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株式会社Smolt

温暖化に負けない「4kg」の巨大養殖サクラマス誕生。 大学発ベンチャーの Smoltが独自の育種技術で養殖の常識を打破。

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全メス三倍体技術と高水温耐性種苗の融合により、3年間の長期育成で実現

株式会社Smolt(本社:宮崎県宮崎市、代表取締役CEO:上野賢)は、当社が開発した高温耐性サクラマス種苗(※1)を用いて、全メス三倍体技術(※2)を活用した長期育成により、養殖サクラマスで4kgの大台を達成したことをお知らせいたします。この成果は、当社の中核技術である高水温耐性育種技術と、性成熟を抑制する全メス三倍体技術を組み合わせることで実現したことを報告します。

※1 高温耐性サクラマス種苗
従来18℃以下が必要なサーモンに対し、20℃前後でも安定成長できる。6世代にわたる選抜育種で開発した革新的品種で地球温暖化に対応し、温暖な地域でも養殖可能。

※2 全メス三倍体技術
染色体を3セット持つ個体(通常は2セット) 性成熟が抑制され、生殖ではなく成長にエネルギーを使えるため通常より長期間の育成が可能で、大型化を実現。

深刻化する海水温上昇とサーモン養殖の課題

気象庁の最新データ(2024年)によると、日本近海における海域平均海面水温の上昇率は100年あたり+1.33℃に達しており、世界全体で平均した海面水温の上昇率(100年あたり+0.62℃)の約2倍のペースで上昇しています(出典:気象庁「海面水温の長期変化傾向(日本近海)」)。特に2010年ごろを境に上昇傾向が加速しており、近年の海水温上昇は著しい状況です。
(引用:https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/shindan/a_1/japan_warm/japan_warm.html

この海水温上昇は、サーモン養殖業界に深刻な影響を及ぼしています。従来、サーモン・トラウト類は本来18℃以下の冷水域で養殖される魚種であり、海水温上昇により養殖適地が年々減少し、養殖期間の短縮や生産効率の低下が業界全体の課題となっています。特に夏季には高水温によりサーモンが生育できない期間が長期化し、出荷時期の遅延や、最悪の場合、高水温によるへい死(魚が死亡すること)のリスクも高まっています。

このような背景から、温暖化が進む環境下でも安定的にサーモンを生産できる技術革新が、国内外のサーモン養殖業界において喫緊の課題となっています。

4kg達成の技術的背景

高水温耐性種苗×全メス三倍体技術の融合
本成果は、当社が6世代にわたり選抜育種により確立してきた高温耐性サクラマス種苗(※1)に、全メス三倍体技術(※2)を適用することで実現しました。高水温に強いかつ長期育成が可能なため、淡水養殖の高水温期でも継続的に飼育が可能となります。
技術の特徴:
- 高水温耐性種苗の活用当社が開発した高温耐性サクラマスは、従来の18℃以下が必要とされていたサーモン類と異なり、20℃前後の高水温環境下でも安定的な成長が可能です。この特性により、温暖な気候下でも長期育成が可能となりました。

- 全メス三倍体技術による性成熟の抑制全メス三倍体技術を活用することで、性成熟を抑制し、通常であれば成長が停滞する生殖期にもエネルギーを体の成長に振り向けることが可能になります。これにより、従来は1.5~2.0kg程度で出荷されていたサクラマスの育成期間を大幅に延長することができました。
- 3年間の長期育成による大型化上記2つの技術を組み合わせることで、3年間にわたる長期育成が可能となり、4kgという国内養殖サクラマスでは希少な大型サイズの実現に成功しました。


4kgに到達したサクラマス。全長は66cm。

育成概要

- 育成期間: 3年間
- 到達サイズ: 4kg
- 使用技術: 高温耐性種苗 + 全メス三倍体技術
- 育成場所: 宮崎県内の自社施設

技術開発の意義

国内サーモン養殖業界への貢献
従来、国内で養殖されるサクラマスは1.5~2.0kg程度のサイズでの出荷が一般的でしたが、今回の4kg達成により、より高付加価値な商品展開が可能になります。大型サイズのサクラマスは、高級レストランや料理店での活用の幅が広がり、国産サーモンの競争力向上に貢献します。
持続可能な養殖技術の確立
気候変動による海水温上昇が課題となる中、高水温環境下でも長期育成が可能な本技術は、将来の水産養殖業の持続可能性を高める重要な技術基盤となります。
イクラ生産との相乗効果
当社は2021年度「STI for SDGsアワード」で科学技術振興機構理事長賞を受賞した「サクラマス循環養殖による温暖化対応種の開発とイクラの持続的生産」技術をベースに、「つきみいくら」の生産を通じて魚卵生産の技術とノウハウを蓄積してきました。今回の全メス三倍体技術は、将来的に100%メス生産体制によるイクラの量産化にも応用可能であり、サーモン養殖とイクラ生産の両面での技術革新を推進します

Smolt 代表取締役 上野賢のコメント

サクラマスは現在で市場に多く流通するアトランティックサーモンやギンザケ、トラウトサーモンに比べると大型化しにくい魚種です。しかしながら、味は抜群のおいしさを誇る魚でもあります。
今回の開発成果は私たちの高水温耐性種苗をベースに全メス三倍体化を行い長い時間をかけて自社の生産をノウハウを活用して実現しました。
今後は量産化に向け、育成期間の最適化に取り組んでいき、将来的にサクラマスが”おいしい魚”と世界中で認知されるような生産体制を目指します。

株式会社Smoltについて

会社名: 株式会社Smolt
代表者: 代表取締役CEO 上野賢
所在地: 宮崎県宮崎市学園木花台西1丁目1番地
設立: 2019年4月11日
事業内容: 水産養殖業、水産に関する技術開発、サーモン種苗供給事業
主な受賞歴:
2021年 STI for SDGsアワード「科学技術振興機構理事長賞」受賞 2023年 Forbes 30 under 30 Asia 2023 選出
ウェブサイト: https://www.smolt.co.jp/

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