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公益財団法人 東京財団

東京財団による政策提言「13兆円の宝の山」を経済産業省 赤澤亮正大臣に手交

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“第2のレアアース危機”を乗り越える「国産資源戦略」を提言 循環経済で都市鉱山を掘り起こし、「強い経済」へ!

公益財団法人東京財団(東京都港区、理事長:中林美恵子)は、3月31日(火)に、経済産業省にて、政策提言「13兆円の宝の山―積極活用への提言」を赤澤亮正経済産業大臣に手交しました。
本提言は、国富の流出を防ぎ「強い経済」につながる新たな成長基盤づくりを目指し、レアアースの需給不安定化による「第2のレアアース危機」などに象徴される資源リスクを見据え、国内に蓄積された廃棄物(都市鉱山)を「宝の山」の国産資源として活用する循環経済(サーキュラーエコノミー)を起点とした「国産資源戦略」を提案するものです。さらに、鉱物資源関係だけでなく化石燃料の輸入も含めた資源の海外依存による国富の流出は莫大な額にのぼることから、あらゆる国産資源を物理的、経済的に循環活用する“日本流”サーキュラーエコノミーによる資源・エネルギー循環型社会を構築する必要性を示した政策提言「38兆円の宝の山―積極活用への提言」も併せて手交しました。

「13兆円の宝の山―積極活用への提言」はこちら
「38兆円の宝の山―積極活用への提言」はこちら


左から、東京財団・中林 美恵子理事長、赤澤亮正経済産業大臣、東京財団・平沼 光主席研究員

経済安全保障の観点から「国産資源戦略」の政策提言を赤澤経済産業大臣に手交
当財団では、人口減少下における新しい社会システムへの転換を実現する「資源エネルギー循環型社会の構築」を研究テーマの一つとして、データに基づいた合理的かつ現実的な解決策を研究しています。    

本研究では、日本の都市鉱山や海洋資源、再生可能エネルギー、そして優れた日本の技術などを日本の豊富な国産資源と捉え、「あらゆる国産資源を循環活用する“日本流”サーキュラーエコノミーの構築で人口減少問題、経済安全保障問題、気候変動問題へ対処せよ」と訴え、資源・エネルギーの自給率向上による日本列島の国産資源化構想を示しています。

今回の提言では、第2次トランプ政権下で繰り広げられている米中貿易戦争において中国がレアアースを再び外交カードとして切るなど、鉱物資源調達における経済安全保障上のリスクがあらためて認識されたこと、そして2024年の鉱物資源関係の原料品と原料別製品の輸入では、約13兆円[1]にのぼる国富が国外に流出していることを問題視し、国産資源である都市鉱山の本格活用に向けて提言を行ったものです。

手交した中林理事長は、本政策提言について、民間・非営利・独立のシンクタンクとして長期的な視野と自由な発想で研究に取り組んだ成果であり、「資源・エネルギー循環型社会」の具体像と施策を示していることを説明しました。提言書を受け取った赤澤経済産業大臣は、「国産資源を活用することは循環経済の面でも重要であると考えており、いただいた提言を成長戦略及び骨太の方針に入れるよう努める」と述べました。

続いて、政策提言をまとめた平沼光主席研究員が赤澤大臣に説明を行い、鉱物資源関係の輸入による約13兆円の国富の流出状況とともに、都市鉱山などの国産資源を優先して活用する「国産資源活用基本法」の策定など、特に必要となる具体的施策を示し、この流出を早急に食い止めるよう大臣に訴えました。

さらに、鉱物資源関係だけでなく化石燃料の輸入も含めた資源の海外依存による国富の流出は約38兆円(2024年)[2]にのぼることから、都市鉱山だけでなく、海洋資源、再生可能エネルギー、技術資源などあらゆる国産資源を「宝の山」として物理的、経済的に循環活用する“日本流”サーキュラーエコノミーによる資源・エネルギー循環型社会を構築する必要性も進言しました。

[1] 財務省貿易統計「令和6年分」(原料品:非鉄金属鉱及び鉄鋼、原料別製品:木製品等(除家具)を除く)
[2] 財務省貿易統計「令和6年分」(鉱物性燃料及び原料品:非鉄金属鉱及び鉄鋼、原料別製品:木製品等(除家具)を除く)

政策提言「13兆円の宝の山―積極活用への提言 ~レアメタル等の原料輸入による国富流出をサーキュラーエコノミーの構築で防げ~」

- 人口減少による労働力不足が経済にマイナスの影響を及ぼすことが懸念されている中、持続可能な社会を構築するためには、労働生産性のさらなる向上だけでなく、資源・エネルギーの自給率向上による交易条件の改善が必須となる。これまで日本は自らを「資源に乏しい国」として多くの資源を海外からの輸入に依存してきたことで、莫大な額の国富が国外に流出しているという不利な交易条件が実質賃金停滞の大きな要因の一つとなっている。
- 国富の流出を縮減し実質賃金の底上げを図るためには、輸入資源に依存した従来の社会システムを改め、海外の資源に依存することなく国産資源を積極活用し、高付加価値化を徹底した製品やサービスを投入することで成長するという新しい社会システムへの転換が必要となる。
- 輸入資源への依存は実質賃金の伸びを停滞させる要因の一つとなるだけでなく、国際情勢の不安定化による化石燃料の価格高騰や中国のレアアース輸出規制などの資源ナショナリズムによる資源途絶など、経済安全保障上のリスクにもなる。
- 特に、第2次トランプ政権下で繰り広げられている米中貿易戦争において中国がレアアースを再び外交カードとして切ってきたことで、鉱物資源調達における輸入依存が経済安全保障上の深刻なリスクとなることがあらためて浮き彫りになった。
- さらに、所得向上策として注目されている食料品の消費税ゼロには年5兆円の財源が必要とされているなど、日本は今、いかにしてさまざまな財源となる資金を確保していくかという問題に直面している中、2024年の鉱物資源関係の原料品と原料別製品の輸入では、約13兆円もの国富が国外に流出していることから、鉱物資源の輸入依存解消は喫緊の課題として取り組むべきものとなっている。
- 自らを「資源に乏しい国」としてきた日本だが、足元に目を向ければ廃棄された電子機器など、貴重な鉱物を含んだ莫大な量の廃棄物が国産資源となる都市鉱山として蓄積されている。
- 一方で、国産資源となる都市鉱山の活用状況を見ると、資源循環に関する各種の法制度は整備されているものの、E-waste(電気電子機器廃棄物)やプラスチック廃棄物などのリサイクル率は約20%にとどまっており、せっかくの国産資源が十分に活用されていない状況にある。
- こうした状況を問題視し、本提言では人口減少下でも持続可能な新しい社会システムの構築を目指し、国産資源である豊富な都市鉱山を積極活用することで、流出していた13兆円の国富を国内に還流させ「宝の山」とすることを提言するとともに、そのために特に必要となる具体的な施策として以下3つの提言を行う。

■日本の国産資源を優先して活用する「国産資源活用基本法」を策定せよ
資源循環に関する法制度はさまざま整備されているが、各種のリサイクル率は約20%にとどまっている(リサイクル資源を活用するインセンティブに乏しく市場からバージン資源を調達しがち)。
2010年のレアアースショック時には、レアアースのリサイクル促進という政策方針が掲げられたが、現在に至るまで十分なリサイクルは実現されなかった。
また、現行法はリサイクル資源を必ずしも優先的に活用することを定めておらず、対象も廃棄物のみで、その他の国産資源の活用を促すものではないことから、廃棄物を含め、国産資源を優先的に活用することを明示した上位の法として「国産資源活用基本法」を策定することが必要。
■日本版メガリサイクラーを創設せよ
国産資源の循環活用(サーキュラーエコノミー)を実践するには中心となる担い手が必要。
欧州ではメガリサイクラーと呼ばれる大規模な廃棄物処理会社が担い手として中心的な役割を果たしていることから、日本の状況に即した日本版メガリサイクラーを創設すべき。
■サーキュラーエコノミーに経済合理性を与えるカーボンプライシングを導入せよ
リサイクル資源はTCFD Scope3における原材料部門の脱炭素化に欠かせない。また、サーキュラーエコノミーによる資源循環は脱炭素化の施策になることから、欧州をはじめとする各国ではカーボンプライシングがサーキュラーエコノミーに経済合理性を与える一つの施策となっている。先ごろ日本でも炭素価格の上限・下限の価格見通しが示されたが、まだ欧州との差があるため日本も欧州並みの価格設定にして競争力を高めることが必要である。

“日本流”サーキュラーエコノミーによる資源・エネルギー循環型社会の必要性

- 鉱物資源関係だけでなく化石燃料の輸入も含めた資源の海外依存による国富の流出は約38兆円(2024年)にのぼることから、国産資源を“宝の山”と位置付けた政策の必要性を伝え、都市鉱山や海洋資源、再生可能エネルギー、技術資源などあらゆる国産資源を物理的、経済的に循環活用する“日本流”サーキュラーエコノミーによる資源・エネルギー循環型社会を構築する必要性を進言。
- “日本の地盤”として国産資源を優先して活用する「国産資源活用基本法」を策定するとともに、電気自動車(EV)やリチウムイオンバッテリー、光電融合技術など、日本発といえるさまざまな優れた技術資源を“日本の土台”とし、都市鉱山からのリサイクル資源だけでなく、洋上風力や海底鉱物資源、さらには日本の文化・コンテンツなども含め、あらゆる国産資源を“日本の柱”として積極活用する。
- あらゆる国産資源を積極活用することで、資源の海外依存による国富の流出を防ぎ、人口減少下でも実質賃金の向上に寄与するとともに、資源の供給途絶という経済安全保障上のリスクに対応し、さらには気候変動問題へも対処する新しい社会システム(グランドビジョン)を構築する。

「13兆円の宝の山―積極活用への提言」はこちら
「38兆円の宝の山―積極活用への提言」はこちら
公益財団法人東京財団 理事長 中林美恵子(なかばやし・みえこ)

大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程修了、博士(国際公共政策)。米国ワシントン州立大学大学院政治学部修士課程修了、修士(政治学)。1992年米国永住権取得後、連邦議会上院予算委員会に正規採用され約10年間勤務。在米14年を経て2002年に帰国。大学の教職や政府審議員、衆議院議員(2009年~2012年)などを経て、現職。早稲田大学教授を兼ねる。著書に『アメリカの今を知れば、日本と世界が見える―混迷が告げる時代大転換の予兆―』東京書籍(2025)など多数。

公益財団法人東京財団 主席研究員 平沼 光(ひらぬま・ひかる)

早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。日産自動車株式会社勤務を経て、2000年より当財団勤務。日本学術会議東日本大震災復興支援委員会エネルギー供給問題検討分科会委員、福島県再生可能エネルギー導入推進連絡会系統連系専門部会委員、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 低炭素社会戦略センター特任研究員等を歴任。著書に『サーキュラーエコノミーの地政学』(日経BP・日本経済新聞出版)、『資源争奪の世界史』(日本経済新聞出版)、編著に『異次元エネルギーショック 2050年への日本生き残り戦略』(日本経済新聞出版)ほか多数あり。
<研究分野・主な関心領域>資源エネルギー問題/環境
<研究プロジェクト>資源エネルギー循環型社会の構築

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◇◆東京財団 (英語名称 The Tokyo Foundation)について◆◇東京財団は、1997年に設立された民間・非営利・独立の政策シンクタンクです。長期的な視野に立ち、自由な発想でさまざまな問題について、調査、研究、政策提言を行うとともに、広い視野をもって社会に貢献する人材の育成を図ることで、日本ならびに世界の発展に寄与することを目的として活動しています。
政策研究事業では、社会課題を科学的に分析し、解決策を示し、その実現に向けた道筋を描くべく、政策立案者や企業、市民社会などと連携し、具体的な社会的変革を起こすことを目指しています。そのためにも、データに基づいた分析と、戦略的な政策対話を組み合わせ、日本社会の持続的発展のための知的基盤を築いてまいります。
また、人材育成事業では、世界44カ国に広がる奨学金プログラム、日本語教育支援、日本理解を深める書籍寄贈を通じ、国際的な視野を持つリーダーを育成しています。

所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門1丁目15番16号 笹川平和財団ビル5階
URL: https://www.tkfd.or.jp/ 

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