あらゆる場所のデータにAIを提供する唯一の企業 Cloudera 株式会社(所在地:東京都中央区、社長執行役員 山賀裕二)は、日本企業が新年度を迎え、IT戦略や事業継続計画の見直しが進むこのタイミングにおいて、障害発生時にも業務継続性を確保するための「データレジリエンス設計」の重要性について提言を発表しました。
日本企業の多くは4月始まりの年度を起点に中期経営計画や投資方針を策定・更新しており、近年はIT投資の拡大とともに、その「質」が問われる段階に入っています。単なるデジタル化やクラウド移行にとどまらず、事業停止リスクを踏まえたIT基盤の再設計や、複数環境にまたがる柔軟なデータ活用への関心が高まっており、ITはコストから経営基盤へと位置づけが変化しています。こうした中、企業には「システムを止めない」ことだけに依存するのではなく、障害発生時にも事業を継続できる設計思想が求められています。
Cloudera ソリューションズ エンジニアリング マネージャー吉田栄信は次のように述べています。「クラウドサービスや基幹システムの障害は、もはや例外的な出来事ではなくなっています。実際、ここ数年でも大規模なクラウド基盤の停止やSaaSの障害が、多くの企業活動に影響を及ぼしてきました。こういった障害は、IT活用における一つの現実を改めて突き付けています。どれほど高度に設計されたシステムであっても、ダウンタイムやサービス停止を完全に避けることはできない、という事実です。
ハードウェア障害、ソフトウェア不具合、人為的ミス、自然災害、さらには地政学リスクまで含め、ITシステムを取り巻く不確実性は年々高まっています。実際に、マイクロソフトの「Microsoft Digital Defense Report 2025」によると、日本はサイバー脅威への曝露度において、世界で7位、アジア太平洋地域では最も高い水準に位置しています。また、PwC Japanによる2025年 Cyber IQ調査によれば、ロシア、中国、北朝鮮などによるサイバー攻撃やサイバーテロを、経営層の40%が最も重要なリスクとして認識しており、これは3年連続となっています」
こうした状況下で企業に求められているのは、「障害を防ぐこと」だけではなく、「障害が起きることを前提に、いかに業務を止めないか」という視点です。その鍵となるのが、データレジリエンスを前提としたアーキテクチャ設計です。
データレジリエンスとは何か
データレジリエンスとは、データに関連する障害や不具合が発生した場合でも、その影響を最小限に抑え、迅速に復旧し、事業を継続できる組織の能力を指します。単なるバックアップや災害復旧の仕組みを意味するものではありません。
具体的には、以下の三つの観点が重要になります。
- 利用可能性(Availability):必要なときにユーザーやアプリケーションがデータへアクセスできる状態を保つこと。復旧時間目標(RTO)をいかに短縮できるかが問われます。
- 完全性・正確性(Integrity):データが破損や改ざんを受けていない状態を維持すること。復旧時点目標(RPO)を最小限に抑える設計が求められます。
- 安全性(Security):不正アクセスや紛失、盗難からデータを守るための統制とガバナンスです。
これらを継続的に満たすためには、データ基盤そのものを「止まらない前提」で設計する必要があります。
設計の核心は「単一障害点を作らない」こと
企業システムの中には、特定のクラウド、特定のリージョン、あるいは単一のデータセンターに依存した構成が採られているものもあります。このような構成では、基盤そのものに影響を及ぼす障害が発生した場合、切り替えの選択肢が限られ、それが単一障害点となり、結果として業務継続に影響が及ぶ可能性があります。障害は、ハードウェアの故障、ソフトウェアの不具合、人為的ミス、自然災害、サイバー攻撃など、さまざまな要因によって発生し、その発生場所や原因を完全に予測することはできません。
レジリエンス設計の目的は、いずれかの環境が利用できなくなった場合でも、別の環境で業務を継続できる状態を作ることにあります。クラウドのリージョン間、クラウド事業者間、さらにはオンプレミス環境への切り替えも視野に入れ、「どこでも切り替えられる」前提で設計することが重要です。
障害が発生する場所や要因を完全に予測することはできません。だからこそ、特定の場所や基盤に依存しないデータとシステムの持ち方が、事業継続性を大きく左右します。
技術だけでは不十分、鍵を握るのは「プロセス」
レジリエンスを語る際、もう一つ見落とされがちなのがプロセスの重要性です。どれほど高度な技術を導入しても、災害復旧やフェイルオーバーの計画が形骸化していては意味がありません。
災害復旧計画が一度作成されたまま、組織体制やシステム構成の変化に合わせて更新されていないケースが見られます。本当に機能する計画とは、文書化されているだけでなく、定期的に検証され、訓練や演習を通じて実行可能性が確認されているものです。
実務上は、以下のような観点が重要になります。
- ワークロードの優先順位付け 取引処理や医療データの監視など、業務停止が許されないシステムを明確にし、RTOやRPOを定義します。
- 冗長性と高可用性の確保 環境間で切り替え可能な構成を整え、障害発生時にも業務を継続できるようにします。
- バックアップとガバナンス データだけでなく、メタデータやアクセス制御、ポリシーも含めて保護対象とすることが重要です。
日本固有の環境が求める「全方位型」の備え
日本においてレジリエンスを考える際、避けて通れないのが激甚化する自然災害のリスクです。首都直下型地震や南海トラフ巨大地震などの大規模災害が予測される中、単一リージョン内での冗長化だけでは不十分であり、東西リージョンの活用や、クラウドとオンプレミスを組み合わせた真の地理的分散が不可欠です。
また、日本企業の多くが直面している「レガシーシステムの保守・運用」も、レジリエンスにおける隠れた脆弱性となっています。古いアーキテクチャでは、データの整合性を保ったままの迅速な切り替えが困難なケースが多く、これが事業継続のボトルネックとなります。さらに、「経済安全保障推進法」への対応についても、制度整備の段階は一定の区切りを迎えた一方で、引き続き企業経営における重要な前提条件であり続けており、データの所在やサプライチェーンの透明性を確保することも、現代の日本企業に求められるデータレジリエンスの重要な側面です。
地政学リスクが突き付けた現実:AM-BITSの事例
データレジリエンスの重要性は、地政学的リスクの高まりによって、より現実的な課題となっています。
ウクライナに拠点を置くITソリューション企業AM-BITSは、銀行、通信、小売業向けにシステムを提供してきましたが、地政学的な混乱を背景に、顧客企業のデータを迅速に保護・移行する必要に迫られました。
通常、オンプレミス環境からクラウドへの移行には6か月以上を要します。しかし、危機的な状況下では、多くの企業にとって、そのような時間的余裕はなく、スピードが事業継続を左右する状況でした。この事業継続の危機に対応するため、AM-BITSはClouderaを基盤とした、モダンなマルチテナント型のデータおよびAIプラットフォームを構築しました。それにより、AM-BITSは顧客のデータ資産にとっての「技術的なセーフハーバー」を迅速に提供し、データを安全にクラウドへ移行するまでの時間を50%短縮しました。
重要なのは、単にクラウドへ移行することではありません。将来的に別のクラウドへ移す、あるいは再びオンプレミスへ戻すといった選択肢を残したまま移行できる柔軟性が、事業継続の観点では大きな意味を持ちます。
障害は「想定外」ではなく「設計条件」
データに関連する障害やサービス停止は、今後も避けられないでしょう。だからこそ、企業は障害を例外的な出来事として扱うのではなく、最初から設計条件の一部として織り込む必要があります。
どこで障害が起きても業務を継続できること。データの安全性と整合性を保ったまま復旧できること。そのための技術とプロセスをどのように組み合わせるかが、これからのIT戦略において重要なテーマとなります。
データレジリエンスは、一部の先進企業だけの取り組みではありません。事業継続を真剣に考える全ての企業にとって、今後ますます重要性を増す設計思想だと言えるでしょう。
Cloudera について
Clouderaは、あらゆる場所に存在するデータにAIを提供する唯一のハイブリッドデータ&AIプラットフォーム企業として、大手企業から高い信頼を得ています。実績あるオープンソース基盤を活用し、パブリッククラウド、データセンター、エッジを統合する一貫したクラウド体験を提供します。ビッグデータのパイオニアとして、Clouderaは企業があらゆる形態のデータを100%活用し、AIを適用するとともに制御できるよう支援します。これにより、統合されたセキュリティとガバナンス、そしてリアルタイムの予測的インサイトを提供します。世界中のあらゆる業界の大手組織が、意思決定の高度化、収益性の向上、脅威への対策、そして人命の保護のために、Clouderaを活用しています。
詳細については、 ホームページをご参照、 Facebook および X をフォローください。Clouderaおよび関連するマークは、Cloudera Inc.の商標または登録商標です。その他の企業名および製品名は、それぞれの所有者の商標である可能性があります。