ADFなど反政府武装グループが活発化
武装勢力による混迷が続くコンゴ民主共和国で、10月に入って民間人を襲う事件があちこちで起きている。複数の市民団体の報告によると、東部の都市ベニやその周辺の村々において、1カ月間で100人以上が殺害され、27人が重傷を負い、10人が誘拐されている。財産の破壊や略奪も起きているとのことだ。襲っているのは、おもに民主同盟軍ADFだ。国連の平和維持部隊とコンゴ当局は、この違法行為に断固とした措置をとらなければならない。
ADFなどの武装勢力によるベニ地域での民間人襲撃は、国連の平和維持部隊(国連コンゴ民安定化ミッション・MONUSCO)の支援を受けてコンゴ当局が今年1月に開始した軍事作戦に関係していると考えられる。反政府勢力は、この軍事作戦(リンガラ語で浄化作戦という名がつけられている)によって拠点である森から追い出されたが、再び結集し、市民を恣意的に殺害・誘拐する攻撃に打って出ているようだ。
直近では10月30日の夜、ベニから75キロほど離れた村で、ADFの襲撃があった。この事件で18人の民間人が殺害され、7人が重傷を負ったと伝えられる。
10月17日にはベニ地域の別の村が襲われ、少なくとも21人が殺され、6人が誘拐された。それ以前の襲撃でけがを負った人も2人亡くなった。伝えられるところによると、ADFによる同様の攻撃は、他の村々でも行われている模様だ。
ADFをはじめとする武装勢力は、市民に対するこうした違法な襲撃を中止すべきであり、コンゴ当局と国連平和維持部隊は、危険にさらされている市民を守るために、迅速な行動をとる必要がある。襲撃の急増は警鐘であり、あらゆる手立てを講じて阻止しなくてはならない。
同時にADFの指導者たちに対し、市民への攻撃は国際人道法の重大な違反であり、メンバーが犯した人権侵害の責を負うのは、彼ら指導者なのだという明確なメッセージを発信することも重要だ。
アムネスティは、アムネスティはADFとコンゴ軍の双方に国際人道法を遵守するよう要請する。また、MONUSCOを含め3者に、市民の保護を徹底するよう求める。
写真(C)AFP/Getty Images