“Pets always come first”を理念に掲げるペッツファーストホールディングス株式会社(本社:東京都目⿊区、代表︓正宗 伸麻)は、傘下のペットショップ「Pʼs-first」の 2024年11月度における流通過程の重要指標をご報告いたします。
■2024年11月度の流通過程における重要数値の結果報告
2024 年11月1日から11月30日までにペッツファーストグループが取り扱ったペット、すなわち契約ブリーダーから引き受けたペットの頭数が1,564頭、Pʼs-firstでのご契約数は1,573頭、里親譲渡数が23頭、ご解約数が10頭です。
一方、病気や疾患などが発見され、当社内メディカルセンターやペッツファースト動物病院内等で治療を施したものの、残念ながら発生した死亡事故数は11頭、店舗内等においての死亡事故数は3頭、ペットケア&アダプションセンター日光内での死亡事故数は0頭でした。全体の死亡事故数は14頭、死亡率として0.89%でした。
2024年11月末時点においてペットケア&アダプションセンター日光には48頭が生活し、主に治療を終えた、または回復期にある46頭が里親を募集中であり、1頭は治療中、1頭は終生飼養を行う予定です。
2024年11月度において、ペッツファーストグループで取り扱ったペットのうち、いわゆる売れ残りや行き先が分からないペットは一頭も存在しません。
■2024年11月度におけるペットの死亡事故と対策
2024年11月の死亡事故数は14頭(前月比-1頭)、死亡率は0.89%(前月比-0.15%)でした。なお、死亡原因の内訳は、低血糖4頭、消化器疾患4頭、呼吸器疾患2頭、水頭症など、その他の原因による死亡が4頭でした。*1
ペッツファーストグループは経営理念に沿い、“ペットの死亡事故ゼロ”を目指して当社獣医師を中心に「死亡事故ゼロプロジェクト」を社内で運営し、社内の病気の発生や死亡原因を獣医学に基づき分析して再発防止に向けての対策を講じています。
11月度は、10月度と比較し、死亡率は改善する結果となりました。しかしながら、気温の低下も伴い、低血糖による死亡事例が認められました。特に体格の小さなペットは店舗への移動や環境の変化による食欲不振等が原因で低血糖を起こしやすいことから、獣医師による健康チェックを確実に実施するとともに、店舗における低血糖に対する緊急対応についても再度周知を行うこととしました。
本格的な冬の到来に伴いペットが体調を崩しやすい時期となります。消毒、温湿度管理など基本に立ち返り、「死亡事故ゼロ」に向けて改善を積み重ねてまいります。
■ペットの心身の健康を守るための取り組み「生後60日齢以上への取引基準引き上げ」~2024年11月度の進捗報告~
ペットの心身の健康を守ることを目的として、またペット業界の日齢偽装問題へ対する対策として、当社で取引するペットの取引日齢を、来年2 月末までに法令で定められた生後57日齢以上から 60 日齢以上へ段階的に引き上げることを 本年4月23日のニュースレターで発表しました。*2
当社取引内における生後60日齢以上の割合は、取り組み開始以前の本年3月度時点では15.9%であったのに対し、11月度は96.9%へ大きく増加し、100%に近い数字となりました。
今後もこの取り組みを続け、2025年2月末までには、子犬猫ともに生後60日齢以上の取引割合を100%とする予定です。
なお、取引日齢基準を当社が自主的に引き上げる理由や、健康管理とコンプライアンス徹底のための体制については、本年9月7日のニュースレターで詳細をご覧いただけます。*3
*2:2024年4月23日発行ニュースリリース
ペット販売の生後8週齢(56日齢)規制に対する私たちの考え方~生後60日齢での取引基準への引き上げに関するお知らせ~
*3:2024年9月7日発行ニュースリリース
ペット業界におけるペットオークションやブリーダーなどの日齢偽装問題への対策~「生後 60 日齢以上への取引基準引き上げ」に関する進捗報告 2024年6月度~
■マンスリーペットレポート内「ショップ」に関する詳細紹介
より当社のマンスリーペットレポートについてご理解いただくために、数値や拠点の一部を深掘りしてご紹介しています。今回は、『ショップ(店舗)』について当社における役割を説明します。
私たちは、"Pets always come first"を理念に、ペットショップを運営し、これまで毎年2万人以上、創業以来40万人以上のお客様へ「ペットと共に暮らす幸せ」を提供してきました。その根幹となるのが、全国に70店舗以上ある各店舗です。P’s-firstの店舗では健康管理や衛生管理を最優先に、そして、家族としてお迎えいただいてからもペットとお客様が安心してスムーズに生活に馴染めるよう、様々な取り組みを行っています。
1. 管理スタッフ・獣医師による健康管理
基本的な健康管理として、1時間に1回、店内各所に置かれている温湿度計をチェックすることにより、適正な温湿度の管理を徹底することや常にルームを清潔に保つことで、店舗においてもペットが健康で快適に過ごせるよう意識しています。
また、P’s-firstの各店舗には、ペットの健康管理を専門で行う「管理スタッフ」が在籍しています。管理スタッフは獣医師監修の研修を受けた上で、店舗にいるペット1頭1頭の体調管理や食事量の調整、温湿度管理など を行います。子犬・子猫が安心して快適に毎日を過ごし、健やかに成長できるよう、ペットの状態をよく観察し、大切な生命を守っています。
そして、管理スタッフがペットの体調がすぐれないと判断した場合には、店舗を巡回し、週に一度健康チェックやワクチン接種などを実施している巡回獣医師や近隣のペッツファースト動物病院はじめとする提携の動物病院の獣医師へ相談し、動物病院の受診につなげます。各店舗における管理スタッフと獣医師が連携することで、急な体調変化や治療を要する場合でも、ペットの健康を守ることができる体制を整えています。
2. ペットの社会化の促進
一般に、犬では生後3週齢~12週齢頃、猫では生後2週齢~16週齢頃が「社会化期」と呼ばれ、この時期は犬や猫が様々な刺激に慣れやすい、非常に重要な時期です。この時期に人や他の犬や猫をはじめとする動物、見慣れないもの、聞き慣れない音など、様々なものと積極的に接触させることで、これらに対し恐怖やストレスを感じずに生活することのできる社会性を身につけることができます。
新しいご家族との出会いを待ち、各店舗で過ごす時期はちょうどこのペットの社会化期にあたるため、ゆとりあるルームで2頭以上の集団生活をすることや、店内で定期的に生活音BGMをかけること、爪切りなどのお手入れを定期的に行うことなど店舗においても様々な経験を積むことにより、社会性をはぐくみ、外の世界への順応能力を身に着けられるよう取り組んでいます。
また、2024年10月より開始した日本獣医生命科学大学の田中亜紀特任教授監修の従業員向け社内資格制度である「獣医師監修ペッツファースト社会化トレーナー」*4の資格を店舗スタッフも取得しており、社会化に対する正しい知識を身に着け、より一層の社会化促進につなげる取り組みを各店舗で実施しています。無駄吠えや噛み癖といった問題行動の一部はペットの社会化の不足が原因とも言われており、こういった社会化の促進は、問題行動を起因とする飼育放棄を減らし、終生飼養を促すことにもつながると考えております。
*4: 2024年12月18日発行ニュースリリース
獣医師監修 社内資格制度「ペッツファースト社会化トレーナー」の導入について~子犬・子猫の社会化のために~
3. ペットと飼い主様の絆をつなぐ役割
ペッツファーストには、不安を抱えながら初めてペットを迎えることを検討されている方、2頭目、3頭目の多頭飼いを考えられている方、様々な想いを抱えたお客様がご来店されます。店舗スタッフは、どんな場面でもペットを愛するお客様に寄り添い、「ペットがいる生活」における感動とやすらぎに共感し続けます。
一方、安易な気持ちでの飼育はお客様とペットを不幸にすることにもつながるため、お迎え自体をお断りさせていただくこともあり、いかなる場合でも、終生飼養を条件としてペットを販売しています。かわいいだけではなく生き物を飼う責任を十分にご理解いただくことも、店舗スタッフ、そしてペッツファーストの大切な役割であると考えます。
実際に接客を行う店舗スタッフは、お客様に対し、ペットと暮らす喜びだけでなく、お世話にかかる時間や費用、個性によって吠える・噛むこともあるといったことについて十分に説明をしています。また、契約時には「ペットとの10の気持ち」*5をご一読いただき、ペットと暮らす上で手間ひまがかかることもご理解いただきます。
さらに、契約時には「ペッツファーストとの7つの約束」*6を通じて、約2時間半もの時間をかけて終生飼養や適性飼育の意思を確認します。一つでも7つの約束に同意いただけない場合にはペットの引き渡しをお断りしております。また、お客様に冷静にペット購入の最終判断をしていただくためにも、意識的に長時間の接客と契約時間を設けております。
こういった内容をお客様にお話しさせていただくにあたり、店舗スタッフは事前に本社教育部門からペットの特性やその暮らし方などに対する十分な研修を受けた上で、現場で接客にあたっております。
こういった取り組みを通じて、11月度は終生飼養をお約束いただいた1,573組のお客様に、ペットをお迎えいただきました。なお、内訳はワンちゃん1,164頭、ネコちゃん409頭です。
ペッツファーストの各店舗では健康・衛生管理を徹底しペットの死亡事故ゼロを目指すともに、ペット社会化の促進など“Pets always come first”のためにできることをこれからも実践し、ペットとお客様のかえがえのない出会いを繋いで参ります。
*5:ペットの10の気持ち
*6:ペッツファーストとの7つの約束
■2024年11月度のペットの治療と、回復したペットの行方
死亡事故ゼロの実現には、疾病の予防だけでなく、疾病を患ってしまったペットの命を獣医療によって救うことも不可欠です。そのような場合、当グループでは、ウェルネス管理センターとペッツファースト動物病院で治療を行い、11月度には25頭のペットの健康が回復いたしました。治療後に回復したペットの一例を下記にご紹介します。
【FVR(猫ウイルス性鼻気管炎)/福岡ウェルネス管理センターにて治療】
福岡ウェルネス管理センター 坂井 綾 獣医師
自発乾咳、鼻づまり、開口呼吸が見られたため、レントゲン撮影し、肺炎にはなっていなかったものの開口呼吸により胃拡張を起こしていました。
鼻づまりがひどく自力採食できていなかったため、ICUにて静脈点滴開始、抗生物質、インターフェロンで治療を開始しました。
次の日くらいから苦しそうにしながらも自力採食できるようになり、治療が奏効して呼吸器症状も徐々に改善していきました。
現在は店舗にて新しいご家族との出会いを待っています。初日はかなり呼吸も苦しそうだったので、ご飯を食べてくれた時は安堵致しました。
甘えん坊さんだったので可愛がってくださるご家族が早く見つかることを願っております。
入院中のネヴァマスカレード。現在は店舗にて新しいご家族との出会いを待っています。
当グループでは病気の予防と獣医療によってペットの命を守り、私たちが受け入れたすべてのペットの家族を見つけて幸せなペットライフを送れるよう、今後も改善を続けてまいります。同時に、情報を開示し続けることによって、あるべき健全なペットショップ運営を行います。
■会社案内
【会社名】ペッツファーストホールディングス株式会社
【所在地】〒153-0063東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル9F
【資本金】1億円
【代表者】代表取締役社長CEO 正宗伸麻
【従業員数】1,223名(うち獣医師69名 愛玩動物看護師58名※業務委託含む)2024年11月末時点
●公益財団法人日本補助犬協会と連携し13頭の聴導犬と1頭の介助犬を育成しユーザーへ提供
●動物病院URL(https://pfirst-ah.jp/)
●ニュースレターアーカイブページ(https://www.pfirst.jp/newsletter.html)
<本掲載関連記事>
・vol.1 ペットの命を守るための取り組み~売れ残ったペットはどうなるのか
・vol.3 ペッツファースト初の医療センター「ペッツファースト動物病院 代官山高度医療センター」を開院
・vol.4 「ペッツファースト動物病院 福岡大野城医院」開院~なぜ動物病院を拡大するのか~
・vol.5 第1回譲渡会を開催~なぜペットケア&アダプションセンター日光を開業したのか~
・vol.6 私たち動物病院グループの高度医療への取り組み
・vol.7 日本獣医生命科学大学との猫の難病FIPの共同研究の取り組み~不治の病を治る病気へ~
・vol.8 ペットの遺伝子病対策の取り組み~重篤な遺伝子病で苦しむペットを生み出さないために~
・vol.9 2023年マンスリーペットレポ―ト総括~売れ残りを一頭も出さない、病気や死亡事故根絶のための取り組み~
・vol.10ペット販売の生後8週齢(56日齢)規制に対する私たちの考え方~生後60日齢での取引基準への引き上げに関するお知らせ~
・vol.11ペット業界におけるペットオークションやブリーダーなどの日齢偽装問題への対策~「生後60日齢以上への取引基準引き上げ」に関する進捗報告~
・vol.12 すべてのペットが幸せな生涯を送るための取り組み~いわゆる衝動買いや飼い主を失うペットをゼロにするために~
・vol.14 ペッツファースト動物病院「FIP予防検診」開始のお知らせ~不治の病から治る病気へ、そして予防できる病気を目指す~
・vol.15 獣医師監修 社内資格制度「ペッツファースト社会化トレーナー」の導入について~子犬・子猫の社会化のために~
●マンスリーペットレポート (https://www.pfirst.jp/protected_monthlyreport.html)
■お問い合わせ先
【本掲載内容について】
ペッツファースト株式会社 広報部
電話番号 03-6417-3503/E-mail pr@pfirst.jp
担当者 粕谷・西河・小野