本取り組みは、がれきを資源として活用し、地域での雇用を創出するとともに、横展開可能な低炭素建設資材産業の基盤を築くことで、ウクライナのグリーンな産業復興を支援することを目的としています。




2026年5月5日 - 国連工業開発機関(UNIDO)、国連開発計画(UNDP)、および持続可能な建築資材を提供する日本企業、田川産業株式会社(Tagawa Shikkui Labs)は、ウクライナ復興に向けた革新的かつ低炭素なソリューションの実装に向けた協力に関する意向表明書に署名しました。
本取り組みの中核となるのは、UNIDOの「日本企業からの技術移転を通じた新事業創造によるウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」の下、紛争後のウクライナにおける技術移転、人材育成、そしてサーキュラー・エコノミーのアプローチの適用です。本取り組みは、UNIDOウクライナ・グリーン産業復興プログラム(2024-2028)の下で実施されています。

Christina Pashkina / UNDP in Ukraine
Limix工場/田川産業株式会社
本パートナーシップでは、田川産業株式会社が開発した低炭素建築技術が、持続可能な復興、環境負荷の軽減、そして地域経済の復興にどのように貢献できるかを検討します。
同社の特許取得済みLIMIX技術により、コンクリート、レンガ、モルタルなどの、建設や解体によって生じたがれきを、焼成工程を経ず、二酸化炭素を排出せずに、タイルなどの高品質な建築資材に再生することができます。この技術を用い、ウクライナで入手可能な石灰石などの資源を活用することで、戦争で生じたがれきを持続可能な復興に再利用することが可能です。
「本パートナーシップは、ウクライナにおけるイノベーション主導の復興、環境の持続可能性、そして包摂的な経済発展に対する共通の決意を反映したものです」と、UNIDOの安永裕幸事務次長は述べました。
UNIDOは、プロジェクトの主導機関および補助金交付機関として、全体的な調整を行います。実現可能性の評価を支援し、パートナーや投資家との連携を促進するとともに、国際基準や国内規制との整合性を確保します。また、安全・警備体制を含め現地視察を支援し、研修や啓発活動にも貢献します。
UNDPのウクライナ常駐代表、アウケ・ルーツマ氏は、UNDPが国際的なパートナーと協力し、ウクライナが直面する課題を経済的な機会へと転換していく姿勢を表明し、次の様に述べました。「本取り組みは、ウクライナの大規模な復興支援に必要な、イノベーション主導型のパートナーシップの好例です。UNDPは、がれき管理やリサイクルにおける豊富な経験、強力な運営体制、そして現地におけるパートナーシップを背景に、世界のイノベーターとウクライナの現地のニーズを結びつける上で、適切な立場にあります。これらのパートナーシップは、ウクライナの復興を加速させるだけでなく、価値を共創し、ウクライナにとどまらないイノベーションを推進する力となるでしょう」
UNDPウクライナ事務所は、がれき処理施設の利用・訪問を容易にし、サンプルの採取および日本への輸出手続きを支援することで、現地での実施を支援します。また、がれきの組成に関するデータや分析を提供し、労働安全衛生を含む国内規制の順守をサポートするとともに、研修、啓発活動、人材育成にも寄与します。

研究開発部/田川産業株式会社
田川産業株式会社は現在、ウクライナにおいて、LIMIX技術を用い、戦争によって生じたがれき由来のカーボンニュートラルな内装用タイルの製造事業の技術的、環境的、商業的な実現可能性調査を実施しています。
田川産業株式会社の代表取締役社長、行平史門氏は、「UNIDOおよびUNDPと協力し、LIMIX技術をウクライナの持続可能な復興に活用する機会をいただき、大変光栄に思います。戦争によって生じたがれきを低炭素の建築用タイルへと再生させることで、サーキュラー・エコノミーの推進とグリーン産業復興に貢献したいと考えています」と述べました。
更に、本取り組みは、ヨーロッパをはじめとする環境意識の高い市場をターゲットとした、ウクライナ発の輸出産業に発展する可能性も秘めています。
現在実施中の実現可能性調査の詳細については、こちらをご覧ください:
持続可能な復興に向けた環境に優しいタイル | UNIDO
UNIDOについて:
UNIDOは、173の加盟国を有し、貧困の削減、包摂的なグローバル化、および環境の持続可能性に向けた産業開発を推進する国連の専門機関です。繁栄の共有と創造、経済競争力の向上、環境の保全、知識と制度の強化を通じて、開発途上国および新興国が包摂的かつ持続可能な産業開発への道を歩むことを支援しています。
ウクライナ政府とUNIDOは共同で「UNIDOウクライナ・グリーン産業復興プログラム(2024-2028)」を策定・開始しました。本プログラムは、UNIDOによるウクライナ産業復興支援の包括的枠組みとして位置付けられています。このプログラムの下、UNIDOは、人々への機会創出、グリーン経済の推進、企業支援および投資促進に重点を置きながら、産業再建に向けた戦略的かつ統合的なアプローチを推進しています。
UNDPについて:
UNDPは、約170の国と地域で活動し、貧困の削減、不平等の是正、そして持続可能な発展に向けた強靭性構築を支援しています。国連の開発機関として、各国が持続可能な開発目標(SDG)を達成できるようサポートしています。
ウクライナにおいて、UNDPは、継続中の戦争によって引き起こされた差し迫った課題に対処しつつ、持続可能な復興と長期的な開発に注力しています。UNDPのがれき処理の取り組みにより、すでに100万トン以上のがれきが撤去・選別され、安全な復興と地域社会の生活再建が可能になりました。
田川産業株式会社について:
田川産業株式会社は、建設や解体で生じたがれきを高性能なタイルや建築資材に再生することのできる、低炭素・非焼成の石灰ベース製造プロセス「LIMIX」技術を開発しました。この特許取得済みの技術は、循環型経済の原則と低炭素型復興に貢献するものです。
詳細については、以下までお問い合わせください:
・ UNIDO広報担当、Irma Juskenaite-Asmus i.juskenaite@unido.org
・ UNDPプログラム・マネージャー、横井水穂 mizuho.yokoi@undp.org
・ 田川産業株式会社海外事業セクションマネージャー、Benji Cheng yunchi@shirokabe.co.jp
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