職務記述書を定期的に見直せている企業は、4社に1社のみと判明

AIを活用したジョブ型人事の実装を通じて、フェアで主体的に働ける社会の実現を目指す株式会社Job-Us(読み:ジョブアス、本社:東京都港区、代表:馬渕太一、以下「当社」)は、ジョブ型人事制度を導入済み・導入決定済みの企業の人事担当者259名を対象に、「ジョブ型人事制度における実態調査」を実施しました。
■調査トピックス

■調査背景:男女賃金格差の開示義務拡大により、“説明できない人事制度”はリスクに
2026年4月、女性活躍推進法の改正により、男女賃金格差の公表義務が従業員101名以上の企業へと拡大されました。処遇の根拠を客観的に説明できる人事制度の整備は、大手企業から中堅企業にとっても課題となっており、職務・役割に応じて処遇を決定するジョブ型人事制度が、その解決策として改めて注目を集めています。しかし、ジョブ型人事制度が機能するためには、その根幹となるJD(ジョブディスクリプション:職務記述書)が適切に整備・更新され、実際の人事施策に活用されていることが不可欠です。そこで当社は、ジョブ型の現在地をより広い視点で把握すべく、JDの整備・更新・活用の実態を調査しました。
■調査の詳細
職務記述書の見直し頻度・範囲

職務記述書の見直し頻度と対象範囲について調査しました。「すべての職務記述書を対象に、定期的に(年1回以上)見直している」と回答した企業は26.9%にとどまりました。一方、「すべてを対象に見直しているが頻度は不定期(数年に1回程度)」が37.6%、「一部のみを対象に定期的に見直している」が15.3%、「一部のみかつ不定期」が8.7%という結果となりました。また、「更新の必要性は認識しているが実態としてはほぼ見直しされていない」が1.7%、「見直す仕組みや運用自体が存在しない」が2.9%でした。
職務等級・ジョブサイズ判定における職務記述書の活用状況

職務等級やジョブサイズの判定における職務記述書の活用状況について調査しました。「職務記述書に基づいて定量的にジョブサイズを算出し、職務等級が判定されている」と回答した企業は26.9%にとどまりました。一方、「制度上は職務記述書に基づいているが、実態は人の能力や年次を加味して職務等級を判定している」が44.2%、「人の能力や年次が優先されており、職務記述書に基づく客観的な判定はされていない」が19.8%という結果となりました。また、「職務等級の判定において、職務記述書は全く活用されていない」が1.7%でした。
職務記述書の作成・定義状況

職務記述書の作成・定義状況について調査しました。「すべての職務記述書が期待役割・成果・人材要件まで明確に定義されている」と回答した企業は28.2%にとどまりました。一方、「一部の職務記述書は定義されているが、部門や作成者によって内容や質にばらつきがある」が49.0%、「職務記述書は形式上存在しているだけになっている」が8.1%、「職務記述書を整備していない」が6.6%という結果となりました。
各人事施策における職務記述書の活用度

等級判定・ジョブサイズ算出、人事配置・異動、目標設定、キャリア開発の4施策における職務記述書の活用度を調査しました。「非常に活用されている」「ある程度活用されている」の合計は、等級判定・ジョブサイズ算出で61.4%、人事配置・異動で61.4%、目標設定で53.3%、キャリア開発で52.9%という結果となりました。一方、「どちらともいえない」「あまり活用されていない」「まったく活用されていない」「整備していない/わからない」の合計は、目標設定で46.8%、キャリア開発で47.1%にのぼりました。
事業変更時の職務記述書の更新連動状況
事業戦略の変更・組織再編・業務内容の変更が発生した際の職務記述書の見直し・更新状況について調査しました。「変更が発生するたびに、対象となるすべての職務記述書を必ず見直し・更新している」と回答した企業は28.5%にとどまりました。一方、「変更が発生した際、一部の職務記述書については見直し・更新している」が54.1%、「変更が発生しても、職務記述書の見直し・更新は連動していない」が7.0%、「職務記述書を作成後、見直し自体を一度も行っていない」が2.1%という結果となりました。n=242
目標設定における職務記述書の活用状況
社員の目標設定における職務記述書の活用状況について調査しました。「全社的に職務記述書に基づいて目標が設定され、評価指標とも連動している」と回答した企業は28.1%にとどまりました。一方、「一部の組織・職種では職務記述書に基づいて目標設定が行われている」が38.4%、「目標設定時に職務記述書が参照されることはあるが、実態として目標と職務記述書は切り離されている」が21.9%、「目標設定時に職務記述書は全く参照されず、完全に切り離されている」が3.7%という結果となりました。n=242
人材配置・異動における職務記述書の活用状況
ジョブ型人事制度を導入済みの企業242社に対し、人材配置や異動の決定における職務記述書の活用状況について調査しました。「職務記述書と人材の適合度合いが定量的に可視化されており、全社的に活用されている」と回答した企業は26.0%にとどまりました。一方、「可視化はされていないが、職務記述書は配置・異動に全社的に活用されている」が36.0%、「一部の配置・異動において判断材料として活用されている」が21.5%、「属人的な配置・異動判断が優先され、職務記述書との適合判断は後回しになっている」が7.0%、「配置・異動において職務記述書は全く活用されていない」が2.1%という結果となりました。n=242
キャリア開発における職務記述書の活用状況
ジョブ型人事制度を導入済みの企業242社に対し、社員のキャリア開発における職務記述書の活用状況について調査しました。「職務記述書の職務要件と社員のスキル・経験とのギャップに基づき、全社的にキャリア開発が行われている」と回答した企業は26.9%にとどまりました。一方、「一部の職種・人材ではギャップに基づきキャリア開発が行われている」が45.9%、「職務記述書は公開されているが、実態として社員の自主性任せになっている」が12.0%、「キャリア開発は上司の判断や本人の希望が優先され、職務記述書とはほぼ連動していない」が5.8%、「キャリア開発において職務記述書は全く活用されていない」が1.7%という結果となりました。n=242
■Job-Us 代表 馬渕 太一のコメント
今回の調査から、ジョブ型人事制度を導入していても、実態としては従来型の運用から脱しきれていない企業が多いことが見えてきました。特に、JD(職務記述書)を十分に見直せている企業が4社に1社程度にとどまり、職務等級の判定でも能力や年次がなお影響している実態は、制度導入と運用定着の間に大きなギャップがあることを示しています。
ジョブ型人事は、制度を導入するだけでは機能しません。JDを継続的に更新し、等級・評価・配置・育成とつなげながら、現場で運用され続けてはじめて意味を持ちます。
今回の結果は、多くの企業にとって本当の課題が「制度設計」ではなく「運用の実装」にあることを示しています。
ジョブ型AI「Job-Us」は、AIを活用したJDの作成・更新ならびに、制度運用との連動を通じて、ジョブ型人事を“導入して終わり”にしないための支援を行っています。
今後も、フェアで納得感のある人事運用の実現に向けて、企業の実装と定着を後押ししてまいります。
■調査概要
調査対象:全国25歳~65歳の会社員または経営者・役員のうち、主な担当業務が「人事」で人事企画(制度設計)業務に実務上関与している者
調査条件:ジョブ型人事制度を全社または一部で導入済み、または導入を決定済みの企業に所属している者
有効回答数:259名(内訳:ジョブ型人事制度導入済み企業所属242名、ジョブ型人事制度導入決定済み・未導入企業所属17名)
調査期間:2026年3月26日~2026年4月8日
調査方法:インターネット調査
■ジョブ型AI「Job-Us」

「Job-Us」は、AIを活用して、ジョブ型人事の運用を実現するプロダクトです。LLMや生成AIなどの先端技術を用い、企業データをもとに独自のJD(ジョブディスクリプション:職務記述書)を自動生成。作成日・更新日などのバージョン管理から運用保守までをシステム上で一元管理します。さらに、ジョブ型人事の導入・定着に必要な職務等級設計や職務給運用まで、Job-Us上でワンストップに実現します。URL:https://job-us.jp
■ジョブ型人事のサクセスパートナーJob-Us(ジョブアス)
Job-Usは、ジョブ型人事の運用を支援するスタートアップ企業です。独自で開発したプロダクト「Job-Us」を活用し、JD(ジョブディスクリプション:職務記述書)の自動作成から、評価・報酬・等級制度への反映までを包括的に支援。さらに、プロダクトの提供にとどまらず、専門家を介した制度運用の伴走支援まで、一気通貫でジョブ型人事制度の定着をサポートし、フェアで主体的な社会の実現を目指します。
社名 株式会社Job-Us
設立日 2020年7月9日
事業内容 HR-Tech事業
資本金 7,515万円 (資本準備金含む)
所在地 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー23F