期間:2022 年 10 月 1 日 (土) ~ 11 月 20 日 (日) 10 時 ~ 18 時 ※会期中無休 / 場所:松坂屋名古屋店 南館 7 階 松坂屋美術館(入館は閉館 30 分前まで)
松坂屋名古屋店では、現代アート界の異色の画家・吉村芳生の作品など 500 点以上を展示する展覧会を東海地方で初開催します。吉村芳生は、鉛筆による綿密な線画を追求し続けた画家で、2010 年に郷里の山口県立美術館で開催した個展では、現役作家としては異例の 43,000 人を動員して注目を集めました。膨大な時間を費やして制作された吉村の驚くべき作品群は、写真と見間違えるほどのリアリティで、見る者の度肝を抜く凄みを感じさせます。本展は 3 部構成で、日常生活の中で目にするありふれた風景をモノトーンのドローイングや版画で表現した初期の作品群、色鉛筆を駆使してさまざまな花を描いた後期の作品群、そして生涯を通じて描き続けた自画像の数々を展示します。2013 年に惜しまれつつも早逝した吉村芳生の、ただ上手いだけの絵ではない、描くこと、生きることの意味を問いただす真摯な作品の数々をお楽しみください。
ありふれた風景をモノトーンのドローイングや版画で表現した初期の作品群
版画作品や、鉛筆でのドローイングが中心の初期の作品。制作の特徴として、題材を撮った写真にマス目を引き、それをさらに拡大して一マスごとに模写していくという機械的な方法が挙げられます。

ジーンズの織り目まで丁寧に描かれたドローイング作品。この超絶技巧を支える秘密は「マス目」にあります。


色鉛筆を駆使してさまざまな花を描いた後期の作品群
1990 年頃から吉村は色鉛筆で描いた花の絵を制作するようになります。題材となった花々は、85 年に広島から移住した故郷山口県・徳地の休耕地に咲くコスモスやケシでした。




生涯を通じて描き続けた自画像の数々
生涯で 2000 点を超える自画像を描いた吉村。新聞の一面に大きく自画像が描かれたシリーズでは、すべて同じ画家の顔であるにも関わらず、記事に内容を反映した多様な表情につい引き込まれてしまいます。

吉村芳生について―2007年、57歳で現代アート・シーンに再登場した奇跡の画家。―
1950 年、山口県に生まれた吉村芳生は、版画とドローイングのフィールドで内外の美術展に出品を重ね、いくつかの美術館に作品が収蔵されるなど、高い評価を得ましたが、その評価は一部にとどまっており、決して知名度の高い作家ではありませんでした。1990 年代以降は、山口県展や画廊での個展が中心の地道な活動を続けていました。それが一変したのは2007年。この年、森美術館で開催された「六本木クロッシング 2007:未来への脈動」展に出品された作品群が大きな話題を呼び、その後、各地の美術館で作品が展示され、特に山口県立美術館で開催された個展には多くの観客が押し寄せました。遅咲きの花として、快進撃を続けていた吉村はしかし、2013 年に早逝しました。
開催概要
吉村芳生展 超絶技巧を超えて
期間:2022 年 10 月 1 日 (土) ~ 11 月 20 日 (日) 10 時 ~ 18 時 ※会期中無休
場所:松坂屋名古屋店 南館 7 階 松坂屋美術館(入館は閉館 30 分前まで)
主催:松坂屋美術館、日本経済新聞社、テレビ愛知
企画協力:(株)アートワン
入館料(税込):一般 1,000 円(800 円)、高・大生 700 円(500 円) 小・中生 400 円(300 円)
※未就学児は無料 ※( )内は前売・優待料金