確かな信頼を得ている証しです 。同時に開始するSAPとIcon Modelは、後継者が理論と実践を備え、適切な資本構造のもとでバトンを受け取ることを可能にします 。『社長の交代』にとどまらず、地域経済の基盤である中小企業の未来を確かな形へ繋いでまいりたいと考えています 。
【本件に関するお問い合わせ】
National Search Fund株式会社 広報担当
Email:info@ns-fund.jp
Web:https://ns-fund.jp
