「ハンバーガー店」業界動向調査(2025年度見通し)

株式会社帝国データバンクは、全国の「ハンバーガー店」市場について調査・分析を行った。
SUMMARY
2025年度のハンバーガー店市場(事業者売上高ベース)は、2年連続で1兆円を超える見通しとなり、過去最高を更新する見込み。価格改定を背景に客単価が上昇する一方、マクドナルドのような「利便性重視型」と、グルメバーガーなど「高付加価値型」の二極化が進んだ。訪日客のニーズ拡大で「和牛」など独自の体験価値を訴求するバーガー店も増加し、多様な選択肢が市場拡大の原動力となった。
[調査対象] ファストフードのうち「ハンバーガー店」業態を主力事業として展開する企業
[注1] 業績等のデータについては、2026年1月時点における帝国データバンクが保有する企業概要ファイル
(COSMOS2、約150万社収録)、企業信用調査報告書(CCR、約200万社収録)、外部情報などを基に集計した。
[注2] 事業者売上高(セグメント売上高、推定を含む)の合計。2025年度の数値は各社の予想値に基づく。
売上高は全店売上高(システムワイドセールス)が対象。FC運営(フランチャイジー、加盟店)企業は除く。
「ハンバーガー店」市場、1兆円超え 2025年度も過去最高に
2025年度(2025年4月~2026年3月期決算)におけるハンバーガー店の市場規模(事業者売上高ベース)は、1兆300億円前後に達する見通しとなった。前年度からは約2%前後の増加となり、初めて市場全体で1兆円を超えた2024年度(1兆161億円)に比べて伸び率(+7.0%)は縮小するものの、2年連続で1兆円を上回り、過去最高を更新する。「デフレの象徴」だったハンバーガーが、ここにきて新たな黄金時代を迎えている。

店舗数の推移では、主なバーガーチェーン10社の合計で5300店となり、前年から1.6%の増加となった。市場首位のマクドナルド(日本マクドナルド)、モスバーガー(モスフードサービス)に加え、近年急速に店舗を拡大するバーガーキングの台頭も背景に、店舗数は増加傾向で推移している。
2024・25年度のハンバーガー店市場は、100円台から食べることができる「安価なファストフード」としての枠組みのなかで、原材料費・物流費・人件費の上昇という「三重苦」に直面し、戦略的な価格改定を余儀なくされた。こうしたなか、バーガー業態ではマクドナルドのような利便性を求める層と、モスバーガーやバーガーキング、グルメバーガー店のように「品質」や「体験」を求めるニーズの二極化が鮮明となった。
利便性の面では、マクドナルドのモバイルオーダー成功に追随し、主要各社がアプリによる販促を強化していることで、ピークタイムの販売機会ロス低減や、クーポンの配布などによる固定客の囲い込みが進んでいる。また、ブランド牛やこだわりの野菜、チーズなどの具材をのせた高級ハンバーガーの登場により、ハンバーガーが付加価値の高い「嗜好品」としての外食に進化したことが、近時の市場拡大の原動力となった。特に観光地に立地する中小バーガーチェーンでは、近年人気が高まるラーメン業態と同様に、ヴィーガン対応や代替肉の活用、「和牛バーガー」といった日本独自のメニューの認知度が高まり、訪日観光客向けの注文が増加したことで業績を伸ばすバーガー店もみられた。

2026年度も引き続き、市場の大部分を占有するマクドナルドに対し、特徴的な販売戦略で顧客獲得を狙うバーガーキングやドムドムハンバーガー、新業態への転換で再起を図るゼッテリアなどのバーガーチェーンに加え、高価格帯など特化型メニューで訪日客の需要をつかむグルメバーガー店と、選択肢の広がりによる市場の活性化が注目されよう。人件費や光熱費、原材料費の高まりなどコスト高への対応が課題となるものの、バーガー人気が一過性のブームで終わることなく、日本の食文化を支えるコンテンツへと飛躍できるか期待がかかる。