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国境なき医師団

イエメン:終わりの見えない紛争で医療が壊滅状態に【情報まとめ】

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2015年3月以降、泥沼の紛争が続くイエメン。国境なき医師団(MSF)は現地の医療不足を補うべく、対応を続けている。MSFがこれまでに治療した負傷者の数は9万人を超えた。戦闘が激化するホデイダとタイズを中心にMSFは医療施設を運営し、外科手術や感染症の治療にあたっている。これまでの症例数やMSFの対応をまとめた。

各地の状況

長引く紛争によってイエメン全域の医療体制が壊滅状態だが、北部は特に深刻な状況だ。2016年8月から医療従事者の給与は支払われておらず、人材不足を招いている。稼動している病院も残り少ない。さらに、サヌア空港の封鎖によって国外で治療することもできなくなっている。

ホデイダ
2018年9月、スイス・ジュネーブでの和平協議が失敗に終わり、9月18日にはサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)が支援する暫定政権軍が反政府勢力「アンサール・アッラー(通称フーシ派)」に対する攻勢を再開。反政府勢力が支配するホダイダ市が戦線となり、首都サヌアに通じる主要道路の一部が封鎖され、包囲戦の懸念が高まった。

8~9月には通貨のイエメン・リアルが大幅に下落し、物価の高騰と燃料不足に陥った。ホデイダ市民60万人の半数以上が首都サヌアやイッブ、ハッジャに脱出したとみられるが、景気悪化を受け、10月に帰還する人も見られた。

10月上旬、MSFは市北東部のアル・サラカナ病院で活動を開始。戦闘拡大に備え、救急処置室と手術室を修復した。11月、暫定政権軍は陸上部隊を派遣し、攻勢を激化。アル・サラカナ病院の間近まで戦線が迫った。ホデイダ市に残された病院は、このほか2施設のみ。中核病院であるアル・タウラ病院も運営を続けているが、迫りくる戦線はやはり脅威だ。

モカ、アデン、アブス、ハッジャ
11月、MSFはホデイダの戦闘による負傷者750人以上をホデイダ市内のほか、モカ、アデン、アブス、ハッジャの施設で治療。負傷の原因は、おもに銃撃や爆弾によるものだった。

ホデイダの南180kmに位置するモカでは8月から活動。ホデイダ、タイズからの救急患者に対応するため、野外外科病院を設置。これまでに約2000件の救急診療、1000件以上の手術を行った。8~12月に受け入れた急患の18%が15歳未満だった。地域で唯一、緊急手術ができる野外病院では、合併症を起こした妊婦の緊急手術にも対応している。

アッダリ
10月、アッダリ県でMSFスタッフと宿舎を狙った事件が1週間以内に2件相次いで発生。11月7日、MSFは同県での活動終了を発表した。この地域で、MSFは繰り返し暴力行為や脅迫に遭っており、過去にも複数回、活動停止を余儀なくされている。

アッダリ県でMSFは2012年から活動。県都アッダリ市、カタバ地区、アル・アザリク地区、ダムト地区で無償の医療を展開し、合計40万人以上を治療していた。

2018年11月の戦闘による地域別負傷者数

栄養失調・感染症対策

栄養失調
MSFはハッジャ、サアダ、アムラン、イッブ、タイズの5県で栄養失調プロジェクトを展開。2018年1月からの10ヵ月間で合計4855人の栄養失調患者を治療した。MSFが活動地で収集したデータからは、「飢きん地区」(全急性栄養失調の有病率が子どもだけでなく、青少年や成人の間でも非常に高く、死亡率も高い)の存在は読み取れない。ただ、MSFをはじめとするNGOも国連機関も、全人口の栄養状態は俯瞰できていない。情勢不安や移動制限の影響で、大規模な調査ができずにいることが理由だ。

コレラ
MSFはアムラン県ハメル、イッブ県イッブ、ハッジャ県アブスでコレラ治療ユニット、イッブ県ジ・アッスファル、タイズ県フーバン、アッダリ県ダムト、そしてアブスでコレラ治療センター(CTC)を運営し、2018年1月からの10ヵ月間で患者6680人を治療した。

コレラ感染はいったん抑え込まれたが、依然として警戒が必要。患者数のピークは7月で、8月には減少に転じ、前年同期を下回った。

MSFの診療実績(2015年3月~2018年10月)

戦闘などの暴力による負傷者:9万1574人
救急患者:97万3095人
外科手術:7万6436件
小児患者(暴力被害者を除く):3万4189人
分娩介助: 6万4032件
国内避難民の一般診療:23万2576件
コレラ疑い症例: 11万4646件
マラリア:1万4130件
栄養失調:1万4370件
活動するMSFスタッフ数: 2200人以上
2018年予算: 6450万ユーロ
配布した医療物資・設備:合計4760トン

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