9種の試験を通じて、用途やコスト条件に応じた最適な仕様選定が可能に
銘建工業株式会社(本社:岡山県真庭市、代表取締役社長:中島浩一郎、以下銘建工業)と三井ホーム株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:野島秀敏、以下三井ホーム)が共同で開発を進めたCLTを用いた薄型遮音床構造について、2026年9月9日に金沢工業大学で開催された日本音響学会第156回(2026年秋季)研究発表会で研究成果を発表しました。

試験棟(外観)
試験棟内部作業中の様子

CLT構成図。今回は構造用CLT薄肉90mm厚を使用。
脱炭素社会の実現に向けて建築分野における木材利用への関心が高まる中、木造集合住宅は都市計画法や建築基準法による制限があり、最高高さ10m以下の規制エリアにおける木造住宅は3階建てまでが一般的な限界とされています。木造4階建てを実現するためには、各階の床厚を抑えながら十分な遮音性能を確保することが課題となっていました。
今回、銘建工業と三井ホームはCLTを用いた遮音床構造の開発を行い、試験は音響や遮音を専門とする株式会社音装エンジニアリング(本社:茨城県つくば市、代表取締役:上田泰孝)の協力のもと実施しました。構造用CLT薄肉90mm厚を用いて床の薄型化と遮音性能の両立に挑戦し、天井~床総厚300mm以下の厳しい制約下で、重量床衝撃音試験(バングマシン)では、LH-60*程度、軽量床衝撃音試験(タッピングマシン)ではLL-50*程度の実用的な性能が得られることを確認できました。
*LHとは重量床衝撃音に対する遮音等級、LLとは軽量床衝撃音に対する遮音等級を示し、数値が小さいほど遮音性能が高くなります。集合住宅ではLH-60/LL-55程度が実用的な目安とされています。
床衝撃音性能については断面仕様(材料リスト)だけでは性能が決定せず、構造条件や衝撃音の種類など複数の要因が相互に影響して性能が決定します。本研究では、9種類の試験を通じて段階的に要素を積み上げ、1要素ずつ分離して実証を行いました。これにより、コストや階高、用途に応じて最適な仕様を選択するための指針を得ることができました。
当日の様子
発表会場では、ゼネコンの環境技術、音響技術を専門とする方々、音響専門メーカー、CLTを研究する学生から質問や意見が寄せられました。特に、薄肉90mm厚のCLTを用いた遮音床試験への挑戦や、社会ニーズを踏まえた実用性の高い研究内容について高い評価をいただきました。また、学生からはCLT、特に接合部に関する熱心な質問が寄せられ、関心の高さがうかがえました。

ポスター発表の様子
学生さんからも質問いただきました
本研究成果から得られた知見を使って遮音床構造の特許を出願中です。
過去のリリースもご覧ください。
最高高さ10m以下の規制エリアでも「3階の限界」を超える。三井ホームと銘建工業が共同で木造4階建ての可能性を広げる遮音床構造を開発
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000175346.html
会社情報

会社名 :銘建工業株式会社
本社 :岡山県真庭市勝山1209
設立 :1966年7月(1923年創業)
資本金 :3,780万円
事業内容:
・構造用木質建材の製造(集成材・CLT)
・木質構造事業(木質構造の設計・施工)
・バイオマス事業(発電・木質ペレット)
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