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株式会社ジンズホールディングス

JINSと大阪大学大学院医学系研究科の共同研究論文が、世界的権威を誇る眼科学・視覚科学誌「IOVS」に掲載

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株式会社ジンズ(以下JINS)と、国立大学法人大阪大学(以下大阪大学)大学院医学系研究科・医学部 社会医学講座 公衆衛生学は、JINSが保有するメガネ販売のビッグデータを活用した屈折状態(近視、乱視、老視)に関する共同研究に取り組み、眼科医療に役立てていただくことを目指しています。
この度、川崎良教授(大阪大学大学院医学系研究科 社会医学講座公衆衛生学 教授、医学部附属病院AI医療センター 副センター長)との「近視における疫学研究」の論文と、高静花准教授(大阪大学大学院医学系研究科 視覚先端医学 寄附講座准教授)との「乱視における疫学研究」の論文が、世界最大の眼科・視覚科学研究学会であるアメリカ視覚眼科学会(ARVO)の公式機関誌で、国際的に最も権威ある学術雑誌の一つ、「Investigative Ophthalmology & Visual Science(以下、IOVS)」にて発表されました。両論文は、これまでにない大規模なメガネ販売ビッグデータを用いた解析が評価され、同誌への掲載に至りました。

産学連携で科学的根拠に基づくイノベーションを探究。日本初※の臨床研究で貢献!

JINSは、サステナビリティコミットメントの一つに「近視をなくす。目を通じた、幸福の追求を。」を掲げています。これまで、ブルーライトから目を守るアイウエアや、目に必要とされる光のバイオレットライトを選択的に透過するレンズ、社会課題でもある睡眠の環境を整えるアイウエアなど、産学連携によってアイウエアの可能性を広げる、革新的な商品を生み出してきました。2021年には、医療・研究・教育機関との連携でイノベーションを探究する組織「メディカル戦略部(当時:ヘルスケア事業部)」が発足。眼科医やアカデミアなど専門家と連携し、科学的根拠に基づいたイノベーションをより深く探究しています。
こうしたなか、2024年に大阪大学大学院医学系研究科と共同研究を開始。社会医学講座公衆衛生学の川崎良教授に加え、脳神経感覚器外科学(眼科学)の主任教授である西田幸二教授の監修のもと、視覚先端医学の高静花寄附講座准教授と進めてきました。従来の研究の多くは、限られた地域や年齢層が対象という課題がありました。一方、今回の共同研究では全国47都道府県に展開するJINS店舗で取得した、膨大な匿名化されたビッグデータ(度数情報および購入者属性)を活用。従来の研究とは異なる大規模かつ多角的な視点から分析を行い、屈折状態の疫学的特徴の変化と、それに伴う視力障害のリスクに関する貴重な洞察から、有益なエビデンスを提供することで、眼科医療への貢献を目指してきました。なお、メガネ販売のビッグデータを活用した臨床研究は日本初※の試みです。

※自社調べ

近視は30歳頃まで進行。20歳で約2割が軽度・中等度の乱視。共同研究で明らかに。

今回、IOVSに川崎良教授との「近視における疫学研究」および、高静花寄附講座准教授との「乱視における疫学研究」という2つの論文が掲載されました。
「近視における疫学研究」では、メガネを購入した6歳から35歳までを対象に、近視度数の年齢分布や変化速度などを解析しました。その結果、「近視は30歳頃(男性30歳、女性29歳)まで進行」、「近視の進行速度が最も速いのは6~7歳」、さらに「10歳未満の学童で既に1.3%が強度近視」ということが示されました。この結果は、早期による近視進行抑制がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにしています。また「乱視における疫学研究」では、6歳から89歳までの購入データを基に、年齢別の乱視の割合や乱視軸の推移、左右差の分布を明らかにしました。これにより、「10歳から割合が増え、20歳で約2割が軽度・中等度の乱視」、「50歳以上で乱視が急増し、加齢とともに直乱視から倒乱視へ変化」、「乱視保有者の約9%は左右で非対称な乱視度数(1.00D以上の差)を持つ」ということが確認されています。これらの知見は、年代を問わず乱視を正確に検知し、適切に矯正することの重要性を再認識させるものとなりました。
今後もJINSは、アイウエアに長年たずさわってきた企業の使命として、専門家と連携し科学的根拠に基づいた探究により、人々の目の健康の向上をはじめ眼科医療の発展に貢献してまいります。

■川崎良 教授のコメント

いま日本で近視が増えています。この事にまつわる現状をメガネ販売データから見てみようという着想からこの研究が始まりました。世界的にみると同様の研究はあるものの、これだけの規模で近視や乱視の屈折状況、そして年齢によるパターン、時間的な変化を調査した研究はなく、貴重な知見であると考えています。今後は各種疫学調査との比較、また、より長期での動向を明らかにすることなどを通じてこのような知見をどのように近視予防につなげるか、適切な治療へのアクセスにつなげるかといった課題にも取り組んでいく必要があると考えています。

【プロフィール】
2023年 - 現在、大阪大学, 大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学, 教授
2021年 - 現在、大阪大学, 医学部附属病院AI医療センター, 副センター長
2020年 - 大阪大学, 医学部附属病院AI医療センター, 特任教授
2015年 - 山形大学, 大学院医学系研究科公衆衛生学, 准教授
2013年 - 山形大学, 大学院医学系研究科公衆衛生学, 助教
2007年 - メルボルン大学Centre for Eye Research Australia, 研究フェロー
1997年 - 山形大学, 医学部眼科, 助手

■高静花 寄附講座准教授のコメント

近年、近視は世界的に大きな注目を集め、近視進行抑制の研究や治療は急速に進歩しています。一方で乱視は多くの方にみられるにもかかわらず、その実態は十分に明らかになっていませんでした。私はこれまで、さまざまな乱視の診療・研究を通じて、乱視が見え方の質に大きく影響することや、適切に矯正されることの重要性を明らかにしてきました。今回、JINSとの共同研究により、全国規模の大規模メガネ販売データを活用して日本人の乱視の実態を明らかにできたことは、本研究の大きな意義だと考えています。本研究が、これまで十分に注目されてこなかった乱視への理解を深め、一人ひとりに適した視力矯正や眼科医療の発展につながることを期待しています。

【プロフィール】
2026年 - 日本コンタクトレンズ学会 理事長
2017年 - 現在、大阪大学, 大学院医学系研究科視覚先端医学, 寄附講座准教授
2012年 - 大阪大学, 大学院医学系研究科眼科学, 助教
2010年 - 大阪大学, 大学院医学系研究科視覚情報制御学, 助教
2007年 - 米国ロチェスター大学眼科, 研究員(~2009年)
1999年 - 大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部眼科入局

■近視における疫学研究

【概要】
論文タイトル:Distribution and Time Trends of Refractive Errors in Japanese Spectacle Wearers
共同研究者:大阪大学大学院医学系研究科 川崎良(教授)、高静花(寄附講座准教授)、西田幸二(教授)/株式会社ジンズ メディカル戦略部 松岡秀仁、堀清貴
分析対象:2021年9月1日~2023年8月31日の期間中に、全国434のJINS店舗でメガネを購入した6~35歳の顧客の匿名化データ。対象データ数、4,525,689人。
URL:https://iovs.arvojournals.org/Article.aspx?doi=10.1167/iovs.67.10.5

【研究結果のポイント】
- 近視は30歳頃(男性30歳、女性29歳)まで進行
これまでの代表的な学術研究では、近視の進行は「18~21歳で安定する(進行が止まる)」と報告されていた。今回の共同研究で、男性は30歳、女性は29歳まで緩やかに進行し続けることが示され、これまでの常識を覆す結果となった。これは近年の国際近視学会による「若年成人の近視進行」に関する最新の知見とも一致する。

- 近視の進行速度が最も速いのは6~7歳
近視の進行速度は6~7歳が最も速く、19歳にかけて速度が緩やかになる。目の健康には、小学校低学年という極めて早い段階から見守り、適切な介入が必要であることが示された。

- 10歳未満の学童で既に1.3%が強度近視
強度近視の割合は10歳未満の学童で既に1.3%に達しており、15歳では男女ともおおむね10%に達し、年齢とともに割合は急増。将来的に深刻な視力障害のリスクを高める「強度近視」に対し、早期の進行予防・制御の重要性を示した。

■乱視における疫学研究

【概要】
論文タイトル:Epidemiology of Astigmatism in Japan: Analysis of More Than 9,000,000 Spectacle Prescriptions
共同研究者:大阪大学大学院医学系研究科 高静花(寄附講座准教授)、川崎良(教授)、西田幸二(教授)/株式会社ジンズ メディカル戦略部 松岡秀仁、堀清貴
分析対象:2021年9月1日~2023年8月31日の期間中に、全国434のJINS店舗でメガネを購入した6~89歳の顧客の匿名化データ。対象データ数、9,204,993人。
URL:https://iovs.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2811774

【研究のポイント】
- 10歳から割合が増え、20歳で約2割が軽度・中等度の乱視
10歳から軽度・中等度の乱視の割合が増え、20歳では約2割(約5人に1人)になる。若年層においても早期の適切な乱視矯正の重要性が示された。

- 50歳以上で乱視が急増し、加齢とともに直乱視から倒乱視へ変化
加齢とともに乱視を有する割合は増え、その度数も強くなり、50歳以上で急増する。50代から60代にかけて加齢により、直乱視から倒乱視への移行は急激に増加し、70歳で過半数に達した。倒乱視は直乱視に比べ、近見作業や読字への悪影響が大きく、特に50歳以上は乱視を適時・適切に矯正し、視覚機能を維持する必要性が示された。

- 乱視保有者の約9%は左右で非対称な乱視度数(1.00D以上の差)を持つ
少なくとも片目に乱視(0.25D以上)を有する乱視保有者(約506万人)のうち、およそ10人に1人(約9.4%)に、左右の乱視度数差が1.00D以上の顕著な左右非対称性(不同乱視)が認められた。大きな左右差による両眼視の不具合やメガネによる視力矯正への順応不良を防ぐため、個々に応じた精緻な処方が必須であることが顕著に示された。

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