国際協力のキャリアを考えるイベントも同日開催

株式会社PoliPoli(所在地:東京都千代田区、代表取締役:伊藤和真)は、2025年11月7日(金)に、第7回政策提言イベント「Policy Pitch」を開催しました。
前財務大臣の加藤勝信議員、国民民主党代表の玉木雄一郎議員をはじめとする与野党の国会議員、省庁、企業、有識者、そして次世代の政策提言者(Reach Out Projectメンバー)が集まり、「なぜ今、グローバルヘルスか?」という問いのもと、自国優先主義(ナショナルファースト)が広がる世界での日本の役割と貢献のあり方を議論しました。
イベント「Policy Pitch(ポリシーピッチ)」概要
日時:2025年11月7日(金)16:00-18:00
場所:東京都千代田区平河町
定員:70名
主催:株式会社PoliPoli
後援:Gates Foundation, Coefficient Giving

参加者(敬称略、五十音順)
「Reach Out Project」メンバー 5団体
国会議員:
- 青柳仁士 衆議院議員(日本維新の会)
- 阿部圭史 衆議院議員(日本維新の会)
- 石井智恵 衆議院議員(国民民主党)
- 加藤勝信 衆議院議員(自由民主党)
- 鈴木貴子 衆議院議員(自由民主党)
- 玉木雄一郎 衆議院議員(国民民主党)
- 吉田はるみ 衆議院議員(立憲民主党)
企業:
松田周作(富士フイルム株式会社 ガバメントリレーションズ推進部長)
有識者:
- 柏倉美保子(Gates Foundation 日本常駐代表)
- 國井修(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金 CEO/専務理事)
- 廣原萌(一般社団法人Better World Story 代表)
- 古屋範子(前衆議院議員/公明党顧問)
省庁:
- 厚生労働省 大臣官房国際課
- 外務省 国際協力局
ほか、メディア関係者、一般参加者の方にご参加いただきました。
当日の様子
加藤勝信議員より挨拶

加藤勝信議員
国際保健の分野で、特に若い皆さんが新しい視点から議論を盛り上げ、つないできてくれたことに心より感謝します。 今年8月のTICAD9や12月に予定されているUHCハイレベルフォーラムなど、国際保健分野は進展が期待される重要な局面にあります。
一方で、国際保健への取り組みに対し「日本のことをしっかりやるべき」というナショナル・ファースト的な意見が存在する現状も直視しなければなりません。国民がその取り組みを「自分たち自身や未来につながる」と認識できることが不可欠です。今後は国民理解を深める「基盤づくり」をさらに掘り下げていく必要があります。若い皆さんの独自の視点で、国際保健が国益に資する仕組みを深掘りし、具体的な次の行動を導く議論に期待しています。
玉木雄一郎議員より挨拶

玉木雄一郎議員
グローバルヘルスへの取り組みは我が国にとって極めて重要であると再認識しています。
現在、国内情勢の厳しさから海外支援に対するネガティブな意見も見られます。しかし、だからこそ科学と事実に基づき、狭義の国益を超えた「メタ視点」で世界への影響を考える必要があります。それが巡り巡って、日本ブランドの向上という国益にもつながるからです。
理念だけでなく、具体的に命を救うという現実的なアプローチで成果を見せることが重要です。若い世代が各国で取り組みを進めることが、再び支援への協力を集める力になります。皆さんの提案をぜひ国の政策にも取り入れていきたいと考えています。
阿部圭史議員より挨拶

阿部圭史議員
医師や厚生労働省での経験から、これまで様々なグローバルヘルス政策に携わってきました。本イベントには以前も参加していますが、「日本の国益」そして「国際公益」の双方にとって素晴らしい提案がされています。本日も、心が躍るような熱意あるピッチが行われることを大いに期待しています。
オープニングセッション:なぜ今「グローバルヘルス」か?

中央:國井修 氏
スピーカー:
國井修 氏(GHIT Fund CEO/専務理事)
松田周作 氏(富士フイルム株式会社 ガバメントリレーションズ推進部長)
モデレーター:
中井澤卓哉(株式会社PoliPoli 執行役員)

松田周作 氏
国際保健分野における日本発のイノベーションをテーマに、それぞれの視点から国際貢献の現状と課題について話しました。
國井氏は、「日本発のイノベーションへの研究開発投資の重要性」を強調しました。日本が誇る優れた技術を世界で活用し、その結果得られたリターンが日本へと確実に還元される「循環」を示すことこそが、国益として不可欠であると訴えました。
富士フイルムの松田氏は、同社が、グループパーパス「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」に基づき、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでいることを紹介しました。特に、同社売上の約3分の1を占めるヘルスケア事業において、医療サービスへのアクセスが限られている地域向けに、小型・軽量で持ち運びがしやすい携帯型X線撮影装置などを提供し、結核の早期診断に大きく貢献している具体的な事例を共有しました。
さらに、国際保健への貢献を一層強化するために克服すべき課題と、政府に対する具体的な期待についても議論。まず、国際保健への積極的な貢献が国内で十分に知られていないという「無知の壁」が存在し、国内に向けたアピール強化の必要性を挙げました。また、研究開発から臨床試験、そして実際に社会に普及させるまでの一連の連携(エコシステム)が分断している現状があり、これを解消するために、「産」「官」「学」が連携した包括的なサポート体制の構築が求められます。最後に、企業単独での活動が困難な、現地の保健省との交渉などにおいて、日本政府や大使館が「公共セクターの伴走」を行うことで、活動の信頼性や効率性を飛躍的に高めるサポートが重要であるとの見解が示されました。
政策提言ピッチと国会議員からのフィードバック
「Reach Out Project」メンバーの4名が、現場の課題に基づいた政策提言を発表しました(*発表順)。
片平雅大 氏(Fihankra Health 代表)
【提言のポイント】低中所得国におけるデジタルヘルスの推進を公的文書(骨太の方針など)に明記し、支援体制を拡充すること。

片平雅大 氏
茶山美鈴 氏(一般社団法人Health for all.jp)
【提言のポイント】グローバルファンドなど国際機関への出資の継続と、国際貢献(特に企業活動)の発信強化。

茶山美鈴 氏
大矢千瑛 氏(手稲渓仁会病院初期研修医)
【提言のポイント】メンタルヘルス統合型HIV治療支援を、ODAの正式支援領域(NGO連携無償資金協力の重点分野など)として位置づけること。

大矢千瑛 氏
平田竜都 氏(一般社団法人Reaching Zero-Dose Children)
【提言のポイント】国際機関への拠出において、「事前評価書」の公開による算出根拠の明示と、拠出後の日本企業参画実績の定量的な評価・公表を制度化すること。

平田竜都 氏
当日の発表資料:https://drive.google.com/drive/folders/1LHT_0ih7UHbqP4iLDScKZDB309d1Gzp-?usp=sharing
参加議員からは、「どのように国民の理解を得て、政策として実現するか」という実践的な視点でのアドバイスがありました(*ご発言順)。

左より:吉田はるみ議員、青柳仁士議員、石井智恵議員、玉木雄一郎議員
玉木雄一郎 議員:
国内情勢が厳しい中で、海外支援への理解をどう広げるかは課題。民間や若者が「日本の貢献は自国にもプラスになる」と発信することは重要。遠隔診療など、海外での実証には可能性があり、国民理解を広げるためのアイデアがある。政治の世界とも連携ができると良い。
鈴木貴子 議員:
「グローバルヘルス」をあえて「日本人の健康と安全を守るため」という観点を前面に出すなど、国民が納得しやすい文脈作りが重要。また、農業分野など既存の枠を超えて多様な仲間を巻き込み、アクターを拡大し、発信力を強化すべき。
青柳仁士 議員:
元国連・JICA職員の視点からも、国際保健は外交として重要であり、紛争リスクを下げるものである。グローバルファンドの新しい形や国際機関の成果発信、既存スキームの活用などが必要。国際機関の成果は測りにくい部分もあるため、ピッチコンテスト形式で国際機関に「役に立っている」と発表させる場を設けるのも一つの方法だと考える。
吉田はるみ 議員:
大変学びになる発表内容だった。海外で収集するデータや症例が、日本のヘルスケア発展に寄与するという視点は重要。新たな大きなベネフィットとして訴求できる。
石井智恵 議員:
海外支援について、それが日本の国益やビジネスに還元されるという視点での発信が不可欠。党内勉強会の開催や、現地のニーズを日本企業につなぐ仕組み作り、NPOとの連携などを通じて、国会内でも国際保健への理解を広げていく。

古屋範子 氏(前衆議院議員、公明党顧問):
21年間の議員生活を通じ、長年グローバルヘルスに尽力してきた。
かつてに比べ理解は進んでいるが、分断の時代だからこそ、若い世代への啓発が重要。支援を受けて結核を克服した方の声を届けるなど、日本の拠出がどこの地域で命を救っているか発信すべき。ここにいるReach Out Projectのメンバーが、若者の理解を広げる先駆けとなることを期待している。

古屋範子 氏
国際協力のキャリアを考えるイベント「REACH OUT for future」も同日開催

当日は約60名の方が来場し、政府、国際機関、企業、NGO/NPO、学生団体といった多様なセクターで活躍する4名とのグループディスカッション形式での交流会を開催しました。
イベント開催の背景と目的

2022年12月に開始した「Reach Out Project」は、グローバルヘルス分野のアドボカシーや政策提言に関心を持つ10代~30代の支援とコミュニティ運営に取り組んでいます。これまで延べ80人が参加しています。
現在は第3期を迎え、HIV/エイズ、マラリア、母子保健、顧みられない熱帯病(NTDs)、薬剤耐性(AMR)といった課題に取り組むメンバーやチームが活動しています。グローバルネットワークやグローバルヘルスの専門的な知見を有するさまざまな団体のご協力をいただき、ルールメイキング、PR、ファイナンスなどについて学ぶ機会をつくっています。
2025年8月にはアフリカ開発会議(TICAD9)が開催、12月にはUHCナレッジハブが設立され、日本がグローバルヘルス分野で主導的な役割を果たす機会となっています。私たちは、現場のデータや実践的な活動を基盤として、若者が政策提言を行える場や、多様な関係者との政策共創の機会を提供することにより、国内外の社会課題解決に貢献することを目指しています。
会社概要

株式会社PoliPoli(ポリポリ)
代表者:伊藤 和真
所在地:東京都千代田区
設立:2018年2月
企業理念:新しい政治・行政の仕組みをつくりつづけることで、世界中の人々の幸せな暮らしに貢献する。
コーポレートサイト:https://www.polipoli.work/