漏水リスク診断に基づく「管路の健全度診断」と、災害時の影響度を考慮した「管路の重要度診断」により、地域特性に応じた管路更新計画の策定を支援

衛星データを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューション「宇宙水道局」を提供する、JAXA認定の宇宙ベンチャー・株式会社天地人(東京都中央区、代表取締役 櫻庭康人)が、大分県内16の水道事業者に共同でご導入いただきましたことをお知らせします。
複数の自治体による共同発注という形での導入は、県が進める広域連携の方針に沿った取り組みとなります。
日本の水道インフラが抱える社会課題
上水道の「水道管の老朽化」を背景に全国各地で大規模な漏水事故が相次いで発生しています。しかしながら、日本の水道管延長の約25.3%にあたる約18.9万kmの管路が法定耐用年数を超えており、現状の手法では経年管の点検・維持・修繕の実施に多額の費用を要するうえに、広域、かつ、短期間で行うことは困難とされています(出典:日本水道協会「水道統計」令和5年度)。さらに今後は、少子高齢化・人口減少により料金収入や職員数の減少が見込まれるため、問題は深刻さを増す一方です。天地人は衛星データを活用し、これらの課題解決に寄与したいと考えています。
大分県の水道事業における取り組み
大分県内の水道事業も、給水人口の減少、高度経済成長期に整備された施設の老朽化、技術職員の減少といった課題に直面しています。県内には18の市町村があり、その多くが中小規模の事業者であることから、個々の団体だけで維持管理や管路更新の負担を担い続けることは容易ではありません。
こうした状況を踏まえ、大分県は2019年度から2028年度を計画期間とする「大分県水道ビジョン」を策定し、安全・強靭・持続の3つの観点から県内水道の理想像を示してきました。さらに2023年3月には、市町村の枠を超えた広域連携を推進する指針として「大分県水道広域化推進プラン」を策定。県内を5つのブロックに分けて、人材育成や資材の共同購入、業務の共同発注など取り組みやすいものから連携を進める方針を打ち出しています。
今回の導入は、この方針に沿って県内16の水道事業者が共同で発注したものです。事業者ごとに個別に調査を発注するのではなく、広域で一体的に実施することで、コストと事務負担の抑制につなげることができます。
また国土交通省においても、インフラの老朽化や技術系職員の不足を背景に、複数自治体や複数分野のインフラを「群」として捉え、広域的・戦略的に維持管理する「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」という取り組みが掲げられています。本件も、水道分野における広域連携を具体化するものであり、群マネの考え方にも通じます。
「宇宙水道局」は、こうした大分県内各事業者の水道経営に貢献できるよう、管路更新業務のDX化支援を通じて持続可能な水道事業の実現を後押ししてまいります。
(参考)
大分県水道ビジョン|大分県庁 生活環境部環境保全課
群マネ特設HP|国土交通省
大分県ご担当者さまのコメント
近年、人口減少や施設の老朽化に加え、技術職員の減少など、本県の水道事業を取り巻く環境は厳しさを増しています。こうした課題に対し、個々の自治体の努力だけに頼るのではなく、県内16自治体が手を携えて本ソリューションを共同導入できたことは大きな前進です。
行政区域の境界を越えてエリア全体を俯瞰しながら、高精度な漏水リスク診断を行えるようになることで、限られた人員・財源の中で、効果的な維持管理・更新優先度判断が期待できます。今後も関係自治体と連携しながら県内水道インフラの強靭化に取り組んでいきます。
「宇宙水道局」について
「宇宙水道局」は、衛星データを活用し持続可能な水道事業の実現を支援する水道DXソリューションです。技術力の高さと導入ハードルの低さが評価され、「第7回インフラメンテナンス大賞」厚生労働大臣賞、「第6回宇宙利用促進大賞」審査委員特別賞などを受賞。また、国土交通省が公開している『上下水道DX技術カタログ』に掲載されています(実用段階編187・188ページ)。
2023年4月のサービス提供開始から、延べ導入事業体数*が100を突破しました。
*2026年9月現在。契約更新含む

上水道向けサービス
1. 漏水リスク診断に基づく音聴調査支援
衛星データを活用した数メートル単位での管路のリスク診断により、高い解像度で現在・近未来の漏水のリスクの把握が可能です。また用途に応じて、メッシュ単位での漏水リスク診断にも対応します。漏水する可能性が高いエリアを絞り込むことで、優先的に調査すべき場所を簡単に見つけられ、効率的な維持管理を実現します。
2. 地域特性に応じた水道管の管路の更新計画策定支援
管路診断結果に基づく「健全度」(漏水リスク診断結果)と、一般住宅から重要給水施設(病院、学校、避難所など)まで、あらゆる施設や暮らしへの影響を包括的に考慮した「重要度」を組み合わせて評価することで、複数の「更新優先シナリオ」を作成します。地域の特性を考慮したシナリオを通じて、各管路の更新優先順位を合理的かつ透明性をもって決定することで、有用性の高い計画策定を支援します。
大分県内16自治体では、このうち「2」のサービスを導入いただきました。
「宇宙水道局」の本質的な価値は、長年蓄積されてきた自治体のデータと最新の衛星技術を融合させることにあります。この融合から生まれる「漏水リスクの情報」という新たな視点により、従来の音聴調査や更新計画といったアプローチが進化すると考えています。
過去の英知と未来の技術をつなぐこの取り組みが、限られた資源でより大きな効果を生み出す新しい水道事業の実現となるべく今後も貢献してまいります。
■宇宙水道局 特設サイト
https://suido.tenchijin.co.jp/
■本件に関するお問い合わせ先
漏水事業担当:伊藤
お問合せ窓口:info-compass@tenchijin.co.jp
■会社概要
会社名:株式会社 天地人
所在地:東京都中央区日本橋1丁目4−1日本橋一丁目三井ビルディング5階
代表者:代表取締役 櫻庭 康人
事業内容:衛星データを使った土地評価コンサル
公式サイト:https://tenchijin.co.jp/
「宇宙水道局」特設サイト:https://suido.tenchijin.co.jp/
X:https://x.com/tenchijin_pr
Linkedin:https://www.linkedin.com/company/tenchijin/
note:https://note.com/tenchijincompass