
木糸を使った染色体験イメージ
九州旅客鉄道が運行するクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の1泊2日「わいたコース」において、木由来の糸「木糸(もくいと)」を使った染色体験がスタート!福岡県糸島市に本社を構えるHIRAXISが、同体験に携わる。
「木糸」を使った染色体験を実施

クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」1号車(写真提供:九州旅客鉄道)
「わいたコース」は、9月5日(土)~2027年2月に運行される「ななつ星 in 九州」の1泊2日の新コース。熊本県小国町のわいた温泉郷などを巡り、九州の大地の力と、自然とともに暮らす人々に出逢う旅として構成されている。

「わいたコース」では、車内にて、木を原料の一部としてつくられる糸「木糸」を使った染色体験を実施。HIRAXISは、地域にある自然資源を糸や染料などの素材へ変え、商品や体験として使われる価値につなげる技術開発に取り組んでいることから、今回の体験に携わり、木から生まれた素材と草木染めを通して、九州の自然をより身近に感じる時間を届ける。
桜から抽出した天然染料を使用

木由来素材を活用した染色例
草木染めの色は、その土地にある植物という自然資源から生まれ、同じ植物であっても、その土地や季節、素材の状態などによって生まれる色には違いがあるとのこと。「わいたコース」の染色で使用されるのは、山梨県立大学 国際政策学部の増田貴史教授が開発した技術を活用し、桜から抽出した天然染料だ。
増田教授が半導体工学の研究で培った技術を天然染料の開発に応用したもので、従来の草木染めでは加熱しながら時間をかけて染める工程が一般的だが、この染料は加熱することなく、常温で数分程度で染色できることが特徴。
HIRAXISが大切にしているのは、自然資源を単に消費するのではなく、その背景にある土地や植物の物語まで含めて、素材や体験へつなげていくこと。
今回の染色体験も、完成したものだけではなく、「木から糸が生まれ、植物から色が生まれ、それを自らの手で染める」という一連の時間を旅の記憶として持ち帰ってもらうことを目指している。
エネルギーも、地域にある資源を活かす方法を検討

熊本県わいた温泉郷の地熱を活用した染料製造試験
またHIRAXISでは、染色に使う植物だけでなく、その製造工程で必要となるエネルギーについても、地域にある資源を活かす方法を検討。これまでに、熊本県わいた温泉郷の地熱を活用した染料製造試験を実施し、地熱による染料製造の可能性を確認しているという。
今後は、地域の熱エネルギーを活用した染料製造の実装を目指し、植物という地域資源だけでなく、その土地にある熱エネルギーまで活かすことで、地域の自然から素材や色を生み出す新しい製造のあり方を探っていくとしている。
HIRAXISについて

HIRAXISの拠点「さくる」福岡県糸島市
染色体験に携わるHIRAXISは、福岡県を拠点に、木や植物などの地域資源を糸・和紙・天然染料などの素材へ変える技術開発を行っている企業。地域に存在する自然資源を素材化するだけではなく、商品企画、試作、製造設計、体験設計までを一貫して行い、企業や地域との共創によって「使われる価値」へつなげることを目指している。
今回の「ななつ星 in 九州」での体験を一つの出発点として、今後も九州をはじめとする各地域の自然資源を、その土地ならではの素材・商品・体験へとつなげていく考えだ。
木という地域の自然資源を、暮らしの中で使うことのできる素材へ。九州の自然を素材と色に変え、旅の記憶へつなぐ「わいたコース」の染色体験をチェックしてみては。
「ななつ星 in 九州」わいたコース:https://www.cruisetrain-sevenstars.jp/course/29_waita.php
HIRAXIS HP:https://hiraxis.com/
(佐藤ゆり)