
今年で創設40周年を迎え、会員企業は800社以上いる一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)の会員である、株式会社TechnologyDock(代表:神山裕介)は、和歌山県の基幹産業である柑橘農業において、老朽化した選果場の設備を全更改することなく、AI(人工知能)技術を用いて制御システム(頭脳)のみを高度化する「頭脳更新モデル」を開発し、県内の中小規模選果場への導入支援および構造改革プロジェクトを本格始動いたしました。
本プロジェクトは、シンガポールの金融最前線やFA(工場自動化)分野で知見を持つ代表の神山が、巨額の設備投資が困難なために廃業が相次ぐ地域課題に対し、「既存のコンベア(物理的身体)を活かし、安価な汎用カメラとコンピュータで自動化する」という合理的アプローチで解決を図るものです。
この度、一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)の40周年特集記事にて、本取り組みの背景にある「グローバルな知見を故郷で活かす」という哲学や、持続可能な地域経済への展望が公開されましたので、事業の進捗と併せてお知らせいたします。
新モデル構築を公開の詳細はこちら
廃業か、数億円の投資か。和歌山のみかん産業が直面する「設備の20年問題」への新たな回答
全国有数のみかん産地である和歌山県において、現在深刻な問題となっているのが選果場設備の老朽化です。多くの中小規模の選果場では、約20~30年前に導入された設備が限界を迎えています。しかし、これらを最新の選果機に入れ替えるには数億円規模の投資が必要となります。後継者不足や資材高騰に悩む地方の農業現場にとって、この巨額投資は事実上の「廃業宣告」に等しいのが現実です。
株式会社TechnologyDock代表の神山裕介は、外資系投資銀行やヘッジファンドでの経験を経て、故郷である和歌山へ戻った際、この構造的な課題に直面しました。そこで着目したのが、FA(ファクトリーオートメーション)の技術とAIの融合です。選果場のコンベアや搬送機構といった「物理的な身体」は、メンテナンスさえすればまだ十分に稼働できます。問題なのは、時代遅れとなった制御システムやセンサーといった「頭脳」部分でした。
当社が開発・提供を開始した「頭脳更新モデル」は、既存のハードウェアをそのまま活用し、頭脳部分だけを最新のAI画像処理技術と安価な汎用コンピュータに置き換えるソリューションです。従来の大手メーカー製の専用機に依存せず、市販のWebカメラやPCを活用してシステムを内製化することで、設備更新にかかるコストを従来の数分の一以下に圧縮することに成功しました。これにより、資金力に乏しい中小規模の組合や農家であっても、選果精度を向上させつつ事業を継続することが可能となります。
「身体」はそのままで「頭脳」だけを最先端に。持続可能な農業DXの実現
本プロジェクトの核心は、単なるコスト削減にとどまりません。最新のAIモデルを搭載することで、熟練農家の目利きを超えるレベルでの選別自動化を目指しています。これまでのセンサーでは判別が難しかった微細な傷や病害も、ディープラーニングを活用した画像認識によって高精度に検知可能です。さらに、収集したデータを分析することで、収穫時期の最適化や品質管理の高度化など、データドリブンな農業経営への転換をも支援します。
元ヘッジファンドマネージャーという異色の経歴を持つ神山は、金融の世界で培った「不合理の是正」と「リターン最大化」の視点を農業分野に応用しました。「使えるものは徹底して使い、必要な部分にのみ最先端技術を投下する」という戦略は、資源の限られた地方において最も合理的なDX(デジタルトランスフォーメーション)の形であると考えています。
【業界トレンド】MCP(Model Context Protocol)のLinux Foundation移管──「AIをシステムの一部品として組み込む」時代へ(背景)
一方で、AI活用の潮流は「対話相手としてのAI」から、「業務や設備の中に組み込まれた“システムの一部品”としてのAI」へと急速に移りつつあります。こうした変化を象徴する動きとして、2025年12月、Anthropicが開発したAIエージェント接続規格「MCP(Model Context Protocol)」が、Linux Foundation傘下の「Agentic AI Foundation」に寄贈されました。
OpenAI、Google、Microsoft、AWSが共同設立に参加し、AIを外部システムに接続するオープン標準として業界統一規格化が進んでいます。「AIのUSB-C」とも呼ばれ、月間9,700万以上のSDKダウンロード、10,000以上のサーバーが稼働中とされており、2026年は、AIを「対話相手」ではなく「システムの一部品」として組み込む設計が本格化する年になると見られています。
こうした背景を踏まえると、当社が推進する柑橘選果場プロジェクトは、まさにこの流れを先取りした取り組みです。2025年末~2026年初頭にかけて、みかん出荷後の実データ収集を完了し、AIを選果パイプラインに組み込んだシステムの検証段階に入っています。
SAJ40周年特集記事にて、地方創生への想いと技術哲学を公開
この度、一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)が40周年を記念して企画した特集記事において、株式会社TechnologyDockの取り組みが詳細に取り上げられました。記事内では、神山がなぜ金融の最前線から地方の課題解決へと転身したのか、そしてこの「頭脳更新モデル」がいかにして地域経済の自立に寄与するのかについて、深く語られています。
記事の中では、単なる技術導入の話だけでなく、地域に根付く産業を守り、次世代につなぐための「事業承継」の視点や、グローバルな視座を持つ人材が地方で果たすべき役割についても触れられています。私たちは、本事業を通じて和歌山のみかん産業を守るだけでなく、同様の課題を抱える全国の地方産業に対する一つの解決モデルとなることを目指しています。
既存の枠組みにとらわれない発想で、地方の課題を技術で突破する株式会社TechnologyDockの挑戦に、今後もご期待ください。
【プロフィール】
神山裕介(かみやま・ゆうすけ) 和歌山県出身。FA(工場自動化)から金融システム開発、シンガポールでの金融業務まで、幅広い「自動化」の最前線を経験。東京大学・松尾豊教授が代表を務める国の寄付講座を修了し、シンガポール国立大学との産学連携にも携わる。現在は故郷・和歌山を拠点に、AIやDX技術を駆使した中小企業の経営支援を展開。特に柑橘産業の構造的課題解決に注力し、「電子頭脳の高度化による物理的身体の簡略化」という独自のアプローチで、地域産業の持続可能性に貢献している。最近、男女の双子の父となり、子供たちの未来のためにも地域経済の強靭化に取り組んでいる。
【一般社団法人ソフトウェア協会】
一般社団法人ソフトウェア協会(略称:SAJ)は、ソフトウェアに関わるあらゆる企業、団体、個人を繋ぎ、デジタル社会の実現を推進する業界団体で、800社以上にご加入いただき、創立40周年を迎えることができました。これからもソフトウェアの未来を創造し、国内外のデジタル化推進に貢献してまいります。
現在会員でない企業様も入会後、本インタビュー企画に応募することが可能です。
入会お問い合わせ・詳細は以下ページよりご連絡ください。
一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)事務局お問い合わせページ:https://www.saj.or.jp/contact/
※ご応募いただいた企業様の中から、本企画の趣旨に沿って選定させていただきます。応募多数の場合は、ご希望に添えない場合がございますので予めご了承ください。
【関連リンク】
インタビュー記事全文:https://www.saj.or.jp/40th_branding/heroes_technologydock
SAJ 40周年記念サイト: https://40th.saj.or.jp/
本企画のインタビュー記事一覧: https://www.saj.or.jp/40th_branding
株式会社TechnologyDock様 公式サイト:https://technologydock.jp/