~老化肝細胞が肝線維化を促進する分子機構を解明 解析の一部に生成AI技術を活用~
東京大学医科学研究所 癌防御シグナル分野(中西 真教授)とGMOインターネットグループ(グループ代表:熊谷正寿)は、老化細胞が加齢に伴う肝線維化を引き起こすメカニズムを研究した論文を投稿し、国際学術誌「Advanced Science誌」に採択されました。
論文名:
p16Ink4a-Positive Hepatocytes Drive Liver Fibrosis Through Activation of LIFR Family Pathway
URL: https://doi.org/10.1002/advs.202510562
本研究は、肝線維化における老化細胞の分子シグナルを解明し、肝線維化と老化との関連性に関する新たな理解を提示するものです。GMOインターネットグループは、生成AIを応用したヒトおよびマウスの統合解析手法を提案し、本論文の一部解析で活用されました。

【研究の背景と成果概要】
加齢に伴う臓器の線維化は、肝臓をはじめ複数の臓器で観察され、慢性肝障害や肝硬変の進行と深く関わっています。しかし、「加齢が線維化を進行させる分子機構」は十分に解明されていませんでした。
本研究の主な成果は以下となります。
- 肝障害モデルにおいて老化肝細胞が周囲に分泌する物質が線維化と強く相関することを明らかにしました
- モデルマウスにおいて老化肝細胞を選択的に除去することで肝線維化が改善することを実証しました
- 生成AIを応用した解析手法により、マウスで特定された老化肝細胞の特徴と高い類似性をもつ細胞がヒト肝硬変患者の肝細胞にも存在することを明らかにしました
この発見により、肝線維症の新しい治療法の可能性が期待されています。
【東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野 中西 真 教授 コメント】
本研究は、マウス遺伝学と分子生物学的解析から得られた研究成果を、生成AI技術を用いてヒト疾患に応用することを目指すものです。ヒトの肝硬変は肥満などの生活習慣に深く関わっており、肝がんの発症のリスクが高い状態です。マウスモデルを用いた研究から、肝線維化に老化肝細胞が重要な役割を果たしていることがわかりました。またヒト肝硬変患者にも類似の細胞が存在し、肝がん発症に寄与する可能性が示されました。これは、今後の肝がん発症予防を考える上でも重要です。さらに他の疾患についても生物学とAI技術の融合により、さらなる深い理解につなげていくことを目指しています。
【GMOインターネットグループと東京大学医科学研究所の共同研究ついて】
本共同研究は2023年10月より、GMOインターネットグループ株式会社とGMO学術サポート&テクノロジー株式会社が東京大学医科学研究所と進める 「GMO生成AI老化細胞特定プロジェクト」 の一環となります。
プロジェクト詳細はこちら: https://group.gmo/ims-u-tokyo/
このプロジェクトは、生成AI技術を活用して 従来手法では困難な老化細胞の高精度特定を実現するシステム開発を目指し、創薬研究や老年病治療の基盤技術にすることを目指しています。
GMOインターネットグループは、AI技術やデータサイエンスを生命科学分野に応用し、産学連携の共同研究によって、健康寿命延伸に寄与する研究・創薬支援に貢献してまいります。
【GMOインターネットグループについて】
GMOインターネットグループは、ドメインからセキュリティ、決済までビジネスの基盤となるサービスをご提供するインターネットインフラ事業を主軸に、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、暗号資産事業を展開する総合インターネットグループです。
お客様に喜ばれるサービスを迅速かつ低価格で提供するために、サービスは機器の選定から設置、構築、開発、運用までを内製化することを基本方針としています。そのため、グループおよそ120社に在籍する約8,000名のパートナーのうち、ITのモノづくりを担う開発者(エンジニア・クリエイター・ディレクター)が50%を超えています。
以上