~バッテリーの急激な容量低下(二次劣化)の兆候を“あらゆる場所”で“短時間”に診断~
大阪ガス株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長CEO:藤原 正隆、以下「大阪ガス」)と株式会社オリジン(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役社長CEO:稲葉 英樹、以下「オリジン」)は、電気自動車(以下「EV」)バッテリーの急激な容量低下(以下「二次劣化」)兆候を把握できる診断機能等を搭載した、業界初(※1)のEV向け可搬式充電器(以下「本充電器」)の共同開発に向けた契約を締結しました。
バッテリー劣化診断技術(※2)(以下「本技術」)は、大阪ガスと同社100%子会社である株式会社KRI(以下「KRI」)が独自に開発したもので、本充電器の普及を通じて、中古EVの適正な査定および流通拡大への貢献を目指します。
日本では2050年のカーボンニュートラル実現に向け、今後のEV市場拡大(※3)とともに、中古EVやリユースバッテリーの活用が期待されています。一方で、EVバッテリーは使用履歴が十分に把握できない場合も多く、劣化状態の適切な評価が難しいため、性能低下や容量減少に対する不安を招きやすく、中古EVの適正な価格査定や流通拡大を妨げる一因となっています。
大阪ガスとKRIは、使用履歴を十分に把握できないEVバッテリーにおいても、短時間充電から得られるデータなどから、その場で二次劣化の兆候の有無を診断することができる業界初のバッテリー劣化診断技術を2025年に開発しました。
本技術の実用化に向けて、充電器への診断技術搭載を進めています。充電機能と診断機能を一体化することで、EVの充電データを用いたバッテリー劣化診断が可能となります。
充電器には、定置式充電器と可搬式充電器がありますが、それぞれ診断の利用シーンが異なります。診断機能付き定置式充電器は、整備工場等に設置し、定期点検時等での診断を想定しています。一方、診断機能付き可搬式充電器は、中古車ヤードやオークション会場など、スペースやコスト面で制約がある、もしくは設置が困難な場所において、車両のある場所まで持ち運んで充電および診断を行える点が特長です。
そこで本共同開発では、Daigasグループが有するバッテリー劣化診断技術と、オリジンが有するEV向け可搬式充電器の技術を組み合わせることで、充電中にEVバッテリーの二次劣化を短時間で診断する可搬式充電器の開発及び新サービス創出を目指します。
本充電器の実用化に向けて協業するオリジンは、電源機器分野で培った技術力を活かしてモビリティの電動化を支える製品を展開しており、国内で唯一EV向け可搬式充放電器(※4)「POCHA V2V」シリーズ(※5)の開発、販売を行っています。充電に加え放電にも対応することで、現地での「駆け付け充電」や、災害時・停電時に電力を供給するBCP(事業継続計画)用途など、幅広いシーンで活用が可能です。
共同開発により創出される具体的なサービスとしては、中古車買取/販売事業者、リース会社、整備事業者等に本充電器を販売またはサービス提供し、バッテリー状態の診断を行うことで、適正な価格査定、リース返却車両の最適な活用先への再配置、バッテリーのリユース・リサイクル判断等への活用を想定しています。2026年度中に開発する実証版の本充電器を用いて現場での運用検証を進め、事業化に向けた知見の蓄積とユースケースの具体化を図ります。2027年度以降、これらの成果をもとに充電器の製品化およびサービスとしての展開を目指します。
両社は今後もパートナー連携を推進し、EV関連事業のさらなる拡大とEVの価値最大化に貢献してまいります。

短時間充電データを用いたEVバッテリーの劣化診断技術とその活用事例
※1:当社調べ(2026年7月時点)。短時間充電から得られる限られたデータなどから、その場で二次劣化の兆候の有無を診断することができるEV向け可搬式充電器は業界初。
※2:バッテリー劣化診断技術の詳細はこちら。
※3:政府は、日本国内の乗用車に関し、2035 年までに、新車販売で電動車100%の実現を目標に掲げています。
詳細はこちら。
※4:EVへの充電機能に加え、EVからの電力供給(放電)も受けられるため、一般的なEV充電器と区別して「充放電器」と表記しています。
※5:オリジンでは本実証でベースとなる「POCHA V2V」シリーズのほか、自社特有の技術を活かし、三相AC200Vの放電機能を備えることで高出力機器(動力)も動かせる可動式充放電器「POCHA+」の発売も予定しています(2026年夏販売開始予定)。詳細はこちら。