国際標準に基づく建設DX推進をさらに強化
株式会社Arent(本社:東京都港区、代表取締役社長:鴨林 広軌、以下「Arent」)は、このたび、建築・土木分野におけるBIM標準化およびIFC普及を推進する一般社団法人 buildingSMART Japan(以下「bSJ」)へ加盟しましたので、お知らせいたします。
bSJは、世界的な標準化組織である buildingSMART International の日本支部として、BIMデータ標準(IFC)の整備・普及、行政機関との連携による政策支援、産学官によるワーキンググループ活動など、国内における建設DX推進の基盤整備を担う団体です。

■ 加盟の背景
Arentは、国際的に利用されているBIMの共通仕様であるIFCの次期バージョン「IFC5.0」の動向を踏まえ、将来の国際標準に対応したプロダクト開発を一層強化してまいります。
従来のIFCが「1つの大きなファイルを交換する」方式だったのに対し、IFC5.0では「必要な情報を分割し、部分的に更新する」データ構造が議論されています。これにより、ソフトウェア間のデータ連携の効率化が期待されています。
Arentは、この新しい思想を早期に取り入れ、設計・施工・維持管理など複数のアプリケーションが共通データを活用しながら連動できる基盤づくりを進めています。今後は自社プロダクトの連携強化に加え、パートナー企業や外部ツールとの接続性をさらに高め、建設プロジェクト全体でのデータ活用を拡大してまいります。
また、国土交通省では、PDF図面とIFCモデルを併用した建築確認の仕組み導入が検討されており※1、標準に基づくデータ活用の重要性は今後一層高まります。Arentは制度対応と国際標準の対応強化を両軸で進めてまいります。
※1 BIM図面審査の概要(国土交通省):
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001757621.pdf
■「IFC5.0」と「アプリ連携型」について
IFC(Industry Foundation Classes)は、異なるソフトウェア間のBIMデータを交換するための国際標準フォーマットです。次期仕様である「IFC5.0」では従来の「重いファイルを丸ごと交換」から、「必要な情報だけを分割して扱う」情報連携型のデータ流通へ向けた議論が進んでいます。この新しい仕様は、アプリ間でのデータ連携を前提とするArentの提供価値とも高い親和性があります。
< 従来の課題(IFC4.0以前)>
モデル全体のフルエクスポート前提による更新負荷
一部分変更でもファイル全体の再生成・交換が必要
“ファイルベース”運用による自動化・API連携の制約
<IFC5.0で期待される改善(次期仕様の技術的方向性)>
必要情報のみの”差分交換”に向けた検討
API前提のアプリ間データ連携の強化
設計・積算・工程・維持管理情報など各種ワークフロー効率化
<Arentの「アプリ連携型」との親和性>
Arentが掲げる「アプリ連携型」※2の設計思想と、IFC5.0 で議論されている“情報連携型”の方向性と高い整合性を持ち、国際標準に準拠したプロダクト連携をより強力に後押しします。
※2アプリ連携型:
業務別に最適化された複数のアプリ/SaaSをAPIで接続し、システム間でデータと機能を相互に共有・活用できるようにする仕組み。
■ 今後の取り組みと展望
Arentは、bSJの活動を通じて国際標準および国内BIM施策の動向を的確に把握しつつ、「自動化」や「AI連携」とOpenBIMを組み合わせたプロダクト開発を一層強化してまいります。
また、bSJを通じて国交省の建築BIM推進会議等に関する情報をタイムリーに把握し、制度設計・ガイドライン改定を踏まえた、標準準拠型の技術開発と実務支援を推進します。
2026年春には、BIM建築確認プロセス(PDF+IFC提出)の導入が検討されており、入出力基準・チェックリスト・CDE運用など、制度対応が求められる領域は拡大しています。Arentは、設計データ・申請情報・積算・工程といった業務データをOpenBIM基盤で連携させ、クライアント企業に対し制度に準拠したプロダクトと実務支援を提供してまいります。
■buildingSMART Japan(bSJ)について
buildingSMART International の日本支部として活動する一般社団法人です。
BIMデータ標準(IFC)の普及、BIMガイドラインの策定支援、行政・企業・学術機関の連携による標準化プロジェクトの推進などを行っています。
国内におけるBIM/CIM推進の中心的な役割を担っています。
https://www.building-smart.or.jp/
株式会社Arentについて
「暗黙知を民主化する」をミッションに、建設業界のDXを推進する企業です。
クライアント企業と共に課題解決に取り組む「DX事業」と、自社SaaSを展開する「プロダクト事業」の二軸で事業を展開しています。
BIMを誰でも直感的に扱えるように設計されたRevit向けプラグイン群「Lightning BIM」シリーズをはじめ、近年はM&Aを通じてM&A を通じて6社・7製品シリーズをグループに加えるなど、建設業界が抱える構造的な課題をテクノロジーの力で解決しています。
【会社概要】
- 会社名:株式会社Arent
- 所在地:東京都港区浜松町2-7-19 KDX浜松町ビル3階
- 代表者:代表取締役社長 鴨林広軌
- 設立:2012年7月2日
- 資本金:8億75百万円
- 事業内容:建設・プラント業界向けDX支援、システム開発・販売
- Webサイト:https://arent.co.jp/
- 問合せ先:info@arent3d.com