いびきの原因を「日中の疲れ」と捉える保護者が最多。“見過ごされがちな子どもの睡眠課題”に関する実態調査
大人のいびきについては健康リスクとして広く認知されていますが、子ども場合「ぐっすり寝ている」「今日はいっぱい遊んで疲れているんだな」と、いびきに潜むリスクを見過ごされがちです。一般社団法人 いびき無呼吸改善協会は、未就学児~高校生の子どもを持つ全国の保護者200名を対象に「子どものいびきに関する保護者の実態調査」を実施しました。その結果、半数以上の子どもがいびきをかいている一方で、いびきがもたらす成長や日中の集中力への影響について、多くの保護者が十分に認識していない実態が浮き彫りになりました。保護者のリアルな声と対応状況から、「子どものいびきは見過ごしてよいのか」という気づきと、家庭での正しい向き合い方のヒントを提示します。
調査背景
子どものいびきの背景には、鼻づまりやアレルギー、アデノイド(咽頭扁桃)の肥大などが隠れているケースが少なくありません。睡眠中の呼吸が妨げられると、睡眠の質が低下し、日中の集中力不足、落ち着きのなさ、さらには成長ホルモンの分泌や情緒面にも影響を及ぼす可能性があると言われています。特に、梅雨から夏にかけては、アレルギー性鼻炎や冷房による鼻づまりなどで、子どものいびきが悪化しやすい時季でもあります。こうした背景から、「保護者がわが子のいびきをどのように捉え、どう対応しているのか」を可視化し、正しい知識に基づいた家族の理解を促進するために本調査を実施しました。
調査サマリー
- 子どもが「ほぼ毎晩」「ときどき」いびきをかく割合は合わせて66.5%
- いびきの原因を「日中の疲れ(38.5%)」「一時的な風邪など(22.0%)」とする傾向が多数
- いびきが「睡眠の質や成長・集中力に影響する」ことを「知らなかった」保護者が43.5%
- 睡眠中の気になる様子は「いびき」以上に「口を開けて寝ている(20.9%)」が最多
- 今後の対応は「まず家庭でできる工夫を試したい(31.5%)」「様子を見守りたい(23.5%)」が上位を占め、医療機関への相談ハードルが高い現状
詳細データ
Q1:お子さまは睡眠中にいびきをかくことはありますか?

- ときどきかく程度:59.0%
- ほとんどない:24.0%
- ほぼ毎晩かいている:7.5%
- まったくない:7.5%
- わからない・気にしたことがない:2.0%
→ 「ときどきかく程度」「ほぼ毎晩かいている」を合わせると約7割にのぼり、子どものいびきは決して珍しいものではなく、多くの家庭で日常的に起きている現象であることがわかります。
Q2:お子さまのいびきや睡眠中の様子で、気になることはありますか?

- 口を開けて寝ている:20.9%
- 寝相が悪い:15.7%
- いびきをかく:12.6%
- 朝なかなか起きられない:8.3%
- 鼻がつまっている:8.3%
- その他:34.2%(寝汗が多い:7.6%、何度も寝返りをうつ:6.4%、寝言をいう:6.4% など)
→ 「いびき」そのものよりも、「口呼吸」や「寝相の悪さ」を気にする声が多く集まりました。実はこれらは、気道が狭くなっているため無意識に呼吸を楽にしようとするサインである可能性があり、いびきと密接に関連している動作です。
Q3:お子さまのいびきをどのように捉えていますか?

- 日中の疲れが出ている:38.5%
- 鼻づまりや風邪による一時的なもの:22.0%
- 特に考えたことがない:14.0%
- 健康上の問題かもしれないと心配:11.0%
- 体質・成長過程のもの:8.5%
- ぐっすり寝ている証拠:6.0%
→ 約6割の保護者が「疲れ」や「一時的なもの」と捉えており、「ぐっすり寝ている証拠」という好意的な意見も含めると、いびきに対して楽観的な見方が大半を占めています。「健康上の問題」と懸念している層はわずか1割にとどまりました。
Q4:「子どものいびきが睡眠の質や成長・集中力に影響することがある」と知っていましたか?

- 知らなかった:43.5%
- 聞いたことはあった:40.0%
- 知っていた:14.0%
- 詳しく知っていた:2.5%
→ 「詳しく知っていた」「知っていた」と明確に認識している保護者は2割未満でした。いびきが単なる「音」の問題ではなく、子どもの心身の成長や日中のパフォーマンスに直結し得るという事実が、まだ広く知られていない実態が明らかになりました。
Q5:お子さまのいびきや睡眠の改善策として、これまでに実践したことはありますか?

- 特に気にしていない:15.3%
- 横向き寝や枕など寝る環境を工夫した:14.6%
- 気になったが特に何もしていない:14.2%
- 吸引など鼻づまりのケアをした:12.2%
- 寝室の温度や湿度を改善した:11.5%
- その他:32.2%(寝る前の生活習慣を見直した:9.8%、寝具を清潔に保つようにした:9.8%、アレルギーの薬を服用した:8.5% など)
→ 「特に気にしていない」「気になったが何もしていない」という“様子見・無対応”の層が約3割を占めました。対策を行っている家庭でも、寝具の工夫や室温調整など、家庭内で手軽にできる環境改善にとどまるケースが多いようです。
Q6:今後、お子さまのいびきや睡眠について、どう対応したいと思いますか?

- まず家庭でできる工夫を試したい:31.5%
- 様子を見守りたい:23.5%
- 正しい情報を調べて判断したい:21.0%
- 気になる様子があれば医療機関に相談したい:16.0%
- 特に対応するつもりはない:8.0%
→ 医療機関への相談を検討する保護者は16.0%にとどまりました。多くの保護者が「まずは家庭で対処したい」「情報を集めたい」と考えており、いびきに対する適切な受診の目安や、正しい医療情報の提供が強く求められていることが伺えます。
調査結果のまとめ
今回の調査から、多くの子どもがいびきをかいている一方で、保護者の大半がそれを「疲れ」や「風邪」による一時的なものと考え、成長や集中力への影響について十分な知識を持っていないことが分かりました。「口を開けて寝ている」「朝起きられない」といったサインに気づきながらも、具体的な行動(医療機関の受診など)には結びつきにくいのが現状です。子どものいびきは、時に睡眠時無呼吸症候群などの隠れた疾患のサインであることもあります。過度に不安になる必要はありませんが、「よく寝ている証拠」と見過ごさず、正しい知識を持って子どもの睡眠の質に目を向けていくことが重要です。
一般社団法人 いびき無呼吸改善協会のコメント

子どものいびきは、「スースー」といった静かな寝息とは異なり、呼吸をするための気道が何らかの理由で狭くなっているサインです。特に「口呼吸をしている」「寝相が極端に悪い」「呼吸が時々止まる」といった様子が見られる場合、睡眠の質が著しく低下している可能性があります。質の低い睡眠が続くと、日中のイライラや集中力低下を招くだけでなく、あごの発達や歯並びにも影響を与えることがあります。
ただし、決して「いびき=すぐに受診」と慌てる必要はありません。まずは室温・湿度の調整や寝姿勢の工夫などご家庭でできることから始め、それでも毎晩のように大きないびきが続く場合や、日中の眠気が気になる場合は、かかりつけの小児科や耳鼻咽喉科に一度ご相談されることをお勧めします。いびきに対する正しい知識が、子どもたちの健やかな成長を守る第一歩になります。
調査概要
- 調査主体:一般社団法人 いびき無呼吸改善協会
- 調査期間:2026年6月14日~2026年6月16日
- 調査対象:全国の未就学児~高校生(おおむね3~18歳)の子どもと同居する保護者
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 有効回答数:200名